決算ノート
2438東証遺影写真等のデジタル加工(フューネラル)、フォトブック、空中ディスプレイ

2027年4月期 第1四半期 決算サマリー

サマリー

葬儀向けの遺影写真加工、フォトブック、空中ディスプレイを手がけるアスカネット(連結)の2027年4月期第1四半期(2026年5〜7月)は、売上高が前年同期比4.8%増の17億26百万円と伸びたが、遺影写真加工収入の減少や原材料価格の上昇、東京支社の移転準備に伴う二重家賃などで営業損失は65百万円(前年同期は18百万円の損失)に拡大し、親会社株主に帰属する四半期純損失は46百万円(同7百万円の損失)となった。 フューネラル事業の利益は44%減、フォトブック事業の利益は約2割減。通期予想(営業利益4億60百万円、+17.4%)は据え置きで、第2四半期以降の3四半期で約5億25百万円の営業利益が必要となる。

売上高

1,726百万円

+4.8%

営業損益赤字

△65百万円

前年同期は18百万円の損失

経常損益赤字

△62百万円

前年同期は2百万円の損失

親会社株主に帰属する四半期純損益赤字

△46百万円

前年同期は7百万円の損失

売上総利益率

42.1%

△1.3pt(前年同期43.4%、当社試算)

フューネラル事業のセグメント利益

55百万円

△44.0%(前年同期比56.0%)

フォトブック事業のセグメント利益

111百万円

△20.3%(前年同期比79.7%)

空中ディスプレイ事業のセグメント損益赤字

△72百万円

前年同期は94百万円の損失(縮小)

ハイライト

  • 売上高は1,726百万円(前年同期比+4.8%)、売上総利益は727百万円(同+1.7%、売上総利益率42.1%、前年同期43.4%)。販管費は793百万円(同+8.1%)と売上の伸びを上回り、営業損失は65百万円(前年同期18百万円の損失)。営業外収益は3百万円(同16百万円で、前年は保険金収入11百万円)に減り、経常損失は62百万円(同2百万円の損失)。特別利益に固定資産売却益4百万円を計上。法人税等は△13百万円(税負担のマイナス、四半期特有の見積実効税率による計算)で、親会社株主に帰属する四半期純損失は46百万円(同7百万円の損失)、1株当たり四半期純損失は3.09円(同0.43円)
  • セグメント別(セグメント間取引を含む売上高/セグメント利益)は、フューネラルが764百万円(前年同期比100.5%)/55百万円(同56.0%)、フォトブックが863百万円(同107.5%)/111百万円(同79.7%)、空中ディスプレイが101百万円(同118.6%)/損失72百万円(前年同期は損失94百万円)。全社費用は△161百万円(同△164百万円)。当第1四半期から、連結子会社の所属セグメントをフォトブック事業から空中ディスプレイ事業に移しており、前年同期は変更後の区分に組み替えた数値と比較している
  • フューネラル事業は、自社営業による新規の葬儀社との契約獲得は堅調だったが、全国的な葬儀施行件数の減少傾向が続き、主力の遺影写真加工収入が前年同期を下回った。葬儀演出コンテンツや葬儀社向けDXサービス「tsunagoo」の売上は伸びたが、ハードウェア売上が厳しかった。利益面では、人件費とクラウドサービス利用料の増加、2026年6月に譲り受けたペット葬儀・霊園事業に伴う手数料(譲受価額は短信に記載なし)も重なった。6月の展示会で、生成AIコンテンツ「Dear Song」などの新商品をリリースし、葬儀社向けVR教育コンテンツを発表した
  • フォトブック事業は、プロフェッショナル写真家向けは競合先の撤退を契機とした新規契約の獲得やBPO型業務代行サービスの伸びで順調だった一方、一般消費者向け(「マイブック」、OEM)は売上が前年同期を下回った。利益面では、原材料価格の上昇、新型印刷機の稼働による減価償却費の増加、東京支社の移転準備に伴う二重家賃、広告宣伝費の増加が響いた。空中ディスプレイ事業は、ガラス製ASKA3Dプレートが「浮空ライブシリーズ」などの提案で前年同期を上回り、樹脂製はライセンス先の中国企業が生産体制を準備中。技術開発センターを5月末に閉鎖して固定費を削減し、展示会出展の抑制で広告宣伝費も減って、損失が縮小した。会社は、中東リスクに派生した想定外の原材料の値上げも利益を押し下げたと説明
  • 財政状態は、総資産5,966百万円(前期末比△257百万円)、純資産5,199百万円(同△139百万円)、自己資本比率87.1%(前期末85.8%)。現金及び預金が1,388百万円から1,117百万円へ271百万円減り、未払法人税等が74百万円、賞与引当金が90百万円減少した。純資産の減少は、剰余金の配当105百万円(期末7円)が主因。無形固定資産は408百万円から446百万円に増加(その他+35百万円、のれん+4百万円)し、負債は借入金なしで768百万円。減価償却費は84百万円(前年同期69百万円)、のれん償却額は10百万円。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成していない
  • 【要確認】通期予想(売上高7,860百万円+10.7%、営業利益460百万円+17.4%、経常利益475百万円+10.8%、純利益315百万円+7.6%、1株当たり21.13円)は2026年6月9日公表から修正なし。第1四半期は営業赤字のため、営業利益の進捗はマイナス。達成には第2〜第4四半期で営業利益約525百万円、売上高約6,134百万円が必要で、前期の同期間(通期予想の増減率からの当社逆算で営業利益約410百万円、売上高約5,453百万円)を、営業利益で約28%、売上高で約12%上回る計算(当社試算)。会社は、東京支社の移転や新商品などを挙げるが、通期予想の前提の説明は短信にない。配当は期末7円の年7円予想(前期も7円)。決算補足説明資料・決算説明会はいずれも「無」。四半期財務諸表は監査法人のレビュー対象外

財政状態

総資産

5,966百万円

純資産

5,199百万円

自己資本比率

87.1%

現金及び預金

1,117百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年4月期 通期予想(修正なし)7,860百万円(進捗22.0%)+10.7%460百万円(第1四半期は△65百万円)+17.4%475百万円+10.8%315百万円+7.6%

注目ポイント

売上は伸びたが、利益の柱の2事業がそろって減益となり、赤字が広がった第1四半期である。フューネラル事業は、葬儀施行件数の減少で主力の遺影写真加工収入が細り、フォトブック事業は原材料高、新型印刷機の減価償却費、東京支社移転の二重家賃といったコスト増が重なった。空中ディスプレイ事業の損失は約22百万円縮小したが、2事業の減益(合計で約72百万円)を補うほどではない。

財務は自己資本比率87%、借入金なしと厚く、赤字を当面吸収できる水準にある。ただし現金及び預金は、賞与や税金の支払と配当で約2.7億円減った。

通期予想は営業利益が前期比+17.4%と増益で据え置かれたが、第1四半期が赤字のため、残り3四半期で前期同期間を約28%上回る必要がある。二重家賃などの一時的なコストが落ち着くか、遺影写真加工収入の減少をDXサービスやOEMなどの新規領域が補えるかが、達成の鍵になる。

出典:株式会社アスカネット「2027年4月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年9月8日開示)

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