2027年1月期 中間期 決算サマリー
サマリー
フリーター・中退者向けの就職支援「就職カレッジ」や、大学と組む新卒支援、企業向け研修を展開するジェイックの2027年1月期中間期は、 売上高が前年同期比7.1%減の21億42百万円。主力の「New Career Business」の売上が23.0%減と落ち込み、営業損益は前年同期の115百万円の黒字から 125百万円の赤字へ転落した。親会社株主に帰属する中間純損益も143百万円の損失となった。一方、新卒支援と企業向け研修は増収で、上半期として過去最高の売上を記録した。 通期予想と期末配当55円は据え置いている。
売上高
2,142百万円
△7.1%EBITDA
△26百万円
前年同期は190百万円営業損失赤字
△125百万円
前年同期は営業利益115百万円経常損失赤字
△127百万円
前年同期は経常利益110百万円親会社株主に帰属する中間純損失赤字
△143百万円
前年同期は純利益63百万円ハイライト
- 事業別の売上高(短信)は、New Career Business(旧カレッジ事業)713百万円(前年同期比△23.0%)、First Career Business(旧新卒事業)825百万円(同+3.6%)、Human Growth Business等(旧教育研修事業)603百万円(同+3.5%)。構成比はそれぞれ33.3%、38.5%、28.2%。2023年1月期の2Qには60%を占めていたNew Career Businessへの依存が、31%まで下がった
- 【説明資料】New Career Businessの不振は、求職者の登録人数が23,284人から19,575人(△15.9%)に減ったことが起点。登録からの研修受講率は10.5%→10.6%とほぼ横ばいのため、研修受講人数は2,434人→2,080人(△14.5%)、雇用創出人数は899人→737人(△18.0%)と連鎖して減った。会社は要因を「アフィリエイト・リスティングなど旧来型の集客チャネルへの依存」「超売り手市場への対応の遅れ」とし、SNS等への集客チャネルの多様化、パーソナライズ化、研修とカウンセリングの強化を対応策に挙げる
- 【説明資料】First Career Businessは、就職支援実績校が204校(キャリア課145校+大学生協59校)に拡大し、採用単価も過去最高(2023年1月期上半期比150%)。ただし雇用創出数は370人(前年同期418人)に減少。キャリア課ルートは231人(前年同期224人)と増えた一方、大学生協ルートは登録学生数が1,957人→1,477人(△24.5%)、雇用創出数が194人→139人(△28.4%)と落ち込み、会社は「集客の改善が下半期の重要課題」としている
- 【説明資料】Human Growth Business等は2Q(5〜7月)の売上が四半期として初めて3億円を超え、過去最高。従業員2,500名超の大手企業向け売上は2024年1月期上半期の約3倍。キャリア相談プラットフォーム「Kakedas」の登録キャリアコンサルタントは5,005名で、Kakedas事業売上は前年同期比115%。ただし研修受注金額は294.7百万円(前年同期348.6百万円、△15.4%)に減り、会社は「通期では予算通りの進捗」と説明
- 【要確認】2Q(5〜7月)単独では、売上高1,132百万円(前年同期比△15%)、営業損益△47百万円(前年同期は200百万円の黒字)。1Q(2〜4月)は売上高1,009百万円(同+3%)、営業損益△77百万円(前年同期△84百万円)で、赤字幅は1Qから縮小したが、稼ぎ頭の2Qが黒字にならなかった点が響いた
- 販管費は1,835百万円(前年同期比+1.0%)と、売上が減る中でも横ばいで、販売促進費は380百万円(前年同期330百万円、+15.3%)に増加。売上総利益は1,710百万円(同△11.5%)で、売上総利益率は79.9%(前年同期83.9%)に低下
- 営業CFは298百万円の支出(前年同期は109百万円の収入)。長期借入で250百万円を調達し、借入金の返済162百万円、配当金の支払い51百万円を実施。現金及び預金は1,420百万円(前期末比△340百万円)に減少。有利子負債(1年内返済予定を含む長期借入金)は1,281百万円と現預金を約140百万円下回り、自己資本比率は30.6%(前期末34.2%)に低下。当座貸越・コミットメントライン690百万円は未使用
- 【説明資料】年間配当は期末55円(前期同額)の予定で、27/1期の配当性向は40.5%(前期39.1%)。会社の基本方針(年間配当性向25〜35%程度)を上回る水準。株主優待は100株以上の株主に7月末・1月末の年2回、QUOカード各2,000円分(年間4,000円分)
財政状態
総資産
2,887百万円
純資産
871百万円
自己資本比率
30.6%
現金及び預金
1,420百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | EBITDA | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2027年1月期 通期予想(修正なし) | 5,024百万円+12.3% | 404百万円+13.2% | 254百万円+25.1% | 240百万円+24.4% | 125百万円△3.3% |
注目ポイント
赤字転落の直接の原因は、主力だったNew Career Businessの失速である。求職者の集客が旧来型のチャネルに偏り、登録人数が減ったところに、獲得コストの上昇と超売り手市場への対応の遅れが重なった。一方で、新卒支援(First Career)と企業向け研修(Human Growth)は増収で、事業の柱を分散する方針は進んでいるが、まだ全体の減収と赤字を補うには至っていない。大学生協ルートの落ち込みなど、成長事業の中にも下半期に解決すべき課題が残る。
最も気になるのは通期予想との距離である。会社は売上高5,024百万円・営業利益254百万円の予想を修正していないが、上半期は売上高2,142百万円・営業損失125百万円。予想を達成するには、下半期で売上高2,882百万円、営業利益約379百万円が必要になり、前期の下半期の売上高(2,170百万円)と比べると約33%増の水準となる。通期の純利益予想(125百万円)に対する上半期の進捗は、純損失のため算出できない。集客チャネルの改善が数字に表れるか、次の3Q決算で確認したい。
財務面では、営業CFの赤字と借入の増加で現預金が減り、自己資本比率も30%台に低下した。配当は据え置きだが、配当性向は会社の基本方針を上回る水準にあるため、業績が計画を下回った場合の配当方針には注意が必要である。