決算ノート
6038東証Webメディア運営(ネット広告、データ・コンテンツ提供、メディア向けシステム)、リサーチ

2026年6月期 通期 決算サマリー

サマリー

多数のWebメディアを運営するイード(連結)の2026年6月期(2025年7月〜2026年6月)は、ネット広告売上が回復傾向となった一方、高利益率の広告商材の売上が大きく減り、パズル雑誌事業からの撤退やリサーチの大型案件の減少も響いて、売上高が前期比2.2%減の59億52百万円、営業利益が同50.8%減の2億26百万円となった。税金費用の減少で、親会社株主に帰属する当期純利益は同1.1%増の3億11百万円。子会社エンファクトリーの全株式を2026年9月1日付で譲渡し特別利益を見込むことから、今期の業績予想は未定とした。

売上高

5,952百万円

△2.2%

営業利益

226百万円

△50.8%

経常利益

273百万円

△39.7%

親会社株主に帰属する当期純利益

311百万円

+1.1%

売上総利益率

43.1%

前期45.3%(当社試算)

自己資本比率

77.4%

前期末72.9%

ハイライト

  • 売上高は5,952百万円(前期比△2.2%)、営業利益は226百万円(△50.8%)で営業利益率3.8%(前期7.6%)。投資事業組合運用益19百万円などで経常利益は273百万円(△39.7%)。法人税等調整額が△126百万円となり法人税等合計が△67百万円となったことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は311百万円(+1.1%)、1株当たり63.55円
  • クリエイタープラットフォーム事業は売上高5,491百万円(△1.4%)、セグメント利益275百万円(△37.3%)。ネット広告売上は1,676百万円(+10.5%)と回復傾向だったが、高利益率商材の売上が大きく減った。データ・コンテンツ提供売上は2,506百万円(+0.2%)で、EC物販が一時的な要因で減った。出版ビジネスはパズル雑誌事業からの撤退で255百万円(△44.1%)、システム売上は1,081百万円(△4.1%)
  • クリエイターソリューション事業(リサーチ)は、主要顧客の自動車業界などの大型案件受注が回復せず、売上高461百万円(△10.5%)、セグメント損失49百万円(前期は20百万円の利益)
  • 会社は、生成AIやAI検索の普及でネットメディア業界のユーザー行動が変化し、検索流入に依存したビジネスモデルの見直しが進んでいるとし、生成AIの活用による業務改革と、ネット広告への依存度を下げる収益ポートフォリオの構築を進めている
  • 財政状態は、総資産6,356百万円(前期末比+104百万円)、純資産5,012百万円、自己資本比率77.4%(前期末72.9%)。子会社株式の取得や事業譲受でのれんが155百万円増え、現金及び預金は497百万円減った。営業CFは153百万円の収入(前期491百万円)、現金及び現金同等物は3,098百万円
  • 2026年8月14日、連結子会社エンファクトリーの全株式の譲渡を決議した。2026年9月1日付で連結から外れ、特別利益の計上を見込む。影響額を事業ポートフォリオ再構築の影響と併せて精査中のため、2027年6月期の業績予想は未定とした。譲渡で得る資金は、M&Aを含む成長投資と株主還元に配分し、自己株式取得も有力な選択肢として検討するとしている
  • 年間配当は23円(前期22円)。当期からDOE(株主資本配当率)の目安を2.0%から2.5%に引き上げた。今期は24円を予想

財政状態

総資産

6,356百万円

純資産

5,012百万円

自己資本比率

77.4%

現金及び現金同等物

3,098百万円

注目ポイント

多くのWebメディアを運営する同社は、営業利益が半減した。ネット広告の売上自体は1割伸びたものの、利益率の高い広告商材が大きく落ち込み、雑誌事業からの撤退や自動車業界向けリサーチの不振も重なった。最終利益は税金費用の減少で前期並みを確保した。

背景には、生成AIやAI検索の広がりでネット利用者の情報の集め方が変わり、検索からの流入に頼るメディアの収益モデルが揺らいでいることがある。会社はネット広告に頼らない収益源づくりを急いでいる。

会社は子会社エンファクトリーの売却を決め、今期の業績予想を未定とした。売却資金を買収や自社株買いにどう振り向けるかと、事業の組み替え後の収益力が注目点となる。

出典:株式会社イード「2026年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月14日開示)

この要約は運営者が原資料をもとに作成したものです。内容の正確性を保証するものではなく、投資判断は必ず原資料をご確認のうえご自身の責任で行ってください。本サイトの内容は投資勧誘を目的としたものではありません。