2026年7月期 決算サマリー
サマリー
特許・論文などの文書情報を自然言語処理で解析・可視化するサービスを展開するVALUENEXの2026年7月期は、大型案件を含む国内外のコンサルティングサービスが 前期比55.9%増と伸び、売上高が同29.0%増の8億91百万円となった。販管費が同8.5%減の5億51百万円に抑えられたこともあり、営業利益は1億22百万円(前期は73百万円の損失)と黒字転換し、 当期純利益は1億27百万円(前期は82百万円の損失)。ASPサービスは同1.6%増にとどまった。2027年7月期の業績予想は、受注時期で業績が変動するため「未定」としている。
売上高
891百万円
+29.0%営業利益黒字転換
122百万円
前期は△73百万円の損失(黒字転換)経常利益黒字転換
128百万円
前期は△73百万円の損失(黒字転換)親会社株主に帰属する当期純利益黒字転換
127百万円
前期は△82百万円の損失(黒字転換)ハイライト
- サービス別の売上高は、コンサルティングサービスが554百万円(前期比+55.9%)、ASPサービスが331百万円(同+1.6%)。売上の約62%をコンサルティングが占め、国内外の案件が堅調に推移した。ASPサービスは横ばいで、継続課金型の収益の伸びは鈍い
- 売上総利益は674百万円(前期529百万円)で売上総利益率は75.6%(前期76.6%)とほぼ横ばい。販管費は551百万円(前期603百万円、△8.5%)に減少し、増収と費用減が重なって営業利益が黒字転換。売上高営業利益率は13.8%(前期△10.6%)。ただし賞与引当金35百万円を新たに計上(前期はなし)しており、費用の中身は入れ替わっている
- 営業外は為替差益4百万円を計上(前期は為替差損3百万円)。法人税等は0.4百万円と極めて小さく、経常利益128百万円とほぼ同額の当期純利益127百万円となった。前期は過年度法人税等9百万円を計上していた。1株当たり当期純利益は14.96円(2026年2月1日付の1株を3株とする株式分割後、前期は△9.64円)
- 財政状態は、総資産1,061百万円(前期末比+150百万円)、自己資本比率79.3%(同77.5%)で、負債は前受金131百万円(同△35百万円)などの流動負債217百万円のみ、固定負債はない。現金及び預金は836百万円(同+127百万円)で、営業CFは149百万円の収入(前期は115百万円の支出)。無形固定資産の取得23百万円を含む投資CFは27百万円の支出
- 【要確認】前受金が減っている点に注意。前受金は131百万円で前期末の167百万円から35百万円(△21%)減少した。前受金は今後の売上の先行指標になりうるが、短信には内訳や理由の記載はない。大型案件を含むコンサルティングは受注の成否・時期で業績が変動すると会社自身が説明している
- 【来期予想は未定】2027年7月期の連結業績予想は「現時点で合理的な算定が困難」として記載していない。理由は、①コンサルティングサービスが比較的大型の案件を含み、受注の成否・時期・売上計上時期で業績が変動する、②ASPサービスを取り巻く市場環境や為替動向に不確実性がある、と説明。生成AIなどの技術進展を踏まえたサービス開発と必要な開発投資を進める方針。算定が可能となった時点で速やかに公表するとしている
- 配当は無配(来期予想も無配)。決算補足説明資料は同日にTDnetと当社ホームページで開示(有)、決算説明会はなし。決算補足説明資料は今回未添付
財政状態
総資産
1,061百万円
純資産
843百万円
自己資本比率
79.3%
現金及び預金
836百万円
次期業績予想
| 決算期 | 業績予想 |
|---|---|
| 2027年7月期 通期予想 | 未定(合理的な算定が困難なため) |
注目ポイント
営業損益が前期の赤字から黒字に転換した決算で、原動力は大型を含むコンサルティング案件の伸びと販管費の抑制である。売上に占めるコンサルティングの比率が約62%まで高まる一方、継続課金のASPサービスはほぼ横ばいで、収益が受注型の案件に寄る構造になっている。
会社自身が来期の業績予想を「未定」とした理由も、この受注型の性格にある。大型案件の受注時期や売上計上時期で四半期・通期の業績が大きく変わるため、予想を置けないという説明で、今期の黒字化の持続性は、案件の獲得状況に左右される。前受金が前期末から約2割減っている点も、先行きを見るうえで気になる材料である。
財務面は、自己資本比率79%・固定負債なし・現金8億円超と身軽で、当面の資金繰りの懸念は小さい。次回の決算で、業績予想が公表されるかどうかと、受注の状況(前受金、コンサルティング売上の推移)を確認したい。