決算ノート
1928東証プライム・名証プレミア住宅(戸建・賃貸住宅・マンション)、不動産開発、リフォーム、国際事業(米国)

2027年1月期 中間期 決算サマリー

サマリー

戸建住宅・賃貸住宅・マンション・不動産開発などを展開する積水ハウスの2027年1月期中間期は、都市再開発事業(積水ハウス・リート投資法人への6物件売却など)とマンション事業が大きく伸び、 営業利益が前年同期比16.0%増の1,803億70百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同23.1%増の1,250億53百万円と増益となった。売上高は米国事業の減収で同2.5%減の1兆9,656億円。 国際事業は営業利益が同93.2%減の10億円にとどまった一方、国際事業の受注残高は前期末の約2.0倍に増えた。通期予想は売上高を下方修正(4兆2,600億円、△2.1%)、営業利益は据え置き(3,500億円)とし、 下期は前年下期を下回る利益が想定されている(当社試算)。

売上高

1,965,644百万円

△2.5%

営業利益

180,370百万円

+16.0%

経常利益

169,081百万円

+23.8%

親会社株主に帰属する中間純利益

125,053百万円

+23.1%

売上高営業利益率

9.2%

+1.5pt(前年同期7.7%)

受注高

2,324,930百万円

+9.3%

ハイライト

  • 開発型ビジネスが利益を押し上げた。都市再開発事業は売上高98,416百万円(前年同期比+176.2%)、営業利益27,352百万円(同+437.7%)で、積水ハウス・リート投資法人への都市型賃貸マンション「プライムメゾン用賀砧公園」など6物件の売却が進んだ。マンション事業は売上高56,184百万円(同△2.3%)ながら、「グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCE」「グランドメゾン渋谷大山町」などの引渡しで営業利益15,742百万円(同+83.8%、営業利益率28.0%)。仲介・不動産事業は売上高211,490百万円(同+5.7%)、営業利益16,771百万円(同+17.2%)
  • ストック型は、賃貸住宅管理事業が売上高368,016百万円(同+2.9%)、営業利益41,745百万円(同+12.7%)、リフォーム事業が売上高104,766百万円(同+12.8%)、営業利益15,035百万円(同+14.8%)と、ともに2桁の増益。請負型は、戸建住宅が売上高244,168百万円(同△1.1%)、営業利益23,990百万円(同△5.2%)、賃貸・事業用建物が売上高264,951百万円(同△1.9%)、営業利益36,665百万円(同+0.1%)、建築・土木が売上高151,013百万円(同△5.0%)、営業利益15,036百万円(同+0.5%)。戸建住宅は購入者マインドの低下傾向があるものの、引合いは概ね安定し、ZEH比率は96%
  • 【要確認】国際事業は減益が大きい。売上高486,353百万円(同△20.8%)、営業利益1,036百万円(同△93.2%、営業利益率0.2%)。米国戸建住宅事業は、顧客の様子見姿勢の継続による販売・引渡し戸数の減少とインセンティブ付与で減益。米国賃貸住宅開発事業は前年同期の物件売却の反動があったが、「The Ayer」(シアトル)など4物件の売買契約を締結し2026年7月に引渡しを完了した(第3四半期に計上予定)。会社は2026年1月からSEKISUI HOUSE U.S., Inc.のOne Company体制で運営している
  • 受注は、連結の受注高が2,324,930百万円(前年同期比+9.3%)、受注残高が2,163,704百万円(前期末比+19.9%)。国際事業の受注高が794,669百万円(同+20.3%)、受注残高が603,415百万円(前期末295,099百万円、+104.5%)と大きく積み上がった。請負型は受注高715,090百万円(同△3.8%)、うち建築・土木が168,499百万円(同△10.5%、前年同期の大型工事の反動)。マンション事業の受注高は75,623百万円(同+32.5%)、リフォーム事業は113,432百万円(同+17.9%)
  • 売上総利益は428,791百万円(前年同期398,456百万円)で売上総利益率は21.8%(同19.8%、当社試算)、販管費は248,421百万円(同242,982百万円、+2.2%)。営業外では持分法による投資利益4,739百万円(同1,961百万円)や為替差益3,801百万円(前年同期は1,977百万円の為替差損)などが経常利益を押し上げ、特別利益は投資有価証券売却益12,643百万円(同11,591百万円)。法人税等は54,251百万円(負担率約30%)。1株当たり中間純利益は192.90円(同156.76円)、中間包括利益は158,303百万円(前年同期は△19,356百万円の損失で、為替換算調整が+43,110百万円)
  • 財政状態は、総資産5,115,320百万円(前期末比+108,682百万円)、純資産2,302,992百万円、自己資本比率44.0%(前期末42.7%)。分譲建物・分譲土地・未成分譲土地の合計は約3,176,100百万円(前期末約3,034,659百万円、+約141,441百万円、当社試算)に増え、この間に投資不動産等39,713百万円を「分譲建物」「分譲土地」へ保有目的の変更で振り替えた。有利子負債(借入金・社債)は約1,882,299百万円(前期末約1,848,889百万円、当社試算)。自己株式は40,905百万円から8,503百万円に減り、期末の発行済株式数は663,122,166株から651,585,566株(△11,536,600株)と、自己株式の消却があったとみられる(短信に決議の記載なし)
  • 【要確認】通期予想(2026年3月5日公表分を修正)は、売上高4,260,000百万円(旧予想4,353,000百万円から△93,000百万円、△2.1%、前期比+1.5%)、営業利益350,000百万円(据え置き、同+2.5%)、経常利益316,000百万円(旧314,000百万円、同△3.6%)、純利益224,000百万円(旧218,000百万円、+2.8%、同△3.5%)、1株当たり345.55円(旧336.30円)。中間期の進捗は売上高46.1%、営業利益51.5%、経常利益53.5%、純利益55.8%。前期通期実績との差から逆算した下期は、営業利益約169,630百万円(前年下期約185,929百万円に対し約△8.8%)、純利益約98,947百万円(同約△24.2%)と減益を見込む形(当社試算)で、国際事業の弱さが下期の想定に織り込まれているとみられるが、内訳は短信にない
  • 【訂正】同日、2026年3月5日公表の「2026年1月期 決算短信」の参考資料②セグメント別内訳(2026年1月期)の受注高に集計の誤りがあったとして、戸建住宅事業を506,871百万円から498,705百万円、賃貸・事業用建物事業を583,443百万円から591,609百万円に訂正した(当期比は2027年1月期予想に対し戸建1.6%→3.3%、賃貸・事業用4.6%→3.1%)。連結の受注高合計や財務数値には影響しない。配当は中間72円(前年同期72円)、期末予想73円で年145円(前期144円)。セグメントの区分は当期から一部見直し(従来「その他」の一部を都市再開発事業へ変更)、前年同期は組替後の数値。決算補足説明資料は「有」、説明会は2026年9月10日に機関投資家・アナリスト向けに開催

財政状態

総資産

5,115,320百万円

純資産

2,302,992百万円

自己資本比率

44.0%

現金預金

427,080百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年1月期 通期予想(売上高のみ下方修正)4,260,000百万円(進捗46.1%)+1.5%(旧予想から△2.1%)350,000百万円(進捗51.5%)+2.5%(修正なし)316,000百万円(進捗53.5%)△3.6%224,000百万円(進捗55.8%)△3.5%(旧予想から+2.8%)

注目ポイント

売上は2.5%減ったが、営業利益は16%増え、営業利益率は9.2%に上がった。牽引したのは、都市再開発事業(リートへの物件売却)とマンション事業という開発型の利益、そして賃貸住宅管理・リフォームというストック型の増益である。請負型の戸建住宅や建築・土木は横ばいから微減にとどまる。一方、国際事業の営業利益は前年から9割以上減り、米国の住宅市況の弱さが響いている。利益の質を見るうえでは、物件売却益に近い都市再開発の寄与が大きい点に留意したい。

先行きの数字が目を引く。国際事業の受注残高は前期末の約2倍(6,034億円)に積み上がっており、今後の売上を支える一方、通期予想では売上高が旧予想より930億円下方修正され、営業利益は据え置き、下期の営業利益は前年下期を約9%下回る計算になる。純利益は、前年に比べて下期で約24%減る想定で、開発型の売却益の計上時期や米国事業の採算が、下期の利益を左右するとみられる。

財務面では、販売用不動産(分譲建物・土地)の増加で総資産が約1,087億円増え、自己資本比率は44.0%へ改善した。配当は年145円予想(前期144円)。なお、同日に前期の決算短信の参考資料(受注高の内訳)に訂正が出ているが、連結の合計や業績数値への影響はない。

出典:積水ハウス株式会社「2027年1月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)/「2026年1月期 決算短信」の一部訂正について」(2026年9月10日開示)

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