決算ノート
3538東証スタンダード輸入車ディーラー、中古車輸出関連(海外輸出・国内業販)

2026年6月期 決算サマリー

サマリー

輸入車ディーラーを展開するウイルプラスホールディングス(連結)の2026年6月期は、M&Aによる店舗拡大と中古車の国内業販の伸びで、売上高が前期比9.3%増の968億39百万円となった。一方、M&Aに伴う人件費・店舗費用などで販管費が10.6%増え、営業利益は同22.9%減の14億26百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同23.2%減の11億08百万円。8月27日に経常利益などを訂正(純利益は不変)し、9月28日にはセグメント情報の設備投資額を再訂正した。2027年6月期はM&A後の統合効果で営業利益58.1%増を見込む。

売上高

96,839百万円

+9.3%

営業利益

1,426百万円

△22.9%

経常利益

1,427百万円

△24.8%(訂正後)

親会社株主に帰属する当期純利益

1,108百万円

△23.2%

売上総利益率

13.6%

前期14.0%

売上高営業利益率

1.5%

前期2.1%

自己資本比率

26.6%

前期末29.0%

ハイライト

  • 売上高は96,839百万円(前期比+9.3%)、売上総利益は13,135百万円(+5.7%)で、売上総利益率は13.6%(前期14.0%)。販管費は11,708百万円(+10.6%)で、M&Aで加わった子会社の人員増や、マネジメント層の先行採用、当期6件のM&Aに係るデューデリジェンス費用、店舗増による地代家賃・減価償却費、販売促進費が増えた。営業利益は1,426百万円(△22.9%)、営業利益率は1.5%(前期2.1%)
  • 営業外収益は充電設備導入促進補助金などで198百万円(+13.6%)、営業外費用はM&A資金の借入増と金利上昇で支払利息が173百万円(前期111百万円)に増え197百万円。経常利益は1,427百万円(△24.8%)。特別利益はセール・アンド・リースバックに伴う固定資産売却益382百万円など385百万円、特別損失は一部店舗の減損損失69百万円、業績連動型株式報酬制度の終了損60百万円など167百万円。法人税等は458百万円(負担率27.8%、前期19.9%=当社試算)で、当期純利益は1,108百万円(△23.2%)
  • 【訂正反映】8月27日に短信が訂正された。営業外収益に計上していた法人事業税の還付金18百万円を「法人税、住民税及び事業税」からの控除に変更し、営業外収益は216百万円→198百万円、経常利益は1,445百万円(△23.8%)→1,427百万円(△24.8%)、法人税等は476百万円→458百万円となった。あわせて繰延税金資産・負債を相殺表示に改め、総資産は43,938百万円→43,917百万円。キャッシュ・フロー計算書の集計誤りも直され、営業CFは773百万円→764百万円、投資CFは△3,017百万円→△3,007百万円(有形固定資産の売却収入1,029百万円→1,038百万円)。特別損失の説明も「固定資産除却損」から「減損損失」に訂正。売上高・営業利益・純利益・純資産・期末の現金残高は変更なし。この記事は訂正後の数値で記載している。さらに9月28日、有価証券報告書の作成過程で、セグメント情報の「有形固定資産及び無形固定資産の増加額」の集計誤りが見つかったとして再訂正した。連結合計は7,275百万円→8,706百万円(輸入車ディーラー事業7,226百万円→8,657百万円)。会社は連結貸借対照表・連結損益計算書への影響はないとしている
  • 輸入車ディーラー事業は売上高58,110百万円(+7.2%)、セグメント利益2,243百万円(△10.8%)。新車売上高は24,760百万円(△1.7%)で、M&Aで店舗が増えても販売台数は微増にとどまり、決算説明資料によると既存店の新車販売台数は8.4%減。中古車(国内)は16,872百万円(+13.6%)と伸びたが粗利率が低下した。車輌整備は9,821百万円(+19.8%)と伸長。当期はボルボ5店舗、BMW4店舗などの事業譲受と、Hyundai・BYDの福岡店の新規出店を行った
  • 中古車輸出関連事業は売上高38,728百万円(+12.6%)、セグメント利益376百万円(△13.3%)。主な輸出先マレーシアで輸入車台数が2025年8月早々に規制枠に達し、上半期の海外売上高が大きく落ち込んだ。通期の海外売上高は10,208百万円(△21.9%)、国内業販は28,501百万円(+35.3%)。利益率の高い海外売上の減少と仕入価格・運送費の上昇で、事業全体の売上総利益率は低下した
  • 決算説明資料によると、2026年5月に通期予想を下方修正しており(売上高92,160百万円、営業利益1,400百万円、経常利益1,427百万円、純利益1,123百万円)、実績は売上高・営業利益で修正予想を上回り、経常利益は同額、純利益は修正予想の98.6%だった
  • 財政状態は、総資産43,917百万円(前期末比+6,686百万円、当社試算)、純資産12,893百万円、自己資本比率26.6%(前期末29.0%)。商品が14,604百万円(前期末12,482百万円)、のれんが145百万円(同7百万円)に増えた。短期借入金は5,100百万円増加し、決算説明資料ではM&Aによる事業拡大に伴う増加としている。現金及び預金は10,475百万円。営業CFは764百万円(前期は△1,303百万円)、投資CFは△3,007百万円(事業譲受2,261百万円など)、財務CFは4,454百万円
  • 2027年6月期の予想は、売上高116,416百万円(+20.2%)、営業利益2,255百万円(+58.1%)、経常利益2,075百万円(+45.4%、訂正後の実績比)、純利益1,256百万円(+13.3%)、1株当たり138.13円。決算説明資料では、発表済みのM&Aのみを織り込み、新規M&Aのコスト増をPMI(統合後の改善)効果が上回るとしている。配当は年46円(前期45.06円)、2027年6月期は年53.67円を予想

財政状態

総資産

43,917百万円

純資産

12,893百万円

自己資本比率

26.6%

現金及び預金

10,475百万円

ROE

9.9%

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年6月期 通期予想116,416百万円+20.2%2,255百万円+58.1%2,075百万円+45.4%1,256百万円+13.3%

注目ポイント

M&Aで売上は9%伸びたが、利益はその費用に押されて2割強減った。新車販売は、M&Aで店舗が増えても台数が微増にとどまり、既存店では8%減と弱かった。代わりに中古車の国内販売や業販、車輌整備が売上を支えたが、中古車の粗利率は下がった。M&Aに伴う人件費や店舗費用、デューデリジェンス費用が先行し、販管費の伸びが粗利の伸びを上回った。5月に下方修正した予想はほぼ達成している。

中古車輸出関連事業では、主な輸出先マレーシアの輸入規制枠が早々に埋まり、利益率の高い海外売上が2割強減った。国内業販で売上は補ったものの、利益率の低下は避けられなかった。財務面では、M&Aによる事業拡大に伴い短期借入金が51億円増え(決算説明資料)、自己資本比率は29.0%から26.6%に下がった。

2027年6月期は営業利益58%増と大幅な回復を見込む。会社は、M&A直後の赤字店舗がPMIで改善する効果が、新たなM&Aのコスト増を上回るとしている。なお8月27日に短信が訂正され、経常利益は18百万円少ない1,427百万円となったが、税金の処理の付け替えであり、純利益や営業利益は変わらない。

出典:株式会社ウイルプラスホールディングス「2026年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年8月27日付で一部訂正、9月28日付で一部再訂正)/同 決算説明会資料(同8月27日)」(2026年8月13日開示)

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