決算ノート
3076東証セキュリティ機器、カード機器、情報機器、計測機器、情報通信、設計事業
増収増益

2026年6月期 決算サマリー

サマリー

セキュリティ機器や情報通信機器などを手がけるあいホールディングス(連結)の2026年6月期は、当期から連結したナカヨの通信機器事業が加わり、売上高が前期比28.4%増の850億24百万円、営業利益が同21.1%増の107億62百万円と増収増益だった。経常利益も持分法投資利益や為替差益で同39.2%増の125億35百万円。一方、前期に負ののれん発生益約179億円を計上した反動で、親会社株主に帰属する当期純利益は同43.7%減の119億37百万円。2027年6月期は純利益24.6%減を見込むが、年間配当は125円から140円に増やす予定。

売上高

85,024百万円

+28.4%

営業利益

10,762百万円

+21.1%

経常利益

12,535百万円

+39.2%

親会社株主に帰属する当期純利益

11,937百万円

△43.7%

売上高営業利益率

12.7%

前期13.4%

年間配当

125円

前期100円

自己資本比率

80.8%

前期末77.7%

ハイライト

  • 売上高は85,024百万円(前期比+28.4%)、売上総利益は33,565百万円で、売上総利益率は39.5%(前期45.8%、当社試算)に低下した。販管費は22,802百万円(+6.3%、当社試算)にとどまり、営業利益は10,762百万円(+21.1%)、営業利益率は12.7%(前期13.4%)。持分法による投資利益823百万円(前期415百万円)と為替差益574百万円(前期は為替差損482百万円)で、経常利益は12,535百万円(+39.2%)
  • 親会社株主に帰属する当期純利益は11,937百万円(△43.7%)。前期は、M&Aに伴う負ののれん発生益17,878百万円(段階取得に係る差損5,164百万円などを差し引いても特別損益は大幅な益)を計上していた。当期の特別利益は固定資産売却益3,836百万円など3,919百万円、特別損失は303百万円。法人税等は4,190百万円(負担率25.9%、当社試算。前期は法人税等調整額の益で△66百万円)。1株当たり当期純利益は224.08円(前期405.63円)。前期の数値は、企業結合の暫定的な会計処理の確定を反映している
  • 情報通信は、当期から連結子会社となったナカヨの通信機器事業が加わり、売上高27,102百万円(+129.2%)、セグメント利益1,249百万円(+84.3%)。売上高に占める比率は31.9%(当社試算)で最大のセグメントになった。設計事業は構造設計の安定受注と大口の耐震診断受注で、売上高7,436百万円(+33.6%)、利益1,482百万円(+213.5%)
  • 主力のセキュリティ機器は、マンション分譲向けの新規が好調で、官公庁向けにAI画像解析技術を使った次世代セキュリティシステム一式を受注し、売上高15,890百万円(+4.5%)、利益6,187百万円(+0.6%)。情報機器は個人向けカッティングマシンで低価格の新製品を投入し、売上高12,671百万円(△6.1%)、利益562百万円(+21.6%)。計測機器は売上高5,442百万円(+8.8%)、利益786百万円(△4.8%)
  • カード機器及びその他事務用機器は、鉄骨CADが主力製品の切り替え期にあたり、売上高2,454百万円(△21.0%)、利益310百万円(△62.7%)と大きく減益。その他は売上高14,026百万円(+16.9%)、利益393百万円(+141.1%)
  • 財政状態は、総資産145,674百万円(前期末比+4,846百万円)、純資産117,904百万円、自己資本比率80.8%(前期末77.7%)。現金及び預金が9,770百万円増え、土地が2,221百万円減った。キャッシュ・フローは、営業CFが10,807百万円、投資CFが5,915百万円の収入(有形固定資産の売却収入6,348百万円など)、財務CFが△7,976百万円(配当金の支払い5,831百万円など)で、現金及び現金同等物は54,577百万円
  • 2027年6月期の予想は、売上高86,000百万円(+1.1%)、営業利益11,000百万円(+2.2%)、経常利益11,700百万円(△6.7%)、純利益9,000百万円(△24.6%)、1株当たり168.94円。会社は、脱炭素事業のアイグリーズの成長加速と、M&Aで加わった岩崎通信機とナカヨの融合によるグループシナジーの早期実現に注力するとしている。純利益の減益は、当期の固定資産売却益のような特別利益を見込まないためとみられる(当社試算による推定。短信に説明なし)
  • 配当方針は「DOE6%と配当性向50%のいずれか大きい金額」を基準とする。当期の年間配当は125円(中間55円・期末70円、前期100円)で配当性向55.8%。2027年6月期は中間70円・期末70円の年140円を予定し、予想配当性向は82.9%。決算補足説明資料・決算説明会(機関投資家・アナリスト向け)はいずれも「有」

財政状態

総資産

145,674百万円

純資産

117,904百万円

自己資本比率

80.8%

現金及び現金同等物

54,577百万円

ROE

10.5%

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年6月期 通期予想86,000百万円+1.1%11,000百万円+2.2%11,700百万円△6.7%9,000百万円△24.6%

注目ポイント

売上が3割近く伸びたのは、当期から連結したナカヨの通信機器事業が加わったためで、情報通信セグメントは売上が2倍超になり、全体の3割を占める最大の事業になった。売上総利益率が45.8%から39.5%に下がったのは、比較的利益率の低い事業の比重が高まったためとみられるが、短信に説明はない。それでも販管費の伸びを6%に抑え、営業利益は2割増えた。

純利益が4割強減ったのは、前期にM&Aに伴う負ののれん発生益約179億円を計上した反動で、本業の悪化ではない。当期も有形固定資産の売却で固定資産売却益が約38億円出ている。経常利益は持分法投資利益と為替差益で4割近く増えた。

2027年6月期は営業利益がほぼ横ばい、純利益が約25%減の予想だが、年間配当は125円から140円に増やし、予想配当性向は8割を超える。DOE6%を下限とする配当方針が、利益の変動に左右されにくい安定配当を支えている。自己資本比率80%超、現金約546億円と財務の余力も大きい。

出典:あいホールディングス株式会社「2026年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月19日開示)

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