2026年6月期 決算サマリー
サマリー
自社開発品種のいちご果実を中心に青果を販売するホーブ(連結)の2026年6月期は、北海道の記録的な高温による出荷ピークの前倒しと夏秋期の出荷減、冬春期の促成いちごの品薄、年明け以降の大手取引先の取扱数量の減少が重なり、売上高が前期比1.7%減の23億72百万円、営業損失が22百万円(前期は38百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が27百万円(前期は24百万円の利益)となった。 なお、同社は2026年7月23日に東京証券取引所から整理銘柄に指定され、流通株式時価総額基準の不適合を理由に、2027年1月1日付で上場廃止となることが決まっている(後発事象)。
売上高
2,372百万円
△1.7%営業損益赤字
△22百万円
前期は38百万円の利益経常損益赤字
△18百万円
前期は39百万円の利益親会社株主に帰属する当期純損益赤字
△27百万円
前期は24百万円の利益いちご果実・青果事業のセグメント利益
106百万円
△32.8%種苗事業のセグメント利益
24百万円
+57.9%営業活動によるキャッシュ・フロー
155百万円
前期16百万円自己資本比率
62.9%
前期末70.7%ハイライト
- 【重要な後発事象】東京証券取引所から2026年7月23日付で、当社株式を整理銘柄に指定し、2027年1月1日付で上場廃止とする旨の連絡を受けた。整理銘柄の指定期間は2026年7月23日から2026年12月31日、理由は、基準日における上場維持基準(流通株式時価総額基準)の審査で、基準への不適合が確認されたため。上場廃止後の株式の取扱い(株主への影響、売買の方法など)や、対応方針は短信に記載がない。時価ベースの自己資本比率は95.8%(前期144.5%)で、時価総額は総資産の約0.96倍にあたる約10.5億円(当社試算)
- 売上高は2,372百万円(前期比△1.7%)、売上総利益は519百万円(前期550百万円、売上総利益率21.9%、前期22.8%、当社試算)。販管費は542百万円(前期512百万円、+5.8%)で、運搬費が166百万円(+6.3%)、給料及び手当が103百万円(+12.0%)に増え、営業損失は22百万円(前期は38百万円の利益)。営業外収益は受取利息1百万円、債務勘定整理益2百万円などで4百万円(前期2百万円)、経常損失は18百万円。特別利益は固定資産売却益1百万円。税金等調整前当期純損失17百万円に対し、法人税等が11百万円(うち調整額4百万円)かかり、当期純損失は27百万円、1株当たり当期純損失は36.71円(前期は利益32.44円)
- セグメント別(外部顧客への売上高/セグメント利益)は、いちご果実・青果事業が2,084百万円(△3.3%)/106百万円(△32.8%)、種苗事業が58百万円(+11.3%)/24百万円(+57.9%)、馬鈴薯事業が76百万円(+1.4%)/損失0.2百万円(前期は利益4百万円)、運送事業が155百万円(+17.3%)/18百万円(△15.1%)。全社費用(調整額)は△171百万円(前期△161百万円)。売上の約88%を占めるいちご果実・青果事業の減益が全体の赤字の主因で、全社費用を賄いきれなかった
- いちご果実・青果事業の会社の説明は、夏秋期は、主力産地の北海道で6〜8月の気温が過去最高となり、高温でいちごの出荷量が急にピークを迎えて品質も低下し、ピーク後は出荷量が大幅に減って、8月から9月下旬まで十分な販売量を確保できなかった(栽培管理の工夫で9月下旬から出荷は増えたが、それまでの減少分を補えなかった)。クリスマス向けの冬春期は、本州の厳しい残暑で促成いちごの定植が遅れ、10月の曇天でさらに生育が遅れ、主力産地の栃木での大果系品種への切り替わりも重なり、業務用サイズが全国的に品薄となってクリスマス時期の販売数量が前年をやや下回った。1〜6月は、原材料価格の上昇や消費者の節約志向を背景に、大手取引先を中心に取扱数量が減り、業務用サイズの市場相場が高値で推移して、あらかじめ販売価格を決めていた取引先には利益が圧縮された。コンビニなどでのフルーツ使用量の減少で、その他の青果物も減収減益
- 種苗事業は、契約産地の栽培面積の拡大で苗の販売本数が増え、栽培指導業務の受託収益もあって増収増益。馬鈴薯事業は、秋作向けの種馬鈴薯の生産面積の減少による供給不足と、春作向けの産地の高温・干ばつによる生産量の減少で販売数量が減り、仕入単価の上昇を販売単価に転嫁しきれず、赤字になった。運送事業(連結子会社エス・ロジスティックス)は、受託業務の見直しで増収となったが、外注費・人件費の増加と、車両入替による減価償却費の増加で減益。運送事業にはグループ内向けの配送(セグメント間の内部売上高134百万円)が含まれ、セグメント間取引を含む売上高は289百万円。主要顧客への依存度も高い。売上高10%以上の顧客は、株式会社シャトレーゼ473百万円(前期436百万円、売上の約20%)、三井物産流通グループ264百万円(同293百万円)、トーワ物産249百万円(同265百万円)の3社で、合計986百万円は売上の約42%(当社試算)。いずれもいちご果実・青果事業の顧客
- 財政状態は、総資産1,098百万円(前期末比+28百万円)、純資産690百万円(同△66百万円)、自己資本比率62.9%(前期末70.7%)、1株当たり純資産906.11円(同992.86円)。現金及び預金は306百万円から406百万円(+99百万円)、売掛金は578百万円から516百万円(△62百万円)、買掛金は92百万円から180百万円(+88百万円)。借入金はなく、有利子負債はゼロ。純資産の減少は、当期純損失28百万円と配当38百万円による。営業キャッシュ・フローは155百万円の収入(前期16百万円)で、税金等調整前当期純損失17百万円に対し、仕入債務の増加88百万円と売上債権の減少62百万円が支えた(運転資金のタイミング要因が大きく、赤字の解消を意味しない)。投資CFは△14百万円、財務CFは配当金の支払38百万円などで△42百万円
- 【要確認】2027年6月期(連結)の通期予想は、売上高2,546百万円(+7.3%)、営業利益28百万円(前期は営業損失)、経常利益28百万円、純利益18百万円、1株当たり24.19円。事業別の売上見込みは、いちご果実・青果2,232百万円(+7.1%)、種苗70百万円(+21.3%)、馬鈴薯63百万円(△16.2%)、運送180百万円(+16.3%)。夏秋期は自社品種「ペチカほのか(夏瑞/なつみずき)」のギフト向け販売で利益率の向上を図り、冬春期は近年の市場相場を考慮した販売価格の設定で利益確保を重視する方針。ただし、上場廃止(2027年1月1日)が決まっており、廃止後の開示や事業運営への影響は短信に記載がない。配当は期末50円(前期50円)で、配当総額38百万円は当期純損失28百万円を上回る水準(当社試算で約1.4倍)。2027年6月期の予想配当も50円(予想1株当たり利益24.19円に対し約207%)
- 【訂正】2026年9月8日付で、本短信のサマリー情報の(参考)自己資本(2026年6月期)が691百万円から690百万円に訂正された(純資産690百万円と一致)。その他の数値の訂正はなく、本記事は訂正後の数値を使用している。個別業績の一部数値は、PDFの符号が判読できないため、本記事では記載を省略した。決算補足説明資料の記載は判読できず、決算説明会は機関投資家・アナリスト向けに開催。短信は監査の対象外
財政状態
総資産
1,098百万円
純資産
690百万円
自己資本比率
62.9%
現金及び預金
406百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年6月期 通期予想(上場廃止が決定済み) | 2,546百万円+7.3% | 28百万円前期は22百万円の損失 | 28百万円前期は18百万円の損失 | 18百万円前期は27百万円の損失 |
注目ポイント
何より大きいのは、上場廃止が決まっている点である。東京証券取引所は2026年7月23日付で同社株式を整理銘柄に指定し、2027年1月1日付で上場廃止とする。理由は流通株式時価総額の基準への不適合で、時価総額が約10.5億円と小さいことが背景にある。この決算は、上場廃止までの間に開示された決算にあたるが、廃止後の株主への影響や事業の見通しについては、短信は触れていない。投資家として保有する場合は、整理銘柄の指定期間(〜2026年12月31日)と今後の適時開示を確認する必要がある。
業績面では、猛暑という天候要因が売上・利益の両方を押し下げた。夏秋期の高温による出荷の偏り、冬春期の促成いちごの品薄、年明け以降の大手取引先の取扱減が重なり、主力のいちご果実・青果事業の利益が約3割減って全体は赤字となった。売上の約2割を1社(シャトレーゼ)に依存する構造も、取引動向に左右されやすい。営業キャッシュ・フローはプラスだが、仕入債務の増加による一時的な要因が大きい。
財務は自己資本比率62.9%、借入金なしで当面の余力はあるが、当期純損失28百万円に対し配当38百万円と、配当が利益を上回った。来期予想は黒字転換(営業利益28百万円)を見込み、配当も50円を維持する計画だが、上場廃止後の開示の継続は不明で、予想がどう検証されるかも今後の開示次第である。