2027年4月期 第1四半期 決算サマリー
サマリー
「サトウのごはん」「サトウの切り餅」を手がけるサトウ食品の2027年4月期第1四半期(2026年5〜7月)は、精米市場価格の下落で包装米飯が割高に映り販売が下押しされ、 売上高が前年同期比10.6%減の79億96百万円となった。原材料費・物流費の高騰が続くなか、前年同期に計上した投資有価証券売却益(約5億円)の反動も重なり、 営業利益は同87.5%減の1億7百万円、経常利益は同84.5%減の1億50百万円、四半期純利益は同90.5%減の1億1百万円と大幅な減益。 米価の先行き不透明で「未定」としていた通期予想を今回初めて公表し、営業利益29億40百万円(前期比△11.9%)とした。
売上高
7,996百万円
△10.6%営業利益
107百万円
△87.5%経常利益
150百万円
△84.5%親会社株主に帰属する四半期純利益
101百万円
△90.5%ハイライト
- 製品別の売上高は、包装米飯が6,829百万円(前年同期比△11.6%)、包装餅(鏡餅を含む)が1,163百万円(同△4.1%)。包装米飯は根強い需要があるものの、精米市場価格の下落を受けて相対的な割高感が出て販売が下押しされた。包装餅は切り餅を日常食材として提案する施策などを進めたが、減収
- 売上総利益は2,213百万円(前年同期2,925百万円)で、売上総利益率は27.7%(同32.7%)と約5ポイント低下。会社は各種原材料費・物流費の価格高騰の影響が顕著と説明している。販管費は2,105百万円(同2,060百万円)と広告宣伝などを積極的に実施して微増し、営業利益は107百万円(同864百万円)に減少
- 前年同期は投資有価証券売却益546百万円などの特別利益547百万円を計上しており、その反動も減益幅を広げた(会社説明)。当期の特別利益は0.25百万円。営業外では支払利息が62百万円(同38百万円)に増加。法人税等は49百万円で、純利益は101百万円
- 【要確認】通期予想を初めて公表。米価の動向を合理的に算定できず未定としていたが、第1四半期の実績と現時点の情報で算定した。売上高56,000百万円(+8.2%)、営業利益2,940百万円(△11.9%)、経常利益3,050百万円(△15.0%)、純利益2,060百万円(△26.4%)、1株当たり純利益408.44円。詳細は同日公表の別紙のため、価格改定や米価の前提は未確認
- 季節性が大きい。主力の包装餅は年末に販売が集中するため、第3四半期(11〜1月)の売上・利益が他の四半期より著しく増える。第1四半期の通期予想に対する進捗は売上高14.3%、営業利益3.7%、純利益4.9%(当社試算)で、低いのは季節要因が大きい。鏡餅は原料米の高騰と資材費・人件費・物流費の上昇を受け、2026年8月3日出荷分から価格改定を実施
- 包装米飯の新商品「サトウのごはん 新定番」を2026年2月に発売し、テレビCMを展開。生産体制では、約80億円を投じて聖籠ファクトリー(新潟県)敷地内に建設中の第二工場の建屋が2026年4月に完成し、現在は製造設備の搬入・据付工事を進めている(建設仮勘定6,585百万円)。稼働で生産能力と効率の向上を図る
- 財政状態は、総資産55,888百万円(前期末比△2,063百万円)、自己資本比率44.3%(前期末42.9%)。年末の需要期に向けて商品及び製品が9,043百万円(同+4,311百万円)に積み上がり、売掛金は8,556百万円(同△3,018百万円)、現金及び預金は1,270百万円(同△2,588百万円)に減少。借入は、短期借入金が4,050百万円(前期末ゼロ)に増える一方、長期借入金が減り、借入金合計は約22,889百万円(前期末約20,440百万円、当社試算)
- 配当は期末75円(前期と同額)を予想し、中間配当は0円。短信では配当予想の「修正の有無」が「有」とされているが、内容は別紙のため未確認。四半期財務諸表は任意の期中レビューを受けている。決算補足説明資料と決算説明会はなし
財政状態
総資産
55,888百万円
純資産
24,777百万円
自己資本比率
44.3%
現金及び預金
1,270百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年4月期 通期予想(今回初公表) | 56,000百万円(進捗14.3%)+8.2% | 2,940百万円(進捗3.7%)△11.9% | 3,050百万円(進捗4.9%)△15.0% | 2,060百万円(進捗4.9%)△26.4% |
注目ポイント
大幅な減益だが、前年同期に特別利益(投資有価証券売却益)が約5億円あった反動と、この会社の季節性(利益の大半を第3四半期の年末商戦で稼ぐ)を割り引いて見る必要がある。とはいえ、本業の営業利益も107百万円と前年同期の約8分の1に落ち込んでおり、原材料・物流費の上昇に加え、包装米飯の売上が減って売上総利益率が5ポイント低下している点は、この決算の実質的な弱さである。
包装米飯は、精米(袋入りの米)の市場価格が下がったことで、価格の高いパックごはんが割高に見られるようになった、というのが会社の説明で、価格差が消費者の選択に影響する構造が表れている。通期の営業利益予想は前期比△11.9%と一定の減益を織り込んでおり、鏡餅の価格改定や新工場の稼働による効率化が、下期にどこまで利益を戻せるかが焦点になる。
在庫(商品及び製品)は年末商戦に向けて例年膨らむ時期だが、借入金は約229億円と自己資本を大きく上回り、支払利息も増えている。第二工場の稼働時期、鏡餅の受注状況、米価の動向を、第2四半期決算以降で確認したい。