決算ノート
6654東証電気制御機器(制御用開閉器、端子台・コネクタなどの接続機器、表示灯・表示器、電子応用機器)の製造加工・販売

2027年1月期 第2四半期(中間期) 決算サマリー

サマリー

端子台やコネクタ、制御用開閉器などの電気制御機器を手がける不二電機工業(非連結)の2027年1月期中間期(2026年2〜7月)は、売上高が前年同期比3.3%増の19億72百万円だったが、材料費高騰で製造原価が増え、営業利益は36.1%減の87百万円、中間純利益は19.0%減の93百万円となった。 一方、受注高は16.7%増、受注残高は26.6%増の13億93百万円と積み上がっている。通期予想は据え置きで、下期の売上・営業利益を上期より大きく引き上げる計画(当社試算)。

売上高

1,972百万円

+3.3%

営業利益

86百万円

△36.1%

経常利益

124百万円

△22.0%

中間純利益

92百万円

△19.0%

接続機器の売上高

919百万円

+8.3%

受注高

2,237百万円

+16.7%

受注残高

1,392百万円

+26.6%

自己資本比率

91.2%

前期末92.5%

ハイライト

  • 売上高は19億72百万円(+3.3%)だが、材料費の高騰で売上原価が13億84百万円(+8.5%)に増え、売上総利益は5億87百万円(△7.1%)、売上総利益率は29.8%(前年同期33.1%、当社試算)に低下した。販管費は5億00百万円(+0.8%)で、営業利益は87百万円(△36.1%)、営業利益率は4.4%(同7.1%)。会社は、営業活動として国内では重電機器・一般産業・電鉄・車両業界、海外ではアジアや中東各国に重点を置いたと説明する
  • 営業外収益は42百万円(前年同期26百万円)で、受取配当金が24百万円(同13百万円)、受取利息が7百万円(同5百万円)。前年同期にあった投資事業組合運用益4百万円は、今期は運用損3百万円。営業外費用は4百万円(同2百万円)。経常利益は1億25百万円(△22.0%)で、営業利益との差は約38百万円(前年同期約24百万円)に広がった。法人税等は32百万円(負担率25.6%、前年同期28.4%、当社試算)、中間純利益は93百万円(△19.0%)、1株当たり中間純利益は17.89円(同21.41円)
  • 製品別の売上高は、制御用開閉器が5億41百万円(△3.6%、鉄道車両用スイッチが増えたが補助スイッチが減少)、接続機器が9億19百万円(+8.3%、汎用端子台、サージアブソーバー端子台、コネクタが増加)、表示灯・表示器が2億46百万円(+8.7%、各種表示器・集合表示灯が増加)、電子応用機器が2億64百万円(+3.1%、I/Oターミナルが減少したがテレフォンリレーや表示モジュールが増加)、その他が0百万円(△95.9%)。電気制御機器の製造加工・販売が売上高の90%超を占めるためセグメント情報は記載していない
  • 受注高は22億38百万円(+16.7%)、受注残高は13億93百万円(+26.6%)で、売上高を約2.6億円上回る受注があり、残高が積み上がった(受注高−売上高、当社試算)。製品別の受注高は、制御用開閉器5億96百万円(+14.0%)、接続機器10億21百万円(+17.8%)、表示灯・表示器2億72百万円(+27.6%)、電子応用機器3億25百万円(+12.4%)。受注残高は接続機器が4億55百万円(+55.7%)、表示灯・表示器が2億26百万円(+34.7%)と伸びが大きい。生産実績は20億57百万円(+4.6%)
  • 販売形態別は、国内販売17億97百万円(+4.9%)、海外販売1億75百万円(△10.3%)で、海外売上比率は8.9%。海外の販路別は、アジア1億19百万円(68.0%)、中東23百万円(13.3%)、その他33百万円(18.7%)。会社は、中東地域の地政学リスクの高まりや米国の通商政策による経済の下振れリスクが懸念され、先行きは不透明としている
  • 財政状態は、総資産116億58百万円(前期末比+3億76百万円)、純資産106億35百万円(同+1億93百万円)、自己資本比率91.2%(前期末92.5%)。現金及び預金が+3億17百万円(41億08百万円)、有価証券が+1億89百万円(2億99百万円)、投資有価証券が+3億57百万円(19億50百万円)に増えた一方、受取手形及び売掛金が△4億19百万円(6億27百万円)、電子記録債権が△1億85百万円。棚卸資産は製品2億46百万円、仕掛品4億84百万円、原材料6億96百万円で合計14億26百万円(前期末12億70百万円)。現金及び預金、有価証券、投資有価証券の合計は約64億円で総資産の約55%(当社試算)。負債は10億22百万円(同+1億82百万円)で、買掛金が+79百万円、退職給付引当金が+22百万円、繰延税金負債が+80百万円。借入金は短期借入金1億20百万円のみ。純資産は、利益剰余金が+9百万円、その他有価証券評価差額金が+1億79百万円
  • 【要確認】キャッシュ・フローは、営業活動が7億75百万円の収入(前年同期2億68百万円、+189.4%)で、税引前利益1億24百万円、減価償却費1億08百万円、売上債権の減少6億04百万円に対し、棚卸資産の増加△1億55百万円、法人税等の支払い△10百万円。投資活動は3億78百万円の支出(同4億68百万円)で、有価証券の取得△2億円、償還+1億10百万円、投資有価証券の取得△2億円、有形固定資産の取得△89百万円(金型投資を含む)。定期預金は預入・払戻ともに28億円で、現金及び現金同等物9億08百万円には含まれない。財務活動は配当△82百万円。通期予想は2026年3月10日公表から変更なし(売上高4,250百万円+12.5%、営業利益276百万円+11.2%、経常利益323百万円+6.5%、純利益224百万円+4.8%、1株当たり42.15円)。中間期の進捗は売上高46.4%、営業利益31.5%、経常利益38.7%、純利益41.5%で、下期に残る売上高は約22億78百万円(前期下期の約1.2倍)、営業利益は約1億89百万円(同約1.7倍)の計算(前期下期は予想の増減率から逆算、当社試算)。配当は中間16円、期末予想16円の年32円(前期と同額)

財政状態

総資産

11,657百万円

純資産

10,635百万円

自己資本比率

91.2%

現金及び預金

4,108百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益当期純利益
2027年1月期 通期予想(変更なし)4,250百万円(進捗46.4%)+12.5%276百万円(進捗31.5%)+11.2%323百万円(進捗38.7%)+6.5%224百万円(進捗41.5%)+4.8%

注目ポイント

売上は微増でも、材料費高騰で粗利率が33.1%から29.8%に下がり、営業利益は4割近く減った。販管費はほぼ横ばい(+0.8%)のため、減益の中身はほとんど原価の上昇である。経常利益の減り方(△22.0%)が営業利益より小さいのは、受取配当金など運用収益(営業外収益+16百万円)が下支えしたためで、本業の利益は薄くなっている。

一方、先行指標は悪くない。受注高が+16.7%、受注残高が+26.6%と積み上がり、特に接続機器の受注残は+55.7%である。財務も、借入金は短期1億20百万円のみ、自己資本比率は91.2%で、現預金・有価証券・投資有価証券が総資産の約55%を占める。

通期予想は据え置きで、下期は営業利益が前期下期の約1.7倍になる計算になる。受注残の積み上がりが計画を支えるかもしれないが、材料費高騰の価格転嫁や原価低減の見通しは短信に書かれていない。営業活動によるキャッシュ・フローが前年同期の約3倍になったのは売上債権の回収(6億円)が主因で、収益力の改善ではない点にも注意したい。

出典:不二電機工業株式会社「2027年1月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(非連結)」(2026年9月3日開示)

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