決算ノート
387A東証グロースアプリ・デジタルサービスの企画・開発・運用支援(クライアントワーク)、アプリ分析サービス「App Ape」

2026年6月期 決算サマリー

サマリー

アプリやデジタルサービスの開発を支援するフラー(非連結)の2026年6月期は、上期に大型の開発案件が一段落して稼働率が下がり、売上高は20億9百万円と前期並みにとどまった。クリエイティブ人材の人件費や外注費が増え、営業利益は前期比69.9%減の57百万円、当期純利益は同32.6%減の1億32百万円と減益だった。下期は新規案件で稼働が持ち直したという。2027年6月期は大型案件の受注や、ヤプリ・電通グループとの資本業務提携の本格化を見込み、売上高26億〜27億20百万円(29.4〜35.4%増)、営業利益1億80百万〜2億60百万円と幅を持たせた予想を示した。

売上高

2,009百万円

+0.0%

営業利益

57百万円

-69.9%

経常利益

102百万円

-44.6%

当期純利益

132百万円

-32.6%

営業利益率

2.8%

前期9.4%

自己資本比率

66.9%

前期末53.9%

ハイライト

  • 売上高は2,009百万円(前期比+0.0%)、営業利益は57百万円(-69.9%)、経常利益は102百万円(-44.6%)、当期純利益は132百万円(-32.6%)。営業利益率は2.8%(前期9.4%)
  • クライアントワークの売上高は1,907百万円。上期に大型開発案件が一段落して稼働率が一時的に下がったが、下期は複数の新規開発案件に着手し稼働が持ち直した。アプリ分析サービス「App Ape」は利用者がほぼ横ばいで、売上高101百万円
  • 売上原価は1,283百万円(+11.1%)で、クリエイティブ人材の人件費と外注費が増えた。販管費は669百万円(+0.8%)で、上場に伴う諸経費や営業部門の増員があったが、前期の上場記念賞与がなくなり前期並みにとどまった
  • 経常利益には新潟県からの補助金収入57百万円が含まれる。繰延税金資産の積み増し(法人税等調整額△31百万円)で、当期純利益は経常利益を上回った
  • 財政状態は、総資産1,825百万円、純資産1,220百万円、自己資本比率66.9%(前期末53.9%)。長期借入金を100百万円返済した。営業キャッシュ・フローは25百万円の支出、投資キャッシュ・フローは定期預金への預け入れ500百万円などで527百万円の支出となり、現金及び現金同等物は789百万円(前期末1,355百万円)
  • 配当は無配で、2027年6月期も無配を予定する。2025年7月24日に東証グロース市場に上場した
  • 2027年6月期は、7月31日公表の大型案件の受注や、資本業務提携先のヤプリ、電通グループとの取引拡大を見込み、売上高2,600〜2,720百万円(+29.4〜+35.4%)、営業利益180〜260百万円(+215.1〜+355.2%)、当期純利益130〜190百万円(-2.2〜+43.0%)を予想する。AIサービスの利用料として40百万円程度を見込む
  • 9月29日公表の「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」によると、従業員に占めるクリエイティブ人材の割合は81.6%、売上高に占める大手企業との取引は89.6%、直接取引は81.9%。クリエイティブ人材1人当たりの月間売上高は、2027年6月期に1,240千円(+15.4%)に改善する見通し

財政状態

総資産

1,825百万円

純資産

1,220百万円

自己資本比率

66.9%

現金及び現金同等物

789百万円

1株当たり当期純利益

77.93円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益当期純利益
2027年6月期 通期予想(レンジ)2,600〜2,720百万円+29.4〜+35.4%180〜260百万円+215.1〜+355.2%180〜260百万円+74.9〜+152.6%130〜190百万円-2.2〜+43.0%

注目ポイント

受託開発の「端境期」が業績を直撃した。大型案件が一段落した上期に稼働率が落ち、人を増やした分の費用が重くのしかかって、営業利益は前期の3分の1以下になった。人材への先行投資を重視する同社の戦略は、案件が途切れたときに利益が振れやすい面を持っている。

一方、2027年6月期は売上高3割増と強気の計画だ。7月に公表した大型案件の受注に加え、ヤプリや電通グループとの資本業務提携を通じた案件の広がりを見込み、営業利益は3〜4倍への回復を見込む。予想に幅を持たせているのは、提携案件の立ち上がりの時期が読みにくいためとみられる。

財務は自己資本比率66.9%と健全で、借入金の返済も進めている。下期に稼働が持ち直したという足元の動きが続くかと、提携先からの受注がどこまで売上につながるかが焦点になる。

出典:フラー株式会社「2026年6月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)/2026年6月期 通期決算説明資料(2026年8月12日)、事業計画及び成長可能性に関する説明資料(2026年9月29日)」(2026年8月12日開示)

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