決算ノート
2751東証厨房機器の販売(テンポスバスターズ)、飲食店運営(あさくま等)、人材・情報サービス

2027年4月期 第1四半期 決算サマリー

サマリー

中古厨房機器販売の「テンポスバスターズ」や、「ステーキのあさくま」などの飲食事業を展開するテンポスホールディングスの2027年4月期第1四半期(2026年5〜7月)は、 子会社の加入(サンライズサービスなど)と飲食事業の拡大で売上高が前年同期比17.6%増の140億92百万円と2桁増収となったが、新規出店・採用・教育などの先行費用がかさみ、 営業利益は同40.2%減の4億27百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同30.5%減の3億45百万円と大幅な減益。通期予想(営業利益42億60百万円、前期比+47.4%)は据え置きで、 第2四半期以降に利益を大きく積み上げる計画となっている。

売上高

14,092百万円

+17.6%

営業利益

427百万円

△40.2%

経常利益

451百万円

△41.7%

親会社株主に帰属する四半期純利益

345百万円

△30.5%

売上高営業利益率

3.0%

△3.0pt(前年同期6.0%、当社試算)

ハイライト

  • 会社は、増収減益の理由を、新規出店とM&Aで事業を拡大できた一方、増えた経費を上回る収益を確保できず利益率が一時的に低下したためと説明。販管費は5,278百万円(前年同期3,931百万円、+34.3%)と売上の伸びを大きく上回って増え、売上総利益率は40.5%(同38.8%、当社試算)に上昇したものの、営業利益率は3.0%(同6.0%)に低下した。増収の主因は、2025年7月に連結子会社となったサンライズサービスの売上高1,174百万円が加わったことと、あさくまの好調(売上高2,866百万円、前年同期比+25.0%)
  • セグメント別(セグメント間取引を含む)は、外食関連物販が売上高7,328百万円(同+1.1%)・営業利益495百万円(同△19.7%)、情報・サービスが売上高1,130百万円(同+10.5%)・営業損失50百万円(前年同期22百万円の損失)、飲食が売上高6,037百万円(同+45.7%)・営業利益12百万円(同△92.2%)。営業利益の大半を外食関連物販が稼ぎ、飲食は増収でも利益がほぼ出ていない
  • 外食関連物販の中核、テンポスバスターズは売上高5,408百万円(同+3.7%)、営業利益381百万円(同△29.8%)。店舗増で地代家賃が306百万円(同+13.8%)、人件費が579百万円(同+3.7%)に増え、新規出店費用も重なった。既存店の累計客数は前年同期比99.5%で、会社は「集客力と利益率の改善が急務」とする。新規開業客の客単価を現在の平均約59万円から目標100万円へ引き上げ(3D図面・AIを使った提案の教育)、今期は過去最多の25店舗(従来の最多は9店舗)を出店して全国300店舗体制を目指す。テンポスドットコムは営業利益48百万円(同+229.5%)、キッチンテクノは大手スーパーの出店・改装時期の後ろ倒しと新卒10名・中途3名の採用で7百万円の営業損失
  • 情報・サービスは、人材サービスのディースパーク(売上高516百万円、+19.8%)が配送事業の新規出店・増員費用を吸収できず営業損失12百万円、POSレジ販売のテンポス情報館はIT導入補助金の採択率低下で35百万円の営業損失(7月の申請15件は全て採択・受注済み)。内装設計のスタジオテンポスは売上高230百万円(同+63.6%)で黒字転換。新たに連結に加わった美容室運営のサロングラフは売上高55百万円、営業損失11百万円
  • 飲食は、あさくまが営業利益97百万円(同△13.2%)、既存店売上高が前年同期比115.2%と好調だが新規出店・新業態の立ち上げ費用が先行。ヤマトサカナ(回転寿司等)は売上高2,087百万円(同+10.3%)、営業利益72百万円(同△30.0%)で仕入価格・光熱費が負担。宅配寿司のサンライズサービスは、第1四半期が閑散期にあたり営業損失70百万円で、祝い事が集中する第4四半期に最大の繁忙期を迎える季節性がある
  • 【M&A】2026年5月20日に圧力寸胴・製麺機などを製造販売する明和製作所を株式交換で完全子会社化(自己株式58,175株を交付、資本剰余金+184百万円)し、2026年6月には居酒屋265店舗を展開するマルシェ株式会社を連結子会社に加えた。財政状態ではのれんが1,980百万円から2,705百万円(+725百万円)、非支配株主持分が1,288百万円から1,790百万円(+501百万円)に増えたが、各社の損益への寄与額と取得条件は短信に記載がない(【要確認】)。特別利益に段階取得に係る差益44百万円を計上(対象会社の記載なし)。連結範囲は新規4社
  • 財政状態は、総資産32,389百万円(前期末比+3,043百万円)、純資産20,223百万円、自己資本比率56.4%(前期末60.4%)。現金及び預金は9,997百万円(同+1,156百万円)に増えたが、借入も増加し、短期借入金が1百万円から902百万円へ、長期借入金が1,356百万円から1,775百万円へ増加(借入金合計は約3,211百万円、前期末約1,728百万円、当社試算)。関係会社株式は2,382百万円から1,564百万円(△818百万円)に減り、有形固定資産(建物+596百万円、土地+267百万円)とのれんの増加とは別の動きで、減少の理由は短信に記載がない(【要確認】)。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成していない(減価償却費115百万円、のれん償却額59百万円)
  • 【要確認】通期予想(売上高65,090百万円+21.9%、営業利益4,260百万円+47.4%、経常利益4,410百万円+41.9%、純利益2,730百万円+44.1%、1株当たり226.28円)と第2四半期累計予想(売上高30,880百万円+20.8%、営業利益1,850百万円+23.2%、経常利益1,930百万円+21.5%、純利益1,190百万円+0.1%)は2026年7月1日発表から修正なし。第1四半期の営業利益は第2四半期累計予想の23.1%、通期予想の10.0%にとどまり、第2四半期3か月で営業利益約1,423百万円(第1四半期の約3.3倍、前年第2四半期の約1.8倍、当社試算)が必要。会社は「概ね計画通り」とし、先行費用を第2四半期以降に回収する方針だが、回収の根拠は短信に詳しくない。なお、表紙の売上高は14,097百万円と表示されているが、損益計算書・本文は14,092百万円で、本記事は後者に従った。配当は前期に続き期末9円の予想

財政状態

総資産

32,389百万円

純資産

20,223百万円

自己資本比率

56.4%

現金及び預金

9,997百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する四半期純利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年4月期 第2四半期累計予想(修正なし)30,880百万円(進捗45.6%)+20.8%1,850百万円(進捗23.1%)+23.2%1,930百万円+21.5%1,190百万円+0.1%—
2027年4月期 通期予想(修正なし)65,090百万円(進捗21.7%)+21.9%4,260百万円(進捗10.0%)+47.4%4,410百万円+41.9%—2,730百万円(進捗12.6%)+44.1%

注目ポイント

売上は2桁増だが利益は4割減という、拡大局面に特有の決算である。増収の中身は、子会社の加入と飲食事業の伸びが中心で、既存の厨房機器販売(テンポスバスターズ)は売上+3.7%、既存店客数は前年並み(99.5%)にとどまり、店舗増に伴う地代家賃と人件費の負担で営業利益が3割減った。飲食事業も、あさくまの既存店が115%と好調な一方、新規出店費用やヤマトサカナの仕入・光熱費、季節性のあるサンライズサービスの赤字が重なり、営業利益は12百万円に縮んだ。

会社は費用を「先行投資」と説明するが、通期予想(営業利益+47.4%)は据え置かれており、第2四半期3か月だけで第1四半期の約3.3倍の営業利益を積み上げる必要がある。新規出店25店舗(過去最多)、M&A(明和製作所、マルシェなど)の統合が計画通り進むか、第2四半期の実績が最初の確認点になる。

財務面では、のれんと有形固定資産の増加を借入(合計で約15億円増)と現金で賄い、自己資本比率は60%から56%へ低下した。M&Aによる新規子会社の損益貢献と、のれん・借入の負担のバランスは、今後の決算で確認したい。

出典:株式会社テンポスホールディングス「2027年4月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年9月9日開示)

この要約は運営者が原資料をもとに作成したものです。内容の正確性を保証するものではなく、投資判断は必ず原資料をご確認のうえご自身の責任で行ってください。本サイトの内容は投資勧誘を目的としたものではありません。