2026年7月期 決算サマリー
サマリー
受託ソフトウェア開発やSaaSを手がける大和コンピューター(連結)の2026年7月期は、売上高が前期比1.1%増の32億39百万円と横ばいだったが、中期経営計画「DCX2030」に基づく戦略的投資の先行費用で売上原価が13.0%増え、営業利益は54.9%減の2億57百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は47.9%減の2億17百万円となった。 会社は利益も「当初想定した水準」と説明している。年間配当は前期と同じ19円で、2027年7月期の営業利益は2億68百万円(+4.0%)と、低い水準での横ばいを予想する。
売上高
3,239百万円
+1.1%営業利益
257百万円
△54.9%経常利益
309百万円
△50.1%親会社株主に帰属する当期純利益
217百万円
△47.9%売上総利益率
24.9%
前期32.8%ソフトウェア開発関連事業の営業利益
277百万円
△39.4%自己資本比率
86.7%
前期86.0%年間配当
19円
前期と同額ハイライト
- 売上高は32億39百万円(+1.1%)だが、売上原価が24億32百万円(+13.0%)に増え、売上総利益は8億06百万円(△23.3%)、売上総利益率は24.9%(前期32.8%)に低下した。販管費は5億49百万円(+14.2%)で、営業利益は2億57百万円(△54.9%)、売上高営業利益率は8.0%(前期17.8%)。会社は、中期経営計画「DCX2030」(2026年7月期〜2030年7月期)に基づく戦略的投資の先行費用の発生が要因とし、売上高は概ね計画どおり、利益面も当初想定した水準で推移したと説明する
- ソフトウェア開発関連事業は、受注が堅調で売上高24億67百万円(+2.9%)だったが、営業利益は2億77百万円(△39.4%)で、営業利益率は11.2%(前期19.1%、当社試算)。会社は、前期に引き続き、今後の受託開発案件の獲得を見据えた支援型の案件の比率が高かったことを挙げる。主力のこの事業で利益率が下がったことが、全社の営業減益の中心(営業利益の減少額約1億80百万円)
- サービスインテグレーション事業(SaaS型サービス等)は売上高5億94百万円(+2.4%)、営業利益29百万円(△77.5%、前期1億30百万円)で、会社は人員の増強による人件費の増加と、体制強化による外注費の増加を挙げる。「その他」(システム販売、農作物の販売等)は売上高1億77百万円(△21.6%)、営業損失47百万円(前期16百万円の損失)。会社はクラウドサービスとスマート農業分野のサービス強化で事業成長の加速を図る方針
- 営業外収益は58百万円(前期53百万円)で、受取配当金21百万円(前期14百万円)、受取利息8百万円(同2百万円)、為替差益16百万円(前期は4百万円の為替差損)。前期にあった投資有価証券売却益27百万円は今期なし。営業外費用は7百万円(前期6百万円)。経常利益は3億09百万円(△50.1%)、法人税等は92百万円(負担率29.6%、前期32.6%、当社試算)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億17百万円(△47.9%)、1株当たり56.17円(前期107.73円)、ROE4.0%(同8.0%)。包括利益は2億72百万円(+19.3%)
- 財政状態は、総資産64億21百万円(前期末比+1億79百万円)、純資産55億64百万円(同+1億98百万円)、自己資本比率86.7%(前期末86.0%)。現金及び預金は38億51百万円(同△1億円)で総資産の約60%を占め、投資有価証券が+1億65百万円(7億34百万円)、受取手形・売掛金及び契約資産が+57百万円(4億96百万円)。負債は8億57百万円(同△19百万円)で、未払法人税等が△78百万円、賞与引当金が+38百万円、退職給付に係る負債が+16百万円。借入金は約38百万円(1年内6百万円、長期31百万円)。純資産は、純利益+217百万円、配当△73百万円、その他有価証券評価差額金+55百万円
- キャッシュ・フローは、営業活動が1億41百万円の収入(前期2億77百万円)で、税引前利益309百万円、減価償却費41百万円に対し、売上債権の増加△66百万円、法人税等の支払い△187百万円(前期△231百万円)。投資活動は1億27百万円の支出(前期87百万円)で、投資有価証券の取得△151百万円(償還+64百万円)、長期前払費用の取得△49百万円(前期△182千円)。財務活動は80百万円の支出(配当△73百万円)。現金及び現金同等物は37億00百万円(前期37億50百万円)。長期前払費用の取得の内容は短信に記載がない(【要確認】)
- 配当は、2026年7月期が期末19円の年19円(前期と同額)で、配当総額73百万円、配当性向33.8%(前期17.6%)、純資産配当率1.3%。純利益が約半減したため、同額の配当でも配当性向が上がった。2027年7月期も19円を予想し、配当性向は36.5%。会社は、短期的な業績変動に左右されず継続的な株主還元の充実に努める方針
- 【要確認】2027年7月期予想は、売上高3,358百万円(+3.7%)、営業利益268百万円(+4.0%)、経常利益308百万円(△0.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益201百万円(△7.3%)、1株当たり52.10円。第2四半期(累計)は売上高1,593百万円(+2.7%)、営業利益74百万円(+11.2%)、経常利益92百万円(+2.5%)、純利益60百万円(+8.1%)、1株当たり15.72円。会社は、売上高は計画水準に沿って推移する見通しだが、利益面は中長期的な企業価値向上に向けた体制の充実のための戦略的投資を織り込むとする。投資の金額、期間、成果の目安は短信に記載がなく、2027年7月期の営業利益は前期の低い水準からの回復とはならない見通し。決算説明会は2026年9月15日に機関投資家・アナリスト向けに開催予定
財政状態
総資産
6,421百万円
純資産
5,564百万円
自己資本比率
86.7%
現金及び現金同等物
3,700百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する中間純利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2027年7月期 第2四半期(累計)予想 | 1,593百万円+2.7% | 74百万円+11.2% | 92百万円+2.5% | 60百万円+8.1% | — |
| 2027年7月期 通期予想 | 3,358百万円+3.7% | 268百万円+4.0% | 308百万円△0.3% | — | 201百万円△7.3% |
注目ポイント
売上がほぼ横ばい(+1.1%)のまま、営業利益が半分以下になった決算である。会社は中期経営計画「DCX2030」に基づく戦略的投資の先行費用と説明し、計画どおりとするが、原価が+13.0%、販管費が+14.2%と、売上の伸びに対してコストが大きく増えている。売上総利益率は32.8%から24.9%へ約8ptの低下で、売上高営業利益率も17.8%から8.0%に下がった。
主力のソフトウェア開発関連事業では、今後の受託開発案件の獲得を見据えた「支援型」案件の比率が高く、営業利益率が19.1%から11.2%に落ちた。サービスインテグレーション事業も人員増強と外注費で営業利益が77.5%減っており、投資の成果は2027年7月期以降に問われる。
2027年7月期の営業利益予想は268百万円(+4.0%)と、前期の低い水準にとどまる。投資の内容や回収の見通しは短信に書かれていない。財務面では、現金及び預金が総資産の約60%、借入金はほぼなく自己資本比率は86.7%と厚く、配当は年19円を維持する方針で、投資と還元の両立が続くかを、次の四半期の原価・販管費の推移とあわせて確認したい。