2027年1月期 第2四半期(中間期) 決算サマリー
サマリー
半導体製造用の高純度化学化合物を手がけるトリケミカル研究所(連結)の2027年1月期中間期(2026年2〜7月)は、売上高が前年同期比18.8%増の147億05百万円、営業利益が20.8%増の38億38百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が21.5%増の33億73百万円と増収増益だった。 生成AI向けのデータセンター投資や先端ロジック・メモリ向けの需要増で、Metal用途が36.9%増と伸びた。会社は同日、通期予想を修正し、売上高295億円(+23.5%)、営業利益74億50百万円(+26.2%)とした。
売上高
14,705百万円
+18.8%営業利益
3,838百万円
+20.8%経常利益
4,526百万円
+19.1%親会社株主に帰属する中間純利益
3,373百万円
+21.5%売上総利益率
36.2%
前年同期38.1%Metal用途の売上高
3,197百万円
+36.9%営業活動によるキャッシュ・フロー
4,877百万円
+78.8%自己資本比率
77.9%
前期末76.5%ハイライト
- 売上高は147億05百万円(+18.8%)、売上総利益は53億29百万円(+13.0%)で、売上総利益率は36.2%(前年同期38.1%)に下がった。販管費は14億91百万円(△3.2%)と減り、営業利益は38億38百万円(+20.8%)、営業利益率は26.1%(同25.7%)に上がった。会社は、生成AIの普及に伴うデータセンター投資や先端ロジック・メモリ向けの投資意欲を背景に、半導体製造用高純度化学化合物の需要が増えたと説明する(スマートフォン等の個人向け需要は力強さを欠く)。利益面では、経費削減、コスト上昇局面を踏まえた販売価格の改定、グループ会社・部門間の連携を挙げる。減価償却費は12億14百万円(前年同期8億56百万円、+41.7%)に増えた
- 製品用途別(最終顧客の使用用途)は、Si半導体向けのHigh-kが71億31百万円(+17.3%)、Metalが31億97百万円(+36.9%)、Etchingが18億70百万円(+2.6%)、その他が19億97百万円(+31.4%)、Si半導体向け以外が5億08百万円(△17.1%)。売上に占める割合は、High-kが48.5%、Metalが21.7%、Etchingが12.7%(当社試算)。地域別(最終顧客の所在地)は、中国が58億40百万円(+25.5%、39.7%)、台湾が49億50百万円(+36.9%、33.7%)、日本が22億05百万円(△0.5%)、韓国が12億76百万円(△2.1%)、その他が4億33百万円(△25.8%)で、中国と台湾で7割強を占める(当社試算)
- 営業外収益は7億43百万円(前年同期6億37百万円)で、韓国の関係会社SK Tri Chem Co., Ltd.に係る持分法による投資利益が6億48百万円(同6億19百万円)、その他が89百万円(同13百万円)。営業外費用は55百万円(同15百万円)で、支払利息が49百万円(同12百万円)に増えた。経常利益は45億26百万円(+19.1%)で、営業利益に対し約7億円(約18%)が持分法益などの営業外収益による(当社試算)。法人税等は11億52百万円(負担率25.5%、前年同期26.9%、当社試算)で、中間純利益は33億73百万円(+21.5%)、1株当たり中間純利益は103.81円(同85.45円)、中間包括利益は32億37百万円(+14.0%)。持分法適用会社に対する持分相当額が△1億86百万円(前年同期△18百万円)
- 財政状態は、総資産491億21百万円(前期末比+18億46百万円)、純資産382億49百万円(同+21億00百万円)、自己資本比率77.9%(前期末76.5%)。現金及び預金が+27億98百万円(100億78百万円)、仕掛品が+7億84百万円(30億80百万円)に増え、商品及び製品が△10億74百万円(3億52百万円)、流動資産のその他(未収消費税等を含む)が△10億54百万円、電子記録債権が△3億22百万円。有形固定資産は173億03百万円(+78百万円)、投資有価証券は66億11百万円(+4億72百万円、持分法益)。負債は108億71百万円(同△2億54百万円)で、流動負債のその他(未払金等)が△21億84百万円、買掛金が△6億46百万円、未払法人税等が+5億01百万円、長期借入金が+17億85百万円(48億67百万円)、1年内返済予定の長期借入金が+2億74百万円。借入金の合計は約58億円(前期末約37億円、+約21億円、当社試算)で、現金及び預金が約43億円上回る(同)
- キャッシュ・フローは、営業活動が48億77百万円の収入(前年同期27億28百万円、+78.8%)。税引前利益45億26百万円、減価償却費12億13百万円、売上債権の減少+3億54百万円、棚卸資産の減少+2億49百万円、未払・未収消費税等の増加+11億11百万円(前年同期△3億23百万円)に対し、持分法益△6億48百万円、仕入債務の減少△6億50百万円、その他の流動負債の減少△4億38百万円、法人税等の支払い△7億71百万円。前年同期は棚卸資産の増加△10億74百万円などで営業CFが小さく、営業CFの伸びには運転資本の動きが大きい(当社試算)。投資活動は29億77百万円の支出(同35億49百万円)で、有形固定資産の取得が△29億72百万円(同△35億12百万円)。財務活動は8億58百万円の収入(同15億26百万円の支出)で、長期借入れ+24億円、長期借入金の返済△3億40百万円、配当△11億35百万円。営業CFから投資CFを差し引いた額は約19億円の黒字(当社試算)。現金及び現金同等物は100億78百万円
- 生産・投資の面では、中期経営計画に基づき、新規エッチング材料などの生産拠点である南アルプス事業所の生産体制構築に引き続き注力し、生成AI向けの新規材料や既存製品の需要増に対応する生産・品質管理体制を強化している。環境負荷の軽減、作業安全性の向上、事業継続計画の改善、サステナビリティの追求も進める。配当は、期末35円の年35円予想(前期も年35円、中間は無配)で、配当性向(予想)は約17%(35円÷1株当たり予想202.17円、当社試算)。決算説明会は2026年9月1日に機関投資家・アナリスト向けに開催予定
- 【要確認】通期予想は、2026年8月31日公表の「第2四半期(中間期)業績予想と実績との差異及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」により修正された(配当予想の修正はなし)。修正後は売上高29,500百万円(+23.5%)、営業利益7,450百万円(+26.2%)、経常利益8,720百万円(+23.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益6,570百万円(+19.1%)、1株当たり202.17円。修正前の数値と修正の理由は、この短信には金額がない。中間期の進捗は売上高49.9%、営業利益51.5%、経常利益51.9%、純利益51.3%で、下期に売上高約148億円(前期下期は増減率から逆算して約115億円、+約28%)、営業利益約36億円(同約27億円、+約33%)が必要な計算になる(当社試算)。下期の需要の前提や、南アルプス事業所の稼働による費用(減価償却費・人件費)の見込みは、短信に記載がない
財政状態
総資産
49,121百万円
純資産
38,249百万円
自己資本比率
77.9%
現金及び現金同等物
10,078百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年1月期 通期予想(2026年8月31日修正後) | 29,500百万円(進捗49.9%)+23.5% | 7,450百万円(進捗51.5%)+26.2% | 8,720百万円(進捗51.9%)+23.0% | 6,570百万円(進捗51.3%)+19.1% |
注目ポイント
生成AI向けのデータセンター投資と先端ロジック・メモリ向けの需要を背景に、増収増益を続けている。特にMetal用途(+36.9%)と台湾向け(+36.9%)、中国向け(+25.5%)が伸びた。売上総利益率は38.1%から36.2%に下がったが、販管費が3.2%減り、営業利益率は26.1%と上がった。会社は原材料・エネルギー価格の変動を、価格改定と経費削減で軽減したとしている。
営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期の約1.8倍の49億円で、投資CF(30億円)を差し引いた額は約19億円の黒字だった。ただ、この伸びの大きな部分は、未払・未収消費税等の増減(+11億円)や在庫の減少など運転資本の変化による。一方、長期借入れ24億円を実行し、借入金は約58億円に増えたが、現金が借入金を約43億円上回る。
会社は同日に通期予想を引き上げた(営業利益74億50百万円、+26.2%)。中間期の進捗は営業利益で51.5%で、下期は前期下期の約1.3倍の営業利益が必要になる。修正前の予想との差は本短信にはなく、別途公表の資料で確認したい。