2026年12月期 第2四半期(中間期) 決算サマリー
サマリー
国産の産業用ドローンを手がけるACSL(連結)の2026年12月期中間期(2026年1〜6月)は、北米での小型空撮機「SOTEN」の販売拡大で売上高が前年同期比68.9%増の16億48百万円となり、営業損失は3億75百万円(前年同期は7億54百万円の損失)に縮小した。前年同期にあった国家プロジェクトの助成金収入がなく、経常損失は3億61百万円、親会社株主に帰属する中間純損失は3億58百万円。通期の売上高予想40億円は据え置き、非上場株式の売却益3億96百万円を見込んで純損失予想を7億円から6億円に縮小した一方、経常損失予想は6億50百万円から9億50百万円に広げた。
売上高
1,648百万円
+68.9%営業利益赤字
△375百万円
前年同期△754百万円経常利益赤字
△361百万円
前年同期△45百万円親会社株主に帰属する中間純利益赤字
△358百万円
前年同期△271百万円Q2末受注残
13.1億円
自己資本比率
46.6%
前期末29.1%ハイライト
- 売上高は1,648百万円(前年同期比+68.9%)。北米事業の売上が大幅に拡大した。決算説明資料によると、製品ミックスや原価低減で売上総利益率は33.2%に改善し、中間期末の受注残は13.1億円(売上高との合計29.6億円)。防衛省向けに小型空撮機の大型案件を受注し、下期に納入・売上計上する予定
- 営業損失は375百万円(前年同期は754百万円の損失)。国家プロジェクト(SBIR事業)の研究開発費219百万円を含む。前年同期に計上した助成金収入815百万円がなく、経常損失は361百万円、親会社株主に帰属する中間純損失は358百万円
- 2026年6月29日付の中国商務部公告で同社が『注視リスト』に掲載され、中国からの一部の両用品目の輸出審査が厳格化される。会社は代替調達や設計変更を進めており、当面の事業運営への重大な影響は見込んでいないとしている
- 米国ではNDAA(国防授権法)への準拠と必要認証の取得を強みにSOTENの販売を広げ、カナダでも販売代理店網の構築を始めた。NEDOのK Programでは自律制御・分散制御技術の研究開発を進めている
- 【修正】8月14日に通期予想を修正した。売上高4,000百万円(前期比+53.9%)と営業損失1,360百万円は据え置き、売上総利益を850百万円から1,100百万円に引き上げる一方、サプライチェーン強化などで販管費も増やした。助成金の収益認識時期の見直しで経常損失を650百万円から950百万円に広げ、7月31日に売却した非上場株式1銘柄の売却益396百万円(第3四半期に特別利益計上見込み、7月29日公表)を織り込み、純損失を700百万円から600百万円に縮小した
- 財政状態は、総資産6,095百万円、純資産2,962百万円、自己資本比率46.6%(前期末29.1%)。転換社債型新株予約権付社債の転換と新株予約権の行使で株式発行収入1,268百万円を得た。現金及び預金は2,885百万円(前期末2,018百万円)
- 中期経営方針では、売上高50億円以上で国家プロジェクトを除く営業利益の黒字化をめざしている。修正後の通期予想に対する売上高の進捗率は41.2%(当社試算)
財政状態
総資産
6,095百万円
純資産
2,962百万円
自己資本比率
46.6%
現金及び預金
2,885百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年12月期 通期予想(8月14日修正) | 4,000百万円(据え置き)+53.9% | △1,360百万円(据え置き) | △950百万円(従来△650百万円) | △600百万円(従来△700百万円) |
注目ポイント
北米での販売拡大で売上は7割近く増え、採算も改善した。米国では中国製ドローンの政府調達が禁じられ、外国製ドローンの新規認証も制限されるなか、国産で規制に適合する同社の小型空撮機に需要が向かっている。防衛省向けでも3年連続で大型案件を受注した。
一方で、中国当局の『注視リスト』に載ったことで、一部部材の調達に影響が出るおそれがある。会社は当面の重大な影響はないとしているが、サプライチェーン対策の費用は販管費の増加として予想に織り込まれた。
通期予想の純損失縮小は株式売却益によるもので、本業の営業赤字予想は変えていない。下期に防衛省向けの大型案件の納入と北米の追加受注で売上40億円を達成できるかが、黒字化に向けた道筋を占う材料になる。