決算ノート
5582東証AI・数理最適化(電力需給・配船・鉄道運行計画など)、インフラアセット(系統用蓄電所の開発)
増収増益

2026年6月期 決算サマリー

サマリー

電力会社向けにAIと数理最適化による需給計画の最適化を提供するグリッドの2026年6月期は、電力分野の追加受注に加え、第4四半期から始めた系統用蓄電所の開発で売上高が前期比51.2%増の31億19百万円となった。一方、エンジニアなどの採用強化で人件費が膨らみ、営業利益は同7.3%増の4億59百万円にとどまった。当期純利益は同15.7%増の3億45百万円。2027年6月期は売上高44.3%増、営業利益30.6%増を見込むが、蓄電所の資材納入時期の影響で第1四半期は一時的に低水準になるとしている。

売上高

3,119百万円

+51.2%

営業利益

459百万円

+7.3%

経常利益

466百万円

+8.9%

当期純利益

345百万円

+15.7%

売上高営業利益率

14.7%

前期20.8%

AI事業 ストック型売上

639百万円

+25.2%

自己資本比率

83.5%

前期末89.2%

ハイライト

  • 売上高は3,119百万円(前期比+51.2%)。売上原価が1,244百万円(前期548百万円)に増え、売上総利益率は60.1%(前期73.4%、当社試算)に低下。販管費も1,415百万円(+30.3%、当社試算)に増え、営業利益は459百万円(+7.3%)、営業利益率は14.7%(前期20.8%)。当期純利益は345百万円(+15.7%)、1株当たり72.37円
  • エンジニアの積極採用で期末のエンジニアは93名(+27.4%)、営業・管理部門は46名(+27.8%)。製造費用に含まれるエンジニアの人件費は910百万円(+20.0%)、販管費の営業・管理部門の人件費は517百万円(+26.9%)となった
  • AI事業は売上高2,362百万円(+17.9%)で、うちフロー型(AIエンジン・システム開発)が1,723百万円(+15.4%)、ストック型(運用・サポート)が639百万円(+25.2%)。電力分野は予算規模の大きい電力会社からの継続受注や本番導入開発で1,407百万円(+22.0%)とAI事業の約6割を占めた。製造・運輸分野は配船計画の本番導入が完了し保守に移ったことで477百万円(△15.4%)、都市・交通分野は鉄道会社案件が堅調
  • 当期から報告セグメントに加えたインフラアセット事業は、第4四半期に系統用蓄電所の開発に着手し、電力系統接続申請の支援も売上計上して、売上高756百万円、セグメント利益100百万円となった
  • 財政状態は、総資産5,135百万円(前期末比+718百万円)、純資産4,291百万円、自己資本比率83.5%(前期末89.2%)。契約資産が1,305百万円(前期末640百万円)に増え、営業キャッシュ・フローは28百万円の支出(前期は405百万円の収入)。現金及び現金同等物は2,849百万円
  • 2027年6月期の予想は、売上高4,500百万円(+44.3%)、営業利益600百万円(+30.6%)、経常利益610百万円(+30.8%)、当期純利益400百万円(+15.9%)、1株当たり82.83円。会社は、AI開発案件は順調な一方、蓄電所開発案件は大型資材の納入時期の影響で第1四半期の売上高・営業利益が一時的に低水準になる見込みとしている
  • 配当は無配を継続する予想。決算説明会(機関投資家・アナリスト向け)を実施

財政状態

総資産

5,135百万円

純資産

4,291百万円

自己資本比率

83.5%

現金及び現金同等物

2,849百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益当期純利益
2027年6月期 通期予想4,500百万円+44.3%600百万円+30.6%610百万円+30.8%400百万円+15.9%

注目ポイント

売上は5割増えたが、営業利益は7%増にとどまった。本業のAI事業は、電力会社からの継続受注で2割近く伸び、運用・保守のストック型売上も25%増と着実に積み上がっている。売上を大きく押し上げたのは、第4四半期に始めた系統用蓄電所の開発で、7億円超の売上を一気に計上した。

利益の伸びが鈍いのは、全体の粗利率が下がったこと(原価率の高い蓄電所開発の比重が高まったためとみられる、当社推定)と、エンジニアを3割近く増やすなど人への先行投資を続けているためだ。データセンターや半導体工場の新増設で電力需要の拡大が見込まれるなか、電力需給の最適化と蓄電所の両面で事業機会を取り込もうとしている。

来期も売上4割増、営業利益3割増を見込むが、蓄電所案件は資材の納入時期で四半期ごとの業績が大きくぶれ、第1四半期は一時的に低水準になると会社自身が予告している。契約資産が倍増し、営業キャッシュ・フローはマイナスに転じており、案件の進捗と代金回収のペースにも注意したい。

出典:株式会社グリッド「2026年6月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」(2026年8月14日開示)

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