2027年1月期 中間期 決算サマリー
サマリー
お墓・仏壇・葬儀などの終活関連サービスを展開する鎌倉新書の2027年1月期中間期は、介護事業(売上高+59.2%)、官民協働事業(同+34.1%)、葬祭事業(同+20.8%)が伸び、売上高が前年同期比14.4%増の45億96百万円、 営業利益が同35.3%増の7億99百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同38.4%増の5億31百万円と2桁の増収増益となった。売上総利益率は53.5%から56.4%に上昇し、営業利益率も14.7%から17.4%に改善。 通期予想(売上高105億円、営業利益17億円)は据え置きで、売上は下期に前年同期比で約37%(当社試算)の伸びが必要となる。
売上高
4,596百万円
+14.4%調整後EBITDA
995百万円
+37.0%営業利益
799百万円
+35.3%経常利益
808百万円
+37.0%親会社株主に帰属する中間純利益
531百万円
+38.4%売上高営業利益率
17.4%
+2.7pt(前年同期14.7%、当社試算)ハイライト
- 売上の伸びを牽引したのは新規領域で、介護事業の売上高が前年同期比+59.2%、官民協働事業(全国の地方自治体との取り組み)が同+34.1%、従来からの葬祭事業も同+20.8%と堅調。会社は、お墓・仏壇・葬儀に加え、相続・不動産等のアセットマネジメント、介護、官民協働を組み合わせて「終活インフラ」の構築を目指すとしている。事業は終活事業の単一セグメントのため、セグメント別の数値は短信にない
- 売上総利益は2,591百万円(前年同期2,150百万円)で売上総利益率は56.4%(同53.5%、当社試算)に上昇。販管費は1,791百万円(同1,559百万円、+14.9%)で、売上の伸び(+14.4%)とほぼ同じペースで増えたが、粗利の改善が営業利益の伸びにつながった。営業外収益は保険解約返戻金7.6百万円や受取利息5.0百万円などで16.0百万円、営業外費用は7.1百万円で、経常利益は808百万円
- 親会社株主に帰属する中間純利益は531百万円(前年同期384百万円)。法人税等は251百万円(前年同期199百万円)で、税金等調整前中間純利益に対する負担率は約31%(前年同期約34%、当社試算)。非支配株主に帰属する中間純利益は22百万円(前年同期は0.8百万円の損失)と、一部の子会社の利益が増えた。1株当たり中間純利益は12.90円(前年同期10.36円)、潜在株式調整後は12.80円。期中平均株式数は41,194,972株で、前年同期(37,075,474株)から約11%増えている
- 財政状態は、総資産7,711百万円(前期末比△389百万円)、純資産6,078百万円、自己資本比率75.1%(前期末と同じ)。配当金の支払い(824百万円、1株20円)で現金及び預金が3,624百万円(同△580百万円)に減った。ソフトウエア(増加166百万円)やのれん(増加26百万円)など無形固定資産は1,306百万円(同+169百万円)に増えた。保証履行引当金は242百万円(同△64百万円)、責任準備金は191百万円(同△15百万円)
- 営業CFは473百万円の収入(前年同期663百万円)で、法人税等の支払い233百万円が響いた。投資CFは、無形固定資産の取得243百万円や有形固定資産の取得34百万円に対し、保険積立金の解約による収入97百万円などがあり172百万円の支出(前年同期は事業譲受307百万円を含め513百万円の支出)。財務CFは配当金の支払い824百万円などで882百万円の支出。現金及び現金同等物は3,614百万円(前期末4,194百万円)
- 【企業結合】2026年7月6日に樹木葬・納骨堂事業を営む株式会社366の株式100%を現金対価で取得し、連結範囲に加えた(取得原価168千円)。のれんは66.5百万円(5年償却)で、引き受けた負債116百万円が受け入れた資産50百万円を上回っている。2026年2月には連結子会社エイジプラスが孫会社ユウテル(介護施設あっせん)を吸収合併し、介護事業の「オンライン・オフライン両方でNo.1の紹介プラットフォーム」を目指す体制に統合した。連結への貢献は2026年7月の1か月分のみで、影響額の概算は短信に記載がない
- 【要確認】通期予想(売上高10,500百万円+26.0%、調整後EBITDA 2,075百万円+25.5%、営業利益1,700百万円+46.3%、経常利益1,690百万円+45.0%、純利益1,100百万円+43.8%、1株当たり26.70円)は2026年3月12日公表から修正なし。中間期の進捗は売上高43.8%、営業利益47.0%、純利益48.3%。下期は売上高約5,904百万円で、前期通期を予想の伸び率から逆算した前年同期の下期(約4,316百万円)に対して約+37%、営業利益は約901百万円で同じく約+58%の伸びが必要(いずれも当社試算)。中間期の伸び率(売上+14.4%、営業利益+35.3%)より大きく加速する計画で、その根拠は短信に記載がない
- 配当は2027年1月期の期末配当予想が20円(前期も20円)。決算補足説明資料は「有」だが今回未添付、機関投資家・アナリスト向け説明会は開催有り
財政状態
総資産
7,711百万円
純資産
6,078百万円
自己資本比率
75.1%
現金及び預金
3,624百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年1月期 通期予想(修正なし) | 10,500百万円(進捗43.8%)+26.0% | 1,700百万円(進捗47.0%)+46.3% | 1,690百万円+45.0% | 1,100百万円(進捗48.3%)+43.8% |
注目ポイント
売上・利益とも2桁の伸びで、粗利率の改善によって営業利益が売上を大きく上回るペース(+35.3%)で伸びた堅調な中間期である。伸びの中心は、介護事業(+59.2%)や官民協働事業(+34.1%)といった新規領域で、従来の葬祭事業も約2割増と、複数の事業が同時に伸びている点が特徴といえる。
もう一つの特徴は、財務の安定と積極的な株主還元である。自己資本比率は75%で借入もほとんどなく、現金は約36億円。1株20円の配当(約8億円)を支払ってもなお現金は厚く、無形固定資産(ソフトウエアなど)への投資も続けている。
注意点は通期予想の達成ペースである。上期は売上+14.4%だったが、通期予想(+26.0%)を達成するには下期に前年同期比で約37%の伸びが必要になる(当社試算)。7月に子会社化した株式会社366(樹木葬・納骨堂)の寄与や、介護・官民協働の一段の拡大が前提とみられるが、短信に根拠の記載はない。下期の売上成長が加速するかが、次回の決算の焦点である。