2026年7月期 決算サマリー
サマリー
ふるさと納税事業「ふるなび」やインターネット広告を展開するアイモバイルの2026年7月期は、コンシューマ事業(ふるなび)が売上高195億38百万円(前期比+2.5%)、セグメント利益41億1百万円(同+2.0%)と過去最高を更新し、 連結売上高が同2.9%増の221億46百万円、営業利益が同1.1%増の41億77百万円、経常利益が同5.1%増の42億77百万円となった。一方、インターネット広告事業はアドネットワークの不振で利益が半減し、 法人税等調整額の増加などで親会社株主に帰属する当期純利益は同2.3%減の28億90百万円。資産・負債が急拡大し、預り金が110億円増えたことで自己資本比率は59.3%から47.0%に低下した。
売上高
22,146百万円
+2.9%営業利益
4,177百万円
+1.1%経常利益
4,277百万円
+5.1%親会社株主に帰属する当期純利益
2,890百万円
△2.3%売上高営業利益率
18.9%
△0.3pt(前期19.2%)ハイライト
- コンシューマ事業(ふるさと納税「ふるなび」、トラベル、レストランPR、ポイントサービス)は、売上高19,538百万円(前期比+2.5%)、セグメント利益4,101百万円(同+2.0%)。TVCM等の新規顧客獲得プロモーションと決済サービスの拡充で寄附受付金額・売上高が過去最高。第1四半期に会員基盤拡大の機会を捉えた戦略的プロモーション投資を行い販促費が計画を上回ったが、第2四半期以降は費用の適正化が進み、利益率が改善した。決済サービス「ふるなびマネー」の利用も拡大している。市場では、2025年度のふるさと納税受入額が前年度比+4.6%の1兆3,314億円、控除適用者数が同+6.5%の約1,151万人と過去最高だが、利用率は18.5%にとどまり、成長は「より安定的な局面」に移行しつつあると会社は見ている
- インターネット広告事業(アドネットワーク、インフルエンサーマーケティング、メディアソリューション、アプリ運営)は、売上高2,316百万円(同△4.0%)、セグメント利益74百万円(同△51.4%)。アドネットワークでの大口顧客の予算縮小や、アドネットワーク型広告市場の成長鈍化の影響が大きく、複数プロダクトを組み合わせたソリューション提供や新たな収益モデルの開発で事業構造の再構築を進めている。「アドネットワークOEM」の新規導入や、インフルエンサー向け「ブランドレーダー」の機能強化などに取り組んだ
- グリーンエネルギー事業では、営農型・野立ての太陽光発電所が期中に29か所稼働し、稼働中は計51か所。2025年11月に系統連系した系統用蓄電池は、2026年3月から需給調整市場に参入し、収益に貢献。子会社ふるなび電力(2025年6月に小売電気事業を開始)は、ふるさと納税でも電気料金を支払える家庭向け低圧料金プランの契約獲得が進む。有形固定資産が1,084百万円から3,998百万円に増え(機械及び装置1,751百万円、建設仮勘定1,701百万円)、設備投資は有形固定資産の取得3,289百万円。同事業の売上・利益は短信で個別開示されていない(【要確認】)
- 売上総利益は21,926百万円(前期21,500百万円)、販管費は17,749百万円(同17,367百万円、+2.2%)。ふるさと納税事業のプロモーション費用が引き続き減少し、同事業の利益が改善した。経常利益は営業利益を100百万円上回り、営業外収益に受取利息60百万円などがある。当期純利益が減益なのは、前期に特別利益252百万円(投資有価証券売却益239百万円など)があったのに対し当期はなく、特別損失(減損損失170百万円)が続いたことに加え、法人税等が1,217百万円(前期1,167百万円、負担率約30%、前期約28%)と法人税等調整額が+455百万円(前期は△197百万円)になったため
- 【要確認】バランスシートが急拡大した。総資産は36,226百万円(前期末比+8,961百万円)、負債は19,128百万円(同+8,084百万円)で、預り金が4,769百万円から15,822百万円へ+11,053百万円、未収入金が139百万円から4,766百万円へ+4,626百万円に膨らんだ。預り金は現金及び預金21,473百万円の約74%(当社試算)に相当するが、内訳・性格(寄附金の預りなどとみられる)は短信に記載がない。自己資本比率は47.0%(前期末59.3%)に低下。一方、販売促進引当金は2,944百万円から1,238百万円へ減った
- 営業CFは7,442百万円の収入(前期4,816百万円)だが、預り金の増加11,052百万円が大きく押し上げており、未収入金の増加△4,645百万円、販売促進引当金の減少△1,706百万円、法人税等の支払い△1,437百万円がこれを相殺している。投資CFは有形固定資産の取得3,289百万円、有価証券の取得999百万円、定期預金の払戻し1,500百万円などで2,862百万円の支出。財務CFは配当金1,456百万円と自己株式の取得502百万円で1,946百万円の支出。現金及び現金同等物は19,973百万円(前期末17,496百万円)。期中に子会社(株式会社サイバーコンサルタント)を連結から除外し、現金同等物は158百万円減少
- 株主還元は、配当が期末27円(前期26円)、配当性向52.3%。2024年7月期から2027年7月期までの4年間は配当性向50%を目安とする配当に、機動的な自己株式取得を加えた総還元を行う方針で、当期は2026年6月12〜30日に1,009,700株・502百万円を取得(上限1,200,000株・700百万円)。来期配当予想も27円(普通配当20円と創業20周年記念配当7円)。【重要な後発事象】2026年8月24日決議で第2回・第3回有償新株予約権と第5回無償新株予約権を発行(9月9日割当)、8月31日にシンジケートローン方式のコミットメントライン契約を締結。いずれも詳細は別の適時開示で、短信に金額・条件の記載はない
- 【要確認】2027年7月期の予想は、売上高22,200百万円(+0.2%)、営業利益4,500百万円(+7.7%)、経常利益4,530百万円(+5.9%)、純利益3,140百万円(+8.6%)、1株当たり57.00円。詳細は同日開示の決算説明資料(今回未添付)とされている。決算説明会は2026年9月11日に証券アナリスト・機関投資家向けに開催予定
財政状態
総資産
36,226百万円
純資産
17,098百万円
自己資本比率
47.0%
現金及び預金
21,473百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年7月期 通期予想 | 22,200百万円+0.2% | 4,500百万円+7.7% | 4,530百万円+5.9% | 3,140百万円+8.6% |
注目ポイント
利益の柱はふるさと納税の「ふるなび」で、売上・利益とも過去最高を更新した。営業利益の伸びは+1.1%と小幅だが、これは前期並みの高水準を維持したもので、営業利益率は18.9%と高い。第1四半期に会員基盤拡大のためのプロモーション投資を行い、その後費用を適正化して利益率を戻した点がこの期の中身である。一方、インターネット広告事業は売上が微減、利益は半減しており、事業構造の再構築が続く。
純利益が減益になったのは、前期に特別利益があったことと、法人税等調整額の増加で税負担が重くなったことが主因で、本業の悪化ではない。また、財務は様変わりした。預り金が110億円増えて総資産が約3割膨らみ、営業CFの大幅な黒字もこの預り金の増加に大きく依存している。会社の現金は、預り金の約4分の3に相当する規模であり、自己資本比率は約12ポイント低下した。預り金の性格は短信に説明がなく、次回以降の開示で確認したい。
成長投資としては太陽光発電所(計51か所)と系統用蓄電池が動き出しており、有形固定資産は約3.7倍に増えた。ただ、グリーンエネルギー事業の収益貢献の大きさは短信に数値がない。来期予想は営業利益+7.7%と伸びを見込み、配当は27円を継続する。8月に発行した新株予約権とコミットメントライン契約の条件も、資金調達の方向性として注目される。