決算ノート
4484東証フリーランスのマッチングプラットフォーム、AI導入・戦略コンサルティング(プラットフォーム事業)
増収増益

2027年3月期 第1四半期 決算サマリー

サマリー

フリーランスのマッチングを手がけるランサーズ(連結)の2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)は、大手事業会社や官公庁向けのコンサルティング&ソリューションが拡大し、売上高が前年同期比15.5%増の13億66百万円となった。マッチング事業のAI活用による効率化で販管費が減り、営業利益は同3.7倍の44百万円。定型業務の発注はAIの普及で減る一方、AI実装支援など高付加価値領域の需要が急拡大しているとしている。通期予想は据え置いた。

売上高

1,366百万円

+15.5%

営業利益

44百万円

+272.1%

経常利益

44百万円

+261.5%

親会社株主に帰属する四半期純利益

11百万円

+122.5%

売上総利益率

36.2%

前年同期42.3%(当社試算)

自己資本比率

40.0%

前期末38.0%

ハイライト

  • 売上高は1,366百万円(前年同期比+15.5%)。売上原価が871百万円(前年同期681百万円)に増え、売上総利益は495百万円で売上総利益率は36.2%(前年同期42.3%、当社試算)に低下したが、販管費が450百万円(△8.0%、当社試算)に減り、営業利益は44百万円(+272.1%)。法人税等調整額30百万円の計上で税負担率が高く(72.7%、当社試算)、純利益は11百万円(+122.5%)
  • マッチングでは、記事作成やデータ入力などの定型業務の発注がAIの普及で縮小を続ける一方、AI実装支援・AI導入コンサルティングや生成AI関連開発の需要が急拡大。AIを使ったオペレーションの効率化で前年同期比で大幅な増益になったとしている。決算説明会で社長は、マッチング事業の売上が16%伸びたと説明した
  • コンサルティング&ソリューションは、社員がプロジェクト管理を担い外部プロ人材がデリバリーを担う「ハイブリッドチーム」体制で、戦略コンサルの「Lancers Strategic Consulting」とシステム開発の「Lancers One's Solution」の連携提案により大手事業会社・官公庁の支援実績が拡大し、売上高が大幅に増えた。決算説明会では、前年第1四半期に立ち上げた同事業の売上が約6倍になったとした一方、人員採用・教育費などの先行投資で利益面は赤字が続き、下期の黒字転換を目指すとしている(プラットフォーム事業の単一セグメント)
  • 財政状態は、総資産3,323百万円(前期末比△340百万円)、純資産1,348百万円、自己資本比率40.0%(前期末38.0%)。現金及び預金が94百万円、未払金が81百万円減った
  • 通期予想は修正なし。売上高6,300百万円(+15.9%)、営業利益300百万円(+49.1%)、経常利益270百万円(+30.4%)、純利益250百万円(+174.6%)、1株当たり15.40円。第1四半期の進捗は、売上高21.7%、営業利益14.7%、経常利益16.3%、純利益4.4%(当社試算)
  • 決算説明会で社長は、3月決算企業が多い顧客の特性から受注が下期に偏る傾向が10年以上続いており、前期は第1四半期時点の営業利益の進捗が約5.5%だったのに対し、今期は約15%と良好な進捗だと説明している
  • 配当は期末3円(前期2円)の予想で修正なし。決算説明会(機関投資家・証券アナリスト向け)の書き起こしを8月17日に公表

財政状態

総資産

3,323百万円

純資産

1,348百万円

自己資本比率

40.0%

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年3月期 通期予想(修正なし)6,300百万円(進捗21.7%)+15.9%300百万円(進捗14.7%)+49.1%270百万円(進捗16.3%)+30.4%250百万円(進捗4.4%)+174.6%

注目ポイント

AIの普及が、同社の事業に両面の影響を与えていることがよく分かる決算である。記事作成やデータ入力といった定型業務の発注はAIに置き換わって減る一方、企業のAI導入や生成AI開発を支援する高付加価値の仕事は急増している。会社はこの変化に合わせ、戦略コンサルとシステム開発を組み合わせたコンサルティング&ソリューションを立ち上げ、売上は1年で約6倍に伸びた。

利益面では、祖業のマッチングが自社のAI活用による効率化で大きく増益となり、全体の営業利益は3.7倍になった。ただし新事業は人材採用などの先行投資で赤字が続き、売上原価の増加で売上総利益率は6ポイント下がった。

通期予想に対する営業利益の進捗は約15%にとどまるが、会社は受注が年度末に集中する季節性を挙げ、前年の同時期(約5.5%)より進んでいると説明している。新事業が下期に黒字化し、マッチングに次ぐ利益の柱になれるかが焦点となる。

出典:ランサーズ株式会社「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)/同 決算説明会書き起こし(2026年8月17日)」(2026年8月14日開示)

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