決算ノート
4666東証コインパーキング「タイムズパーキング」(駐車場事業国内)、カーシェアリング「タイムズカー」(モビリティ事業)、海外の駐車場事業

2026年10月期 第3四半期 決算サマリー

サマリー

「タイムズパーキング」「タイムズカー」を運営するパーク24(連結)の2026年10月期第3四半期累計(2025年11月〜2026年7月)は、売上高が前年同期比2.7%増の3,040億49百万円、営業利益が16.2%増の289億46百万円、経常利益が20.0%増の267億26百万円だった。 親会社株主に帰属する四半期純利益は、英国事業の再編などによる法人税等調整額(益)318億円の計上で265.1%増の363億54百万円に急増したが、税金等調整前の利益は特別損失126億円(英国事業の再編・シンガポール事業の売却)で20.2%減った。現金は約490億円減り、ネットD/Eレシオは0.88倍から1.22倍に上がった。

売上高

304,049百万円

+2.7%

営業利益

28,946百万円

+16.2%

経常利益

26,726百万円

+20.0%

税金等調整前四半期純利益

15,010百万円

△20.2%

親会社株主に帰属する四半期純利益

36,354百万円

+265.1%

モビリティ事業の営業利益

10,375百万円

+14.3%

駐車場事業海外の営業損益黒字転換

400百万円

前年同期は1,767百万円の損失

ネットD/Eレシオ

1.22倍

前期末0.88倍

ハイライト

  • 売上高は3,040億49百万円(+2.7%)、売上総利益は805億26百万円(+8.5%)、売上総利益率は26.5%(前年同期25.1%)。販管費は515億80百万円(+4.6%)で、営業利益は289億46百万円(+16.2%)、営業利益率は9.5%(同8.4%)。経常利益は267億26百万円(+20.0%)で、営業外費用のうち支払利息が22億18百万円(同25億98百万円)に減った。会社は、駐車場事業の国内・海外は稼働が想定を上回った一方、モビリティ事業の稼働は想定を下回ったと説明する
  • 駐車場事業国内は売上高1,607億05百万円(+9.1%)、営業利益284億96百万円(+3.4%)。新設駐車場は原則キャッシュレス決済専用とし、当期は1,291件を開発した。既存駐車場も、キャッシュレス決済専用の自社開発精算機「タイムズタワー」と車番認証カメラを使った形へ転換を進める。タイムズパーキングは20,400件(前期末比+3.7%)、749,771台(+7.5%)、月極・管理受託を含む総運営件数は27,668件(+1.9%)、917,152台(+4.0%)。売上の伸び(+9.1%)に比べ営業利益の伸び(+3.4%)が小さく、営業利益率は17.7%(前年同期18.7%、当社試算)に下がった
  • モビリティ事業(タイムズカー)は売上高1,033億38百万円(+12.3%)、営業利益103億75百万円(+14.3%)。会社は「成長軌道への回帰」に向け、車両1台当たり利益を重視し、会員の集中度や車両の配置数を局所メッシュ単位で見て、需要に応じたペースで拡大している。車両台数は86,995台(前期末比+7.8%)、うちタイムズカー専用車両は69,733台(+9.2%、前年同期末比+12.9%)、貸出拠点は30,499箇所(+17.0%)、会員数は4,057千人(+12.2%、前年同期末比+18.0%)。会員数の増加(需要)が車両の増車(供給)を上回り、車両1台当たり会員数は改善傾向だが、車両1台当たり利用料は想定を下回った。営業利益率は10.0%(同9.9%、当社試算)
  • 駐車場事業海外は売上高452億10百万円(△26.8%)、営業損益は4億円の黒字(前年同期は17億67百万円の損失、のれん償却△7億60百万円を含む。前年同期はのれん償却△10億72百万円)。海外グループ会社の連結対象期間は10月1日〜6月30日。豪州の稼働は想定を下回ったが、その他の地域は概ね堅調だった。第2四半期に英国事業の再編とシンガポール事業の売却を実施し、大型・長期リース契約中心の英国事業から、小型・短期リース契約の「各国版タイムズパーキング」中心の事業へ再構築した。各国版タイムズパーキングは1,579件(△0.6%)、80,214台(+10.3%)、総運営件数は2,058件(△23.7%)、308,307台(△37.2%)
  • 【純利益の急増の中身】特別損失は126億54百万円で、関係会社整理損91億45百万円、関係会社株式売却損33億94百万円が中心(英国事業の再編・シンガポール事業の売却)。特別利益は9億38百万円(固定資産売却益8億80百万円など)。税金等調整前四半期純利益は150億10百万円(前年同期188億04百万円、△20.2%)に減った。一方、法人税等は△213億43百万円(税金費用のマイナス)で、法人税、住民税及び事業税が105億30百万円、法人税等調整額が△318億74百万円(益)。会社は、英国事業の再編の影響などによる法人税等調整額(益)318億円が計上されたためと説明する。繰延税金資産は369億24百万円(前期末49億79百万円、+319億円)に増えた。税金費用のマイナス(213億43百万円)は純利益363億54百万円の約59%にあたり、繰延税金資産は将来の課税所得で回収する前提の会計上の資産で、現金の増加ではない(当社試算)
  • 財政状態は、総資産3,550億14百万円(前期末比+6億38百万円)、純資産1,178億26百万円(同+196億33百万円)、自己資本比率33.2%(前期末27.7%)。現金及び預金が△489億99百万円(314億71百万円)に減り、有形固定資産が+165億45百万円(1,724億31百万円)、繰延税金資産が+319億円、のれんが△96億56百万円(66億94百万円)、契約関連無形資産が皆減(前期末18億52百万円)。のれんの減少は、英国・シンガポール関連の連結除外による103億78百万円の減少が主因。有利子負債は1,721億62百万円(前期末1,726億45百万円)でほぼ変わらず、短期借入金が+342億円(365億62百万円)、1年内返済予定の長期借入金が+95億円(176億50百万円)、長期借入金が△402億円(544億91百万円)と、長期から短期へ組み替わった形(当社試算)。ネットD/Eレシオ((有利子負債−現金及び預金)÷株主資本)は1.22倍(前期末0.88倍)、株主資本比率は32.6%(同29.4%)。負債は2,371億88百万円(同△189億94百万円)。純資産は、利益剰余金が+312億35百万円、資本剰余金が△200億91百万円(追加取得△292億82百万円、持分変動+92億26百万円)、為替換算調整勘定が+84億33百万円
  • キャッシュ・フローは、営業活動が395億61百万円の収入(前年同期367億94百万円)だが、投資活動が486億93百万円の支出(前年同期321億44百万円)で、フリー・キャッシュ・フローは△91億31百万円(前年同期+46億50百万円)。投資は有形固定資産の取得△424億69百万円(前年同期△244億58百万円)、関係会社の整理による支出△45億52百万円。財務活動は403億87百万円の支出(前年同期97億42百万円)で、短期借入金の純増+339億円、長期借入れ+450億円、長期借入金の返済△756億63百万円、リース債務の返済△92億43百万円、配当△51億16百万円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得△292億82百万円(第1四半期にタイムズ24が連結子会社MEIF II CP Holdings 2 Limited(CP2)の株式を追加取得)。現金及び現金同等物は314億65百万円(期首801億50百万円、△486億85百万円)。CP2は英国企業倒産法に基づく清算手続きの開始等に伴い、第2四半期に連結から除外された。連結除外は4社(PARK24 INTERNATIONAL LIMITED、MEIF II CP Holdings 2 Limited、NATIONAL CAR PARKS LIMITED、TIMES24 SINGAPORE PTE. LTD.)
  • 【要確認】通期予想は2026年6月15日公表の「特別損失・法人税等調整額(益)の計上、および第2四半期連結業績予想と実績の差異、ならびに通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」から変更なし。売上高411,000百万円(+1.2%)、営業利益42,500百万円(+13.1%)、経常利益39,500百万円(+15.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益44,000百万円(+176.4%)、1株当たり257.76円。第3四半期累計の進捗は売上高74.0%、営業利益68.1%、経常利益67.7%、純利益82.6%で、第4四半期に営業利益約135億円(前期第4四半期は増減率から逆算して約127億円、+約7%、当社試算)が必要な計算。配当は、期末65円の年65円予想(前期30円、修正なし)で、配当性向(予想)は約25%(当社試算)。会社は中期経営計画(2025年10月期〜2027年10月期)の2年目で、2035年に向けて「モビリティサービスプラットフォーマーへの進化」を掲げ、「モビリティ事業の成長軌道への回帰」と「経営資源の選択と集中」に注力するとしている

財政状態

総資産

355,014百万円

純資産

117,826百万円

自己資本比率

33.2%

現金及び現金同等物

31,465百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2026年10月期 通期予想(2026年6月15日公表・変更なし)411,000百万円(進捗74.0%)+1.2%42,500百万円(進捗68.1%)+13.1%39,500百万円(進捗67.7%)+15.6%44,000百万円(進捗82.6%)+176.4%

注目ポイント

営業利益は+16.2%と伸び、国内の駐車場とカーシェアが堅調だが、純利益が+265.1%と急増した背景には、会計上の特殊要因がある。特別損失(英国・シンガポール事業の整理で126億円)で税引前の利益は△20.2%に減った一方、英国事業の再編などに伴う法人税等調整額(益)318億円で、税金費用がマイナスになった。純利益363億円の約6割(税金費用のマイナス213億円)は、この税効果による会計上の利益である(当社試算)。

営業の実力を見るには、営業利益(+16.2%)と営業CF(395億円)のほうが適切で、国内駐車場は営業利益率が下がり(18.7%→17.7%)、モビリティは営業利益+14.3%と好調、海外は黒字転換(4億円)した。ただ、海外は英国の再編で売上が26.8%減り、規模は小さくなった。

財務面では、現金が約490億円減り、有形固定資産の取得(424億円)、子会社株式の追加取得(293億円)、借入金の返済が重なった。ネットD/Eレシオは0.88倍から1.22倍に上がり、有利子負債の約半分が短期・1年内返済に組み替わっている(当社試算)。通期予想は据え置きで、営業利益の進捗は68.1%。第4四半期の営業利益は約135億円が必要で、前期を約7%上回る計算になる。借入の借り換えと、モビリティ事業の車両1台当たり利用料の回復を、次の決算で確認したい。

出典:パーク24株式会社「2026年10月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月31日開示)

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