2026年6月期 決算サマリー
サマリー
不動産会社向けのSaaS(賃貸管理システム「賃貸革命」など)を提供する日本情報クリエイト(非連結)の2026年6月期は、売上高が前期比11.9%増の54億72百万円だったが、売上原価と販管費の増加で営業利益は7.6%減の8億67百万円、当期純利益は10.9%減の5億83百万円となった。 経常利益は保険返戻金などの営業外収益で2.1%増の9億57百万円。2026年8月31日に、繰延税金資産・繰延税金負債等の誤りを理由に決算短信の数値が訂正されており、この記事は訂正後の数値。2027年6月期は「リアプロBB+」への開発投資で営業利益6億円(△30.8%)と減益を予想する。
売上高
5,472百万円
+11.9%営業利益
867百万円
△7.6%経常利益
957百万円
+2.1%当期純利益
583百万円
△10.9%売上総利益率
65.4%
前期68.8%年間配当
12円
前期5円(上場5周年記念配当3円を含む)営業活動によるキャッシュ・フロー
779百万円
自己資本比率
68.0%
前期68.2%ハイライト
- 【訂正反映】2026年8月13日の決算短信は、8月31日に「繰延税金資産および繰延税金負債等に一部誤りがあることが判明した」として訂正され、数値データも訂正された。訂正後の全文が開示されており、この記事は訂正後の数値で記載している。訂正後の主な数値は、営業利益8億67百万円(△7.6%)、経常利益9億57百万円(+2.1%)、当期純利益5億83百万円(△10.9%)、1株当たり当期純利益42.31円、総資産62億29百万円、純資産42億35百万円、自己資本比率68.0%、配当性向28.4%など。訂正前の数値は今回の資料に記載がなく、何がどれだけ変わったかは分からない(【要確認】)
- 売上高は54億72百万円(+11.9%)。売上原価が18億93百万円(+24.1%)、販管費が27億11百万円(+11.7%)と、売上の伸びを上回って増え、売上総利益は35億78百万円(+6.3%)、売上総利益率は65.4%(前期68.8%)、営業利益は8億67百万円(△7.6%)、営業利益率は15.8%(同19.2%)に下がった。売上の内訳は、仲介ソリューション19億99百万円(36.5%)、管理ソリューション33億56百万円(61.3%)、その他1億15百万円(2.1%)(当社試算)。会社は当事業年度の説明で前期との比較分析を行っておらず、増減の要因は短信に記載がない
- 会社は、管理ソリューションと仲介ソリューションのMRR(月次経常収益)の拡大を成長戦略の中核とする。管理ソリューションは「賃貸革命11」へのバージョンアップとオプション提案を進め、解約率は低位で安定し、月額利用料中心のストック売上が堅調に推移した。新たにAIを活用した文書管理サービス「AI Kamigakari」の提供を開始した。仲介ソリューションは、業者間物件流通サービス「リアプロ」「リアプロBB」を基盤に、ホームページ制作ツール、物件データ連動、電子契約のクロスセルと、無償サービスを起点とした顧客基盤の拡大に取り組んだ。2026年9月には「リアプロ」の後継サービス「リアプロBB+」のリリースを予定している
- 営業外収益は1億02百万円(前期23百万円)で、保険返戻金49百万円、為替差益28百万円(前期は18百万円の為替差損)、不動産賃貸料11百万円、助成金収入10百万円。営業外費用は12百万円(投資事業組合運用損3.5百万円など)。営業利益は減ったが、営業外収益の増加(約+79百万円)で経常利益は9億57百万円(+2.1%)となった(当社試算)。前期にあった特別利益(抱合せ株式消滅差益57百万円など)と特別損失はなく、税引前当期純利益は9億57百万円(前期9億89百万円)。法人税等は3億74百万円(負担率39.1%、前期33.8%、当社試算)で、当期純利益は5億83百万円(△10.9%)、1株当たり当期純利益は42.31円(前期47.02円)、ROEは14.3%(同17.8%)。負担率が上がった理由(繰延税金の見直しなど)は短信に説明がない
- 財政状態は、総資産62億29百万円(前期末比+5億08百万円)、純資産42億35百万円(同+3億33百万円)、自己資本比率68.0%(前期末68.2%)。無形固定資産が29億90百万円(総資産の48%)で、ソフトウエア仮勘定12億81百万円、ソフトウエア4億65百万円(前期末1億02百万円)、のれん4億62百万円、顧客関連資産7億67百万円。ソフトウエアと仮勘定の合計は約17億47百万円(総資産の約28%、当社試算)。長期前払費用が1億90百万円(前期末42百万円、+1億49百万円)、保険積立金が4億98百万円(+82百万円)。現金及び預金は5億94百万円(前期末7億52百万円)、売掛金は8億57百万円(+2億11百万円)。負債は19億94百万円(同+1億75百万円)で、契約負債が10億08百万円(+1億06百万円)、繰延税金負債が2億32百万円(前期末2億52百万円)。借入金はなく、リース債務のみ。純資産は、純利益+5億83百万円、配当△1億10百万円、自己株式の取得△1億47百万円
- キャッシュ・フローは、営業活動が7億79百万円の収入で、税引前利益9億57百万円、減価償却費2億90百万円、のれん償却80百万円、顧客関連資産償却71百万円に対し、売上債権の増加△2億11百万円、長期前払費用の増加△1億49百万円、法人税等の支払い△3億17百万円。投資活動は6億44百万円の支出で、無形固定資産の取得(ソフトウエア開発)△5億60百万円、保険積立金の積立△97百万円、有形固定資産の取得△64百万円。財務活動は2億51百万円の支出で、自己株式の取得△1億47百万円、配当△1億10百万円。現金及び現金同等物は4億70百万円(期首5億78百万円)。営業CFから投資CFを差し引いた額は約1億35百万円の黒字(当社試算)。前期は連結から非連結への移行に伴いキャッシュ・フロー計算書がなく、前期との比較はできない
- 配当は、第2四半期末3円(上場5周年記念配当)+期末9円の年12円(前期5円)で、配当総額1億65百万円、配当性向28.4%、純資産配当率4.1%。2027年6月期は中間6円・期末7円の年13円を予想し、配当性向(予想)は49.8%(13円÷1株当たり予想26.12円)と、利益の半分を配当する水準になる
- 【要確認】2027年6月期予想は、売上高6,000百万円(+9.6%)、営業利益600百万円(△30.8%)、経常利益600百万円(△37.3%)、当期純利益360百万円(△38.3%)、1株当たり26.12円(増減率は訂正後の実績を基準に変わった)。会社は「リアプロBB+」への戦略的な開発投資でソフトウエアの償却負担が増える見込みとする一方、中長期のMRR拡大による収益基盤の強化で持続的な利益成長を目指すとする。売上は+9.6%を見込むのに営業利益は約2億67百万円減る計算で、償却費や開発費、人件費などの内訳、償却の開始時期は短信に記載がない。仲介ソリューションの無償サービスから有償サービスへのクロスセルの目標数値も記載がない。2024年7月1日に完全子会社の株式会社リアルネットプロを吸収合併し、連結子会社がなくなり非連結決算に移行している
財政状態
総資産
6,229百万円
純資産
4,235百万円
自己資本比率
68.0%
現金及び現金同等物
470百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年6月期 通期予想 | 6,000百万円+9.6% | 600百万円△30.8% | 600百万円△37.3% | 360百万円△38.3% |
注目ポイント
売上は11.9%増えたが、営業利益は7.6%減った。売上原価が+24.1%と売上の伸びの2倍増え、売上総利益率が68.8%から65.4%に下がったためで、ソフトウエア開発を進める中で、償却費などの原価が膨らんでいる可能性がある(短信に説明はない)。経常利益がプラスになったのは、保険返戻金(49百万円)や為替差益(28百万円)などの営業外収益による。
貸借対照表では、無形固定資産が総資産の約48%を占め、ソフトウエア仮勘定が12億円を超える。仲介ソリューションの新サービス「リアプロBB+」が2026年9月にリリース予定で、会社は償却負担の増加を理由に、2027年6月期の営業利益を△30.8%の6億円と予想している。開発投資の回収は、MRR(月次経常収益)の拡大にかかっている。財務面は、借入金がなく自己資本比率68.0%と堅い。
なお、この短信は8月31日に、繰延税金資産・負債等の誤りを理由に数値が訂正された。訂正前の数値が今回の資料にないため、どの数値がどれだけ変わったかは確認できない。2027年6月期の増減率も、訂正後の実績を基準にしている。