決算ノート
2590東証飲料(国内自販機・トルコなど海外)、医薬品受託製造、食品(ゼリー)、希少疾病用医薬品
黒字転換予想上方修正

2027年1月期 第2四半期(中間期) 決算サマリー

サマリー

自販機飲料を主力とするダイドーグループホールディングス(連結)の2027年1月期中間期(2026年1月21日〜7月20日)は、トルコ飲料事業が好調で売上高が前年同期比2.0%増の1,200億57百万円、営業利益は同4.9倍の67億44百万円となった。国内飲料事業は自販機台数の減少で減収ながら、前期の減損に伴う減価償却費の減少などで黒字に転換した。親会社株主に帰属する中間純利益は28億円(前年同期は13億61百万円の損失)。通期予想を上方修正し、営業利益を105億円から123億円、純利益を50億円から60億円に引き上げた。

売上高

120,057百万円

+2.0%

営業利益

6,744百万円

+388.2%

経常利益

4,331百万円

前年同期69百万円

親会社株主に帰属する中間純利益黒字転換

2,800百万円

前年同期は1,361百万円の損失

海外飲料事業 セグメント利益

5,228百万円

+68.1%

国内飲料事業 セグメント利益黒字転換

2,114百万円

前年同期は2,031百万円の損失

自己資本比率

41.5%

前期末39.5%

ハイライト

  • 売上高は120,057百万円(前年同期比+2.0%)、営業利益は6,744百万円(+388.2%)、営業利益率は5.6%(前年同期1.2%、当社試算)。営業外費用は、トルコ子会社への超インフレ会計適用に伴う正味貨幣持高に関する損失の増加などで3,520百万円(前年同期比+1,474百万円)となり、経常利益は4,331百万円(前年同期69百万円)。親会社株主に帰属する中間純利益は2,800百万円(前年同期は1,361百万円の損失)、1株当たり88.34円
  • 超インフレ会計(IAS第29号)による調整は、当中間期に売上高を833百万円増やす一方、営業利益を439百万円、経常利益を2,917百万円、純利益を2,829百万円押し下げた。調整前の営業利益は7,184百万円、経常利益は7,249百万円、純利益は5,629百万円
  • 国内飲料事業は、不採算先の自販機の引き上げで自販機1台当たりの売上高は改善したが、稼働台数の減少で売上高67,618百万円(△5.5%)。前期の減損損失計上に伴う減価償却費の減少や、スマート・オペレーションの改善、販売手数料の抑制で、セグメント利益は2,114百万円(前年同期は2,031百万円の損失)に転換。飲料市場は2025年10月の値上げや天候不順で数量が減り、他チャネルとの価格差が広がる自販機市場は特に苦戦した
  • 海外飲料事業は売上高36,029百万円(+25.3%)、セグメント利益5,228百万円(+68.1%)で、中間期として4年連続で過去最高。トルコでは高インフレ・リラ安が続くなか、炭酸飲料の拡販と戦略的な価格改定で販売数量・金額とも伸び、商品ミックス改善と生産効率向上で増益。ポーランドはデポジット制度導入に伴う買い控えがあったが、果汁飲料や受託製造の伸びと為替で増収増益
  • 医薬品関連事業は、パウチ容器入り指定医薬部外品の受注減で売上高6,540百万円(△6.4%)、利益267百万円(△42.2%)。食品事業(たらみ)は節約志向の中で販売数量が減り、売上高9,517百万円(△8.5%)、利益35百万円(△93.2%)。希少疾病用医薬品事業はファダプス®の販売が伸び、売上高473百万円(+79.8%)、損失80百万円(前年同期は184百万円の損失)
  • 財政状態は、総資産166,402百万円(前期末比+3,590百万円)、純資産69,769百万円、自己資本比率41.5%(前期末39.5%)
  • 【修正】2026年3月4日公表の通期予想を上方修正。営業利益10,500百万円→12,300百万円(+17.1%)、経常利益8,400百万円→9,400百万円(+11.9%)、純利益5,000百万円→6,000百万円(+20.0%)、1株当たり157.73円→189.25円。売上高は246,800百万円→246,300百万円(△0.2%)と小幅に引き下げ。前期実績は営業利益4,163百万円、純損失30,322百万円。トルコの年末インフレ率予測を28.6%(期初21%)に見直し、1トルコリラ=3.20円(同3.00円)などに為替前提を変更した。超インフレ会計の影響として、通期で営業利益11億円、純利益35億円の押し下げを織り込む
  • 修正後予想に対する中間期の進捗は、売上高48.7%、営業利益54.8%、経常利益46.1%、純利益46.7%(当社試算)。会社は、第3四半期以降は中東情勢を背景とした原材料価格などのコスト上昇が表れるほか、トルコでブランド強化のマーケティング投資を行う予定としている。配当は中間15円・期末15円の年30円(前期30円)で修正なし

財政状態

総資産

166,402百万円

純資産

69,769百万円

自己資本比率

41.5%

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年1月期 通期予想(8月27日上方修正)246,300百万円(進捗48.7%)+2.1%12,300百万円(進捗54.8%)+195.5%9,400百万円(進捗46.1%)+540.7%6,000百万円(進捗46.7%)黒字転換(前期は30,322百万円の損失)

注目ポイント

営業利益が約5倍に膨らんだ。牽引したのは2つで、ひとつはトルコを中心とする海外飲料事業で、炭酸飲料の拡販と価格改定で利益が7割近く増え、中間期として4年連続の過去最高となった。もうひとつは国内飲料事業の黒字転換で、前期に計上した減損で減価償却費が減ったことに加え、不採算の自販機を引き上げて効率化を進めた効果が出た。ただし国内は自販機台数の減少で5.5%の減収が続いており、売上の縮小を止められるかは課題として残る。

経常利益以下は、トルコへの超インフレ会計の適用で大きく押し下げられている。調整がなければ中間純利益は約56億円で、実際の28億円との差は約28億円にのぼる。トルコ事業は稼ぐ力を増している一方、インフレと通貨安の会計上の影響が最終利益を大きく左右する構造である。

会社は通期予想を上方修正し、営業利益を123億円とした。ただし下期は中東情勢によるコスト上昇やトルコでのマーケティング投資を見込んでおり、修正後予想に対する営業利益の進捗は55%と、上期の勢いに比べて下期は慎重な計画である。前期の300億円超の最終赤字からの回復が確かなものになるかは、国内飲料の収益改善の持続にかかっている。

出典:ダイドーグループホールディングス株式会社「2027年1月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月27日開示)

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