決算ノート
3854東証プライム中堅・中小企業向け基幹業務パッケージ「アラジンオフィス」、複数ネットショップ一元管理「CROSS MALL」などのシステム・Webソリューション
増収増益

2026年7月期 決算サマリー

サマリー

基幹業務パッケージ「アラジンオフィス」や複数ネットショップ一元管理「CROSS MALL」を手がけるアイル(連結)の2026年7月期は、売上高が前期比8.3%増の208億89百万円、営業利益が15.5%増の55億65百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が19.7%増の41億75百万円と、増収増益で営業利益率は26.6%に上昇した。 年間配当は67円(前期50円)に増え、配当性向は40.1%。2027年7月期は、会社が中期経営計画に基づく投資費用の先行を理由に、営業利益5,000百万円(△10.2%)の減益を予想している。

売上高

20,889百万円

+8.3%

営業利益

5,565百万円

+15.5%

経常利益

5,607百万円

+17.6%

親会社株主に帰属する当期純利益

4,175百万円

+19.7%

売上高営業利益率

26.6%

前期25.0%

1株当たり当期純利益

167.01円

+18.2%

年間配当

67円

前期50円

自己資本比率

77.2%

前期71.6%

ハイライト

  • 売上高は208億89百万円(+8.3%)。会社は、半導体不足によるハードウェア納品遅延があったものの、大型案件の受注と開発工程の安定進捗、仕入品値上げに伴う顧客提供価格の改定、ストック売上の積み上げ、「アラジンオフィス」の機能強化と受注の堅調を挙げる。「CROSS MALL」は月額利用料の値上げと新規顧客の獲得で契約単価が上がり、「CROSS POINT」は対象業種の拡大で新規顧客が伸びた
  • 売上の内訳(財・サービス別)は、ライセンス・カスタマイズ・導入支援等が9,155百万円(前期7,825百万円、+17.0%)、ハード機器等が2,324百万円(同3,014百万円、△22.9%)、サービス利用・システム保守(ストック型)が9,287百万円(同8,319百万円、+11.6%)。ストック型の売上比率は44.5%(前期43.1%、当社試算)。事業別は、システムソリューションが18,410百万円(+8.4%)、Webソリューションが2,480百万円(+7.6%)で、単一セグメント
  • 売上原価は8,898百万円(+3.0%)と売上高の伸びを下回り、売上総利益は11,991百万円(+12.5%)、売上総利益率は57.4%(前期55.2%、当社試算)に上昇。会社は、パッケージ機能の拡充と製販一体による見積精度の向上を挙げ、人件費の上昇や一部仕入品の値上げが影響したと説明する。販管費は6,426百万円(+10.0%)で、営業利益は5,565百万円(+15.5%)、営業利益率は26.6%(前期25.0%)。研究開発費は178百万円(前期93百万円)
  • 営業外収益は43百万円(+44.9%)で、受取利息が21百万円(前期4百万円)。営業外費用は1百万円未満(前期81百万円)に減り、前期は株式需給緩衝信託の支払手数料73百万円が大半を占めていた。経常利益は5,607百万円(+17.6%)。法人税等は1,432百万円(負担率25.5%、前期26.8%、当社試算)で、法人税等調整額は△288百万円。親会社株主に帰属する当期純利益は4,175百万円(+19.7%)、ROEは33.2%(前期33.3%)
  • 財政状態は、総資産17,961百万円(前期末比+2,193百万円)、純資産13,863百万円(同+2,577百万円)、自己資本比率77.2%(前期末71.6%)。流動資産は契約資産+689百万円、現金及び預金+508百万円などで+1,076百万円、固定資産は差入保証金+728百万円、繰延税金資産+270百万円などで+1,116百万円。固定負債は、2026年7月に現金及び預金1,000百万円を拠出して設定した退職給付信託により、退職給付に係る負債が△1,071百万円(1,124百万円→53百万円)となった。純資産は、純利益+4,175百万円、配当△1,550百万円、株式付与ESOP信託口による自己株式の取得△87百万円(29,700株)
  • キャッシュ・フローは、営業活動が3,455百万円の収入(前期3,366百万円)で、退職給付信託の設定額1,000百万円の支出を含む(除くと約4,455百万円、当社試算)。投資活動は△3,509百万円で、定期預金の預入△2,200百万円、差入保証金の差入△743百万円、有形固定資産の取得△396百万円、無形固定資産の取得△271百万円。財務活動は△1,638百万円(配当△1,550百万円、自己株式の取得△87百万円)。現金及び現金同等物は5,710百万円(前期末7,402百万円)に減ったが、預入した定期預金は含まれず、貸借対照表の現金及び預金は7,910百万円(前期末7,402百万円)と増えている。差入保証金の差入の目的は短信に記載がない(【要確認】)
  • 配当は、中間32円+期末35円の年67円(前期は20円+30円の年50円)、配当性向40.1%(前期35.4%)、配当総額1,676百万円。期末配当は前回予想の34円から1円増配した。2027年7月期は中間35円・期末35円の年70円を予想し、配当性向は49.4%(予想)。会社は配当性向を40%目安・50%目標とする方針を掲げる
  • 【要確認】2027年7月期予想は、売上高22,800百万円(+9.1%)に対し、営業利益5,000百万円(△10.2%)、経常利益5,040百万円(△10.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益3,546百万円(△15.1%)と減益で、営業利益率は21.9%(当社試算)に下がる。会社は、同日開示の「中期経営計画(2027年7月期~2029年7月期)策定に関するお知らせ」に記載のとおり、一時的に投資費用が先行するため営業利益目標を下方に修正したと説明する。投資の具体的な内容と金額は短信に記載がない。第2四半期累計は売上高10,923百万円(+5.4%)、営業利益2,406百万円(△15.0%)

財政状態

総資産

17,961百万円

純資産

13,863百万円

自己資本比率

77.2%

現金及び現金同等物

5,710百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する中間純利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年7月期 第2四半期(累計)予想10,923百万円+5.4%2,406百万円△15.0%2,425百万円△14.9%1,719百万円△12.1%—
2027年7月期 通期予想22,800百万円+9.1%5,000百万円△10.2%5,040百万円△10.1%—3,546百万円△15.1%

注目ポイント

好決算だが、市場の関心は来期の減益予想に移りやすい。2026年7月期は営業利益率が26.6%まで上がり、売上総利益率の改善(55.2%→57.4%、当社試算)が利益を押し上げた。売上の増え方を見ると、利益率の低いハード機器等が22.9%減る一方、ライセンス・カスタマイズ・導入支援等が17.0%、ストック型が11.6%伸びており、構成の変化が効いている。

一方、2027年7月期は売上+9.1%でも営業利益△10.2%を見込む。会社は中期経営計画に基づく投資費用の先行を理由とするが、金額や内容は短信にない。第2四半期累計の営業利益は△15.0%と、上期に費用が偏る計画になっている。配当は年70円(前期67円)を予定し、配当性向は49.4%に上がる。

キャッシュ・フローの数字は読み方に注意したい。営業CF(3,455百万円)は退職給付信託への拠出1,000百万円を含み、投資CFの大半(△2,200百万円)は現金同等物に含まれない定期預金の預入である。貸借対照表の現金及び預金はむしろ増えている。差入保証金の増加(+728百万円)の目的は、中期経営計画の資料などで確認したい。

出典:株式会社アイル「2026年7月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年9月7日開示)

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