5134東証グロース学習塾向け業務管理SaaS「Comiru」
2026年10月期 第3四半期 決算サマリー
サマリー
学習塾・習い事向けSaaS「Comiru」を展開するPOPERの2026年10月期第3四半期(累計)は、有料契約企業数と課金生徒ID数が伸びて 売上高は前年同期比2.0%増の10億53百万円となった一方、受託開発の抑制とシステム基盤・人材への先行投資で営業利益は同58.1%減の 68百万円、四半期純利益は同68.7%減の54百万円と大幅減益。会社は収益構造を受託開発型からストック型へ転換する「構造改革の1年」と位置付けている。
売上高
1,053百万円
+2.0%営業利益
68百万円
△58.1%経常利益
67百万円
△58.1%四半期純利益
54百万円
△68.7%ハイライト
- 売上総利益は746百万円(前年同期比△4.4%)、売上総利益率は70.9%(同△4.7pt)。システム基盤の強化と新機能開発へのリソース投下が要因。販管費は678百万円(同+9.9%)で、営業利益率は6.5%(前年同期15.9%)に低下。累計の営業利益率は第1四半期10.6%、第2四半期10.1%、第3四半期6.5%と四半期ごとに低下
- 【純利益の減り方が営業利益より大きい理由】前年同期は法人税等調整額45百万円のプラス計上(繰延税金資産の計上)で法人税等合計がマイナスとなり、純利益(173百万円)が経常利益(162百万円)を上回っていた。当期は法人税等14百万円の通常の負担となったため、純利益の減益率が営業利益より大きい
- 主要KPI: 有料契約企業数2,184社(前年同期比+15.6%)、課金生徒ID数517千ID超(同+6.6%)、ARR12.38億円(同+4.9%)、月次解約率0.6%と低位安定。一方ARPUは47,242円(同△9.3%、前四半期比では+2.1%)と、単価の低い中小規模顧客の構成比上昇で低下
- 顧客別では、個人塾が1,646社(前年同期比+9.5%)、英会話・プログラミング等の習い事が392社(同+53.7%)と伸長。大手塾21社(同+10.5%)、中堅塾125社(同+10.6%)。広告宣伝費は売上高の4.9%と低水準で、平均参加者200名以上の経営セミナーを起点にした顧客獲得モデルが定着
- 決済サービス「ComiruPay」の導入は735社(前四半期比+9.2%)。口座振替に加えコンビニ・クレジットカード決済の拡充を開発中で、習い事領域の新規獲得のフック商材としても機能
- 【構造転換】労働集約的な個別受託開発を意図的に抑制し、SaaS・決済などストック収益へシフト。前期から進行中の大手向けカスタマイズ案件16件のうち2社は第2四半期にストック課金へ移行済みで、14件が進行中。受託開発の抑制は当期だけでなく来期の売上にも一部影響が残るとの説明(決算説明会Q&A)
- 【要確認】通期予想(売上高1,425百万円、営業利益85百万円、純利益55百万円)は据え置き。Q3累計の進捗率は売上73.9%に対し営業利益80.1%、四半期純利益97.1%と高く、通期予想から逆算すると第4四半期の営業利益は17百万円、純利益は約1百万円にとどまる計算。会社は、システム基盤強化や専門人材採用の費用執行が第4四半期に集中するためと説明。通期予想の前期比は営業利益△50.8%、当期純利益△59.7%
- 2026年3月12日の取締役会決議に基づき、自己株式69,100株(約40百万円)を取得。学校領域では、千葉県栄町に続き長野県山ノ内町でも2026年7月から「学校DXディレクター」を務め、2030年度の義務教育学校開校に向けた校務DX・AI活用を支援(短期の収益貢献は限定的)
財政状態
総資産
1,209百万円
純資産
892百万円
自己資本比率
73.2%
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年10月期 通期予想(修正なし) | 1,425百万円(進捗73.9%)+2.6% | 85百万円(進捗80.1%)△50.8% | 83百万円(進捗81.4%)△51.7% | 55百万円(進捗97.1%)△59.7% |
注目ポイント
契約企業数・生徒ID数・ARRといったストック収益の指標は順調に伸びている一方、損益は受託開発の抑制と先行投資で大きく落ち込んでおり、「事業は伸びているのに利益が出にくい局面」の決算である。ARPUが前年から約1割下がっているのは、単価の低い個人塾・習い事の比率が上がったためで、顧客数の増加が売上単価の低下で相殺されている点は押さえておきたい。
決算説明会の質疑応答では、来期についても「収益性の見通しが直ちに大幅に拡大・変化するというより、中長期でフリーキャッシュフローの創出力を高めていく」と会社が明言している。第4四半期に費用が集中して通期予想を据え置いている点とあわせ、短期的な利益回復を期待しにくい内容である。一方、財務面は自己資本比率73.2%で借入も返済が進んでおり(短期借入金は完済、長期借入金は約44百万円)、財務の安全性は保たれている。