2027年4月期 第1四半期 決算サマリー
サマリー
精肉・惣菜・和菓子・レストラン・食品を手がける柿安本店(連結)の2027年4月期第1四半期(2026年5〜7月)は、売上高が前年同期比2.4%減の84億46百万円、営業利益が同72.8%減の65百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同88.8%減の16百万円と、減収・大幅減益となった。 利益の柱である惣菜事業のセグメント利益が46.2%減の1億23百万円、精肉事業も21.8%減益となり、レストラン事業は21百万円の損失に転じた。 会社は、消費者の節約志向、原材料価格の上昇、労働力不足で収益環境が厳しいと説明する。通期予想(営業利益14億円、△1.9%)は据え置きで、第1四半期の進捗は4.6%にとどまる。
売上高
8,446百万円
△2.4%営業利益
65百万円
△72.8%経常利益
87百万円
△65.6%親会社株主に帰属する四半期純利益
16百万円
△88.8%売上総利益率
52.8%
△0.7pt(前年同期53.5%、当社試算)惣菜事業のセグメント利益
123百万円
△46.2%和菓子事業の売上高
1,597百万円
+4.4%レストラン事業のセグメント損益赤字
△21百万円
前年同期は1百万円未満の利益ハイライト
- 売上総利益は4,458百万円(前年同期4,631百万円、△3.7%)、売上総利益率は52.8%(同53.5%、当社試算)。販管費は4,393百万円(同4,392百万円)とほぼ横ばいで、粗利益の減少がそのまま営業利益の減少(約△174百万円)になった。営業利益率は0.8%(同2.8%、当社試算)。営業外収益は受取利息10百万円、受取配当金6百万円などで22百万円(同14百万円)、経常利益は87百万円。法人税等は70百万円で、税引前利益86百万円に対する負担率は約81%(同約42%、当社試算)と高く、四半期純利益は16百万円(同△88.8%)、1株当たり四半期純利益は1.72円(前年同期15.40円)
- セグメント別(外部顧客への売上高/セグメント利益)は、精肉事業が3,122百万円(△2.9%)/129百万円(△21.8%)、惣菜事業が3,044百万円(△2.0%)/123百万円(△46.2%)、和菓子事業が1,597百万円(+4.4%)/25百万円(+1.9%)、レストラン事業が252百万円(△27.3%)/損失21百万円、食品事業が429百万円(△6.3%)/38百万円(△22.0%)。精肉・惣菜の2事業で売上の約73%を占め、この2事業の利益減少(合計約△143百万円)がセグメント利益全体の減少(約△175百万円)の約8割を占める(当社試算)
- 会社が挙げた施策は、精肉事業の「三重 柿安牛」感謝袋(毎月月初)とWEB予約「ニクヨヤク」経由のキャンペーン、惣菜事業の人気アニメをデザインした牛鍋弁当や『三重 柿安牛 牛めし』などの店舗限定販売、和菓子事業の『夏いちご大福』『ピスタチオチョコ大福』の新発売と155周年記念の感謝袋、レストラン事業のフードコート業態の丼商品、食品事業のホテル向け甘味メニューや『帆立うすだき』の国際線ファーストクラス機内食への採用。ただし、利益が大きく減った精肉・惣菜・レストランについて、減益の直接の要因(原価、人件費など)を示した記述は短信にない(【要確認】)。全体の背景としては、節約志向の根強さ、原材料価格の上昇、労働力不足を挙げている。出退店は和菓子事業で1店の退店
- 財政状態は、総資産18,617百万円(前期末比△863百万円)、純資産14,740百万円(同△764百万円)、自己資本比率79.2%(前期末79.6%)。純資産の減少は、剰余金の配当814百万円(前期の期末配当85円)の支払が主因。現金及び預金は8,052百万円から7,036百万円へ1,016百万円減り、売掛金は2,427百万円から2,712百万円へ285百万円増加、未払法人税等は255百万円減少、賞与引当金は347百万円から171百万円に減った。貸借対照表に借入金の計上はない。投資有価証券は562百万円から639百万円(+76百万円)
- その他の包括利益は+33百万円(その他有価証券評価差額金+52百万円、退職給付に係る調整額△19百万円)で、四半期包括利益は49百万円(同△67.5%)。減価償却費は142百万円(前年同期149百万円)。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成していない。任意の期中レビューを受けており、レビュー報告書に指摘事項はない
- 【要確認】通期予想(売上高36,000百万円△0.2%、営業利益1,400百万円△1.9%、経常利益1,450百万円△1.6%、純利益800百万円△1.4%、1株当たり83.50円)は2026年6月10日公表から修正なし。第1四半期の進捗は売上高23.5%に対し、営業利益4.6%、純利益2.0%にとどまる。達成には第2四半期以降の9か月で営業利益約1,335百万円が必要で、前期の第2〜第4四半期に相当する額(約1,188百万円、通期予想の増減率からの当社逆算)を約12%上回る計算。会社は短信で根拠を示していない
- 配当は第2四半期末0円・期末85円の年85円予想で、前期実績も85円、修正なし。通期予想の1株当たり純利益(83.50円)を上回る水準(配当性向は約102%、当社試算)。決算補足説明資料・決算説明会はいずれも「無」
財政状態
総資産
18,617百万円
純資産
14,740百万円
自己資本比率
79.2%
現金及び預金
7,036百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年4月期 通期予想(修正なし) | 36,000百万円(進捗23.5%)△0.2% | 1,400百万円(進捗4.6%)△1.9% | 1,450百万円△1.6% | 800百万円(進捗2.0%)△1.4% |
注目ポイント
減収に加え、粗利率の低下で営業利益が7割超減った第1四半期である。販管費は前年並みで、売上減による粗利益の減少がそのまま利益を削る構造になっており、営業利益率は2.8%から0.8%まで下がった。特に惣菜事業(利益△46.2%)と精肉事業(同△21.8%)の落ち込みが大きいが、短信は減益の直接の要因を示していないため、原価や人件費のどちらが効いたのかは読み取れない。
財務は自己資本比率79%、借入金なし、現金及び預金70億円と厚い。一方、通期予想の1株当たり純利益(83.50円)に対して配当は年85円と、予想どおりでも利益を配当が上回る水準にある。第1四半期の純利益は16百万円で、期中に支払った配当(814百万円)を大きく下回った。
通期予想は据え置かれたが、第1四半期の営業利益進捗は4.6%で、前年同期も通期の約17%にとどまっていた。第2四半期以降で前年を約12%上回る利益が必要になる計算で、次の第2四半期決算で計画との乖離が広がらないかを確認したい。