2026年6月期 決算サマリー
サマリー
電設資材の販売を柱に、コンクリート二次製品、石油製品・自動車の販売、農産物・不動産などを手がける高見澤(連結)の2026年6月期は、電設資材事業が省エネ・省力化の設備投資案件で売上高+9.0%、利益+32.6%と好調で、売上高が前期比2.8%増の756億60百万円となったが、カーライフ関連事業が営業損失に転じたことなどで営業利益は同4.0%減の13億99百万円と減益となった。 一方、関係会社出資金売却益5億61百万円の計上と低い税負担で、親会社株主に帰属する当期純利益は同80.3%増の12億9百万円。営業キャッシュ・フローは売上債権と在庫の増加で前期の約3割(11億68百万円)に減った。 包括利益は、2026年9月10日の訂正で1,529百万円から1,306百万円に改められている。
売上高
75,660百万円
+2.8%営業利益
1,399百万円
△4.0%経常利益
1,696百万円
+1.6%親会社株主に帰属する当期純利益
1,209百万円
+80.3%電設資材事業のセグメント利益
1,336百万円
+32.6%カーライフ関連事業のセグメント損益赤字
△69百万円
前期は145百万円の利益営業活動によるキャッシュ・フロー
1,168百万円
△68.8%(前期3,748百万円)期末配当
70円
前期50円ハイライト
- 売上高は75,660百万円(前期比+2.8%)、売上総利益は12,697百万円(同+2.5%、売上総利益率は前期と同じ16.8%、当社試算)。販管費は11,297百万円(同+3.4%)が粗利益の伸びを上回り、営業利益は1,399百万円(同△4.0%)、営業利益率は1.9%(前期2.0%)。営業外収益は565百万円(前期422百万円)で、仕入割引205百万円、貸倒引当金戻入額104百万円(前期なし)、受取配当金36百万円など。営業外費用は268百万円(同209百万円)で、支払利息123百万円(同91百万円)、支払補償費63百万円(同3百万円)など。営業外の純収益297百万円(同213百万円)が営業減益を補い、経常利益は1,696百万円(+1.6%)
- 特別損益は、関係会社出資金売却益561百万円(前期なし)を計上した一方、減損損失667百万円(前期278百万円)を計上した。税金等調整前当期純利益は1,578百万円(前期1,125百万円、+40.3%)。法人税等は356百万円(負担率22.6%、前期39.7%、当社試算。うち法人税等調整額△205百万円)と軽く、親会社株主に帰属する当期純利益は1,209百万円(+80.3%)、1株当たり当期純利益は732.37円(前期402.36円)、自己資本当期純利益率(ROE)は8.0%(同4.7%)。営業利益は減益で、純利益の大幅増は特別利益と低い税負担によるところが大きい。出資金売却益の対象と、減損損失の対象資産・セグメントは短信に記載がない(キャッシュ・フロー計算書の減損損失は501百万円で、損益計算書の667百万円と差があり、内訳の説明もない。【要確認】)。個別業績は、売上高31,001百万円(△3.6%)、営業利益68百万円(△83.4%)、当期純損失121百万円(前期は純利益181百万円)
- セグメント別(外部顧客への売上高/セグメント利益)は、電設資材事業が41,765百万円(+9.0%)/1,336百万円(+32.6%)、建設関連事業が8,592百万円(△4.6%)/149百万円(△52.7%)、カーライフ関連事業が17,109百万円(△4.8%)/損失69百万円(前期は利益145百万円)、その他事業が8,193百万円(△0.9%)/損失9百万円(前期は利益235百万円)。電設資材が売上の約55%を占め、黒字セグメントの利益合計(149百万円+1,336百万円)の約90%を稼ぐ(当社試算)。なお当期からセグメント利益の算定方法を変更し、従来配分していなかった全社費用の一部を、セグメント資産と人件費を基に各セグメントへ按分した。従来の方法なら、建設関連の利益は130百万円多い279百万円(前期316百万円、△11.7%)、カーライフ関連は122百万円少ない損失で53百万円の利益、その他事業は105百万円少ない損失で96百万円の利益になる計算(当社試算)。前期の数値は新方式に組み替えられておらず(調整額は前期△247百万円、当期△7百万円)、セグメント利益の前期比較は同一基準ではない
- 会社の説明は、電設資材が省エネ・省力化・環境負荷低減の設備投資案件への積極的な営業で好調。建設関連が公共・民間とも需要が低調で、原価低減や付加価値向上に努めたが、人件費・材料費・販売費の増加を吸収しきれなかった。カーライフ関連は、石油部門で小売用燃料の需要が低調、法人向け産業用燃料・油脂類も中東情勢による市況変動で販売量が伸び悩み、価格競争の激化と政府の暫定税率廃止に向けた補助金拡充策の影響で販売価格が低下し、利幅も減少。オート部門は自動車販売台数が増えたものの整備関連売上が低調で、新店舗の費用も増えた。その他事業は、きのこ培地の販売量は増えたが価格競争で原価上昇を転嫁しきれず、飲食料品は家庭内消費が伸び悩み、不動産は資材価格・労務費の上昇による価格高止まりで需要が低調
- 財政状態は、総資産41,025百万円(前期末比+2,174百万円)、純資産15,969百万円(同+1,220百万円)、自己資本比率38.6%(前期末37.4%)、1株当たり純資産9,586.77円(同8,801.57円)。資産の増加は、売掛金+1,025百万円、商品及び製品+875百万円(3,217→4,092百万円)、電子記録債権+391百万円、投資有価証券+482百万円(1,142→1,625百万円)、建物及び構築物(純額)+839百万円(建設仮勘定は745→13百万円)。借入金は、短期借入金が4,096→3,070百万円(△1,026百万円)、長期借入金が5,102→6,259百万円(+1,157百万円)で、合計9,198→9,329百万円(+131百万円、当社試算)。純資産は、当期純利益1,209百万円から配当82百万円と土地再評価差額金の取崩222百万円を差し引いた利益剰余金+904百万円と、その他有価証券評価差額金+317百万円などによる。投資その他の資産では、その他が2,299→1,381百万円(△918百万円)、貸倒引当金が△1,454→△517百万円(+937百万円)と大きく動いたが、対象の記載はない。解体撤去引当金150百万円が新たに計上された
- 営業キャッシュ・フローは1,168百万円(前期3,748百万円、△68.8%)と大きく減った。売上債権の増加910百万円、棚卸資産の増加913百万円で資金が使われ(仕入債務は+631百万円)、税金等調整前当期純利益1,578百万円と減価償却費979百万円(前期865百万円)が支えた。投資キャッシュ・フローは有形固定資産の取得1,245百万円(前期3,070百万円)などで△1,353百万円。財務キャッシュ・フローは、長期借入3,440百万円・返済2,229百万円、短期借入金の純減1,080百万円、配当82百万円などで△83百万円(前期は+346百万円)。営業と投資の合計(フリー・キャッシュ・フロー)は△185百万円(当社試算)で、現金及び現金同等物は3,587百万円(△269百万円)。キャッシュ・フロー対有利子負債比率は8.3年(前期2.5年)、インタレスト・カバレッジ・レシオは9.5倍(同40.0倍)と、いずれも悪化した
- 【訂正】2026年9月10日に、本短信の包括利益(表紙・連結包括利益計算書)に誤りがあったとして訂正が公表された。包括利益は1,529百万円(+126.5%)から1,306百万円(+93.5%)に、その他の包括利益合計は307百万円から84百万円(土地再評価差額金222百万円が「—」に)、親会社株主に係る包括利益は1,602百万円から1,379百万円になった。訂正書面が示す訂正箇所は包括利益に関する部分のみで、本記事は訂正後の数値を使用している。連結範囲の変更として、岐阜電材株式会社と溜博高見澤混凝土有限公司の2社が連結から除外された(理由の記載なし)。為替換算調整勘定(累計額)は前期末156百万円からゼロに、のれんは前期末72百万円からゼロになった
- 【要確認】2027年6月期の連結予想は、売上高75,000百万円(△0.9%)、営業利益1,600百万円(+14.3%)、経常利益1,800百万円(+6.1%)、純利益1,200百万円(△0.8%)、1株当たり726.38円。営業利益は当期実績から約200百万円の増加を見込む。会社の事業別の見通しは、建設関連が前年を上回る収益の確保を目指し、電設資材は増収を見込む一方で仕入価格と人件費・諸経費の上昇により収益面では伸びを欠く、カーライフ関連は前年並みの売上確保と収益改善、その他事業は前年以上の収益確保(飲食料品は堅調)。利益の柱の電設資材が伸びを欠くとしながら全体で営業利益+14.3%を見込んでおり、事業別の予想金額は短信になく、増益の内訳は分からない。中東情勢による商品供給の不透明さも挙げている。配当は期末70円(前期50円)で、配当総額115百万円、連結配当性向9.6%(前期12.4%)、2027年6月期も70円予想。自己株式の取得はなし(前期55百万円)。決算補足説明資料・決算説明会はいずれも「無」。短信は監査の対象外
財政状態
総資産
41,025百万円
純資産
15,969百万円
自己資本比率
38.6%
現金及び現金同等物
3,587百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年6月期 通期予想 | 75,000百万円△0.9% | 1,600百万円+14.3% | 1,800百万円+6.1% | 1,200百万円△0.8% |
注目ポイント
本業は減益、純利益は特別要因で大幅増という、見た目と中身が離れた決算である。売上は電設資材が+9.0%と牽引したが、販管費の増加で営業利益は△4.0%となった。純利益が+80.3%となったのは、関係会社出資金の売却益561百万円と、法人税等の負担率が約23%(前期約40%)に下がったことの寄与が大きく、営業段階の実力とは分けて見る必要がある。
事業構成は偏っている。電設資材が売上の約55%を占め、黒字セグメントの利益の約90%を稼ぐ一方、カーライフ関連とその他事業は赤字に転じた。ただし当期からセグメント利益の算定方法が変わり、全社費用の一部が各セグメントに按分されたため、前期との比較は同一基準ではない。従来の方法なら建設関連は△11.7%の減益、カーライフ・その他は黒字だったという計算になり、数字の見え方は大きく変わる。
営業キャッシュ・フローは前期の約3分の1に減り、売上債権と在庫の増加で約18億円が使われた。借入金の水準は前期並みだが、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は2.5年から8.3年に悪化している。来期予想は営業利益+14.3%だが、利益の柱の電設資材は収益が伸びを欠くと会社自身が述べており、増益の根拠は短信からは読み取れない。なお、包括利益は2026年9月10日に1,529百万円から1,306百万円へ訂正されており、本記事は訂正後の数値を使っている。