決算ノート
4627東証塗料(金属用・建材用)、ファインケミカル(情報記録材料など)、蒸留(廃液の回収・再生品)
増収増益

2026年10月期 第3四半期 決算サマリー

サマリー

塗料・ファインケミカル・蒸留を手がけるナトコ(連結)の2026年10月期第3四半期累計(2025年11月〜2026年7月)は、売上高が前年同期比10.3%増の182億71百万円、営業利益が64.8%増の16億50百万円、経常利益が82.9%増の18億62百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が56.4%増の12億36百万円と、3事業とも増収増益となった。 会社は2026年9月4日に通期予想を修正し、営業利益は2,030百万円(+45.2%)とした(修正前の数値は短信に記載がない)。年間配当は前期の55円に対し54円の予想。

売上高

18,271百万円

+10.3%

営業利益

1,650百万円

+64.8%

経常利益

1,862百万円

+82.9%

親会社株主に帰属する四半期純利益

1,236百万円

+56.4%

塗料事業のセグメント利益

1,179百万円

+44.0%

蒸留事業のセグメント利益

526百万円

+50.8%

売上高営業利益率

9.0%

前年同期6.0%

自己資本比率

76.9%

前期末78.7%

ハイライト

  • 営業利益は16億50百万円(+64.8%)。売上総利益は44億53百万円(+22.0%)で、売上総利益率は24.4%(前年同期22.0%)に上がった。販管費は28億02百万円(+5.8%)にとどまり、営業利益率は9.0%(同6.0%)(いずれも当社試算)。報告セグメント利益の合計は22億12百万円(+41.1%)で、全社費用等の調整額は△5億62百万円(前年同期△5億66百万円)。減価償却費は5億74百万円(同5億27百万円)
  • 経常利益は18億62百万円(+82.9%)。営業外収益は2億14百万円(前年同期83百万円)で、為替差益が85百万円(前年同期は65百万円の為替差損)、受取利息が76百万円(同48百万円)。特別損益は、前年同期に負ののれん発生益108百万円などで特別利益が120百万円あったが、今期は特別利益1百万円、特別損失48百万円(プロジェクト撤退損失25百万円=物流センター新設プロジェクトの中止に伴う関連費用、固定資産処分損23百万円)。法人税等の負担率は31.3%(前年同期28.4%、当社試算)。親会社株主に帰属する四半期純利益は12億36百万円(+56.4%)、1株当たり四半期純利益は163.64円(同104.71円)
  • 塗料事業は売上高113億59百万円(+6.1%)、セグメント利益11億79百万円(+44.0%)で、利益率は10.4%(前年同期7.6%、当社試算)。会社は、金属用塗料で鋼製家具・景観資材向けは低調だったが工作機械・電気機器向けが旺盛で、中東情勢の先行き不安から3月以降の受注が好調だったと説明する。建材用塗料は住宅着工件数の減少の影響を受けたものの、原材料価格高騰の価格転嫁が進んで増収
  • ファインケミカル事業は売上高21億39百万円(+15.6%)、セグメント利益5億06百万円(+26.8%)で、食品・医薬品用ラベル印字材料(情報記録材料)向けの需要増と個別案件の進展が要因。蒸留事業は売上高47億72百万円(+19.0%)、セグメント利益5億26百万円(+50.8%)で、利益率は11.0%(前年同期8.7%、当社試算)。会社は、三丸化学株式会社の業績が通期で寄与したこと、中東情勢を受けた再生品へのニーズの高まり、原材料価格高騰の価格転嫁、リサイクル製品の販売数量に対する廃液の回収割合の増加を挙げる
  • 財政状態は、総資産334億15百万円(前期末比+23億88百万円)、純資産258億74百万円(同+12億90百万円)、自己資本比率76.9%(前期末78.7%)。受取手形及び売掛金が△19億78百万円(34億44百万円)と大きく減った一方、電子記録債権+4億13百万円、現金及び預金+6億14百万円(113億25百万円)、有価証券+5億99百万円、商品及び製品+2億98百万円、原材料及び貯蔵品+2億32百万円。固定資産は投資有価証券+11億37百万円(18億46百万円)、有形固定資産その他+5億82百万円、長期預金+1億89百万円で+20億79百万円。現金及び預金・有価証券・長期預金の合計は約150億円(前期末約136億円、当社試算)。売掛金の減少の理由は短信に記載がない
  • 負債は75億40百万円(前期末比+10億98百万円)で、支払手形及び買掛金が+8億16百万円(48億10百万円)、繰延税金負債が+1億13百万円。純資産は、純利益+12億36百万円、配当△4億23百万円で利益剰余金が+8億13百万円、その他有価証券評価差額金が+1億65百万円、為替換算調整勘定が+2億99百万円。四半期包括利益は17億07百万円(+148.9%、前年同期6億86百万円)
  • 【要確認】通期予想は2026年9月4日公表の「業績予想の修正に関するお知らせ」で修正された(修正前の数値と修正理由の詳細は短信に記載がなく、「最近の業績動向等を踏まえ」とのみ)。修正後は売上高24,500百万円(+10.0%)、営業利益2,030百万円(+45.2%)、経常利益2,230百万円(+47.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,460百万円(+28.3%)、1株当たり193.21円。第3四半期累計の進捗は売上高74.6%、営業利益81.3%、経常利益83.5%、純利益84.7%で、第4四半期に残る営業利益は約3億80百万円、経常利益は約3億68百万円、純利益は約2億23百万円(当社試算)
  • 配当は、2026年10月期の中間27円(前期26円)、期末予想27円(前期29円)で年54円(前期55円)。配当予想の修正はない。配当性向(予想)は約27.9%(当社試算)。会社は中期経営計画(2025〜2027年度)の「環境対応方針」「人的資本経営」「責任ある事業活動」のもと、M&A等の戦略投資、成長投資(DX・R&D・人的資本)、更新投資に経営資源を配分するとしている

財政状態

総資産

33,415百万円

純資産

25,874百万円

自己資本比率

76.9%

現金及び預金

11,325百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2026年10月期 通期予想(2026年9月4日修正)24,500百万円(進捗74.6%)+10.0%2,030百万円(進捗81.3%)+45.2%2,230百万円(進捗83.5%)+47.7%1,460百万円(進捗84.7%)+28.3%

注目ポイント

3事業とも増収増益で、利益の伸びが売上の伸びを大きく上回った。売上総利益率が22.0%から24.4%に上がり、販管費の増加は+5.8%にとどまったため、営業利益率は6.0%から9.0%になった(当社試算)。会社は塗料・蒸留で価格転嫁の進展と、中東情勢に伴う受注・再生品需要を挙げている。

経常利益(+82.9%)は営業利益(+64.8%)より伸びが大きい。為替差益85百万円(前年同期は65百万円の差損)が営業外で約1.5億円のスイングになったためで、営業利益との差は約2億12百万円(前年同期は約17百万円)に広がった。純利益には前年の負ののれん発生益108百万円が含まれていたため、前年の水準は特別利益で押し上げられていた点にも留意したい。

通期予想は9月4日に修正され、第3四半期累計時点で営業利益の進捗は81.3%、純利益は84.7%に達している。修正前の水準と修正の理由は短信に書かれていないため、別途開示の「業績予想の修正に関するお知らせ」で確認したい。また、年間配当の予想は前期より1円低い54円で、増益局面でも期末配当が29円から27円に下がる点は目を引く。

出典:ナトコ株式会社「2026年10月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年9月4日開示)

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