2026年12月期 第2四半期(中間期) 決算サマリー
サマリー
小型モーター大手のマブチモーター(連結)の2026年12月期中間期(2026年1〜6月)は、自動車のパワーシートやパワーウインドウ用の受注拡大、M&Aで加わった企業の連結、円安効果で、売上高が前年同期比12.1%増の1,063億84百万円、営業利益が同8.5%増の131億47百万円となった。為替差損益の改善で経常利益は同63.3%増、親会社株主に帰属する中間純利益は同41.9%増の126億93百万円。上期に日本パルスモーターと食品機械のマスダックを相次いで買収した。通期予想と配当予想を修正し、年間配当は過去最高の70円(株式分割後)とした。
売上高
106,384百万円
+12.1%営業利益
13,147百万円
+8.5%経常利益
18,891百万円
+63.3%親会社株主に帰属する中間純利益
12,693百万円
+41.9%営業利益率
12.4%
前年同期12.8%(当社試算)自己資本比率
84.1%
前期末90.3%ハイライト
- 売上高は106,384百万円(前年同期比+12.1%)。売価・プロダクトミックスの改善と円安(上期実績1ドル158.18円)がコストアップを上回り、営業利益は13,147百万円(+8.5%)。営業利益率は12.4%(前年同期12.8%、当社試算)で、M&Aに伴い販管費は19,380百万円(+19.3%、当社試算)に増えた
- 前年同期の為替差損2,905百万円が為替差益2,830百万円に転じ、経常利益は18,891百万円(+63.3%)。親会社株主に帰属する中間純利益は12,693百万円(+41.9%)、1株当たり51.84円(2026年1月1日の1株→2株の株式分割を反映)
- 用途別では、自動車電装機器市場が売上高82,068百万円(+11.8%)。中型電装はEPB(電動パーキングブレーキ)用が減ったものの、パワーシート、パワーウインドウ、バルブ用が受注拡大で大幅に増えた。小型電装もミラー、エアコンダンパー用が増えた。ライフ・インダストリー機器市場は売上高24,308百万円(+13.2%)。理美容用は採算重視の受注絞り込みで微減、健康・医療用は一部顧客の在庫調整で減少したが、M&Aによる連結効果と円安で全体では増えた
- M&Aを積極化。1月に精密小型モーターやモーションコントロールの日本パルスモーター(現マブチモーターNPM)を現金6,517百万円で、6月には全自動どら焼き機などの食品機械と菓子のOEM製造を手がけるマスダックを現金15,500百万円で、いずれも全株式取得した。のれんは暫定でそれぞれ944百万円、7,797百万円。マスダックは貸借対照表のみの連結で、上期の損益には含まれていない
- 財政状態は、総資産408,643百万円(前期末比+38,479百万円)、純資産343,861百万円、自己資本比率84.1%(前期末90.3%)。棚卸資産が15,743百万円、のれんを含む無形固定資産が8,651百万円増え、現金及び預金は9,326百万円減った。短期借入金が10,404百万円、長期借入金が4,649百万円増えた
- 通期予想を修正し、売上高225,000百万円(前期比+12.3%)、営業利益26,500百万円(+4.1%)、経常利益31,300百万円(△10.8%)、純利益22,200百万円(△15.5%)とした。中間期の進捗は売上高47.3%、営業利益49.6%、経常利益60.4%、純利益57.2%(当社試算)。下期の前提為替レートは1ドル155円
- 【要確認】業績予想の修正の有無は「有」だが、修正前の予想値と修正の方向(上方・下方)は短信に記載がない
- 配当予想も修正し、中間35円・期末35円の年70円(過去最高を更新)。2025年12月期の年106円は株式分割前の金額で、分割後に換算すると年53円(当社試算)
財政状態
総資産
408,643百万円
純資産
343,861百万円
自己資本比率
84.1%
現金及び預金
134,078百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年12月期 通期予想(修正後) | 225,000百万円(進捗47.3%)+12.3% | 26,500百万円(進捗49.6%)+4.1% | 31,300百万円(進捗60.4%)△10.8% | 22,200百万円(進捗57.2%)△15.5% |
注目ポイント
主力の自動車向けモーターは、パワーシートやパワーウインドウ用の受注拡大が進み、円安も追い風となって増収増益を確保した。経常利益の大幅増は、前年の為替差損が差益に転じた影響が大きい。
上期で目を引くのはM&Aの加速だ。精密モーターの日本パルスモーターに続き、どら焼き機などの食品機械と菓子のOEM製造を手がけるマスダックを約155億円で買収した。小型直流モーター専業から、「動き」全般のソリューションへと事業を広げる経営計画2030の一環で、マスダックの業績は下期から損益に加わる。
買収資金の一部は借入金でまかない、自己資本比率は90%から84%に下がったが、財務の健全性は依然として高い。通期予想を修正したが修正前の数値は短信にない。年間配当は分割後ベースで実質的に大きく増やし、過去最高の70円とする。下期は円高方向の為替前提(155円)の下で、買収した事業の収益化が問われる。