決算ノート
7196東証家賃債務保証

2027年1月期 中間期 決算サマリー

サマリー

賃貸住宅の家賃債務保証を手がけるCasaの2027年1月期中間期は、事業用保証や高賃料帯契約の伸びで売上高が前年同期比6.0%増の67億26百万円となり、 貸倒引当金繰入額や訴訟・処分費用などの信用コストが減って売上総利益率が45.6%から49.1%に上昇した。営業損失は99百万円(前年同期は143百万円の損失)と縮小したが赤字は続き、 中間純損益は前年同期に関係会社株式売却益198百万円があった反動で、73百万円の利益から79百万円の損失に転じた。 通期予想(営業利益3億55百万円、黒字転換)は据え置きで、下期に約4億54百万円の営業利益が必要(当社試算)。

売上高

6,726百万円

+6.0%

EBITDA

204百万円

+30.2%

営業損失赤字

△99百万円

前年同期は△143百万円(損失縮小)

経常損失赤字

△62百万円

前年同期は△94百万円(損失縮小)

親会社株主に帰属する中間純損失赤字

△79百万円

前年同期は73百万円の利益

売上総利益率

49.1%

+3.5pt(前年同期45.6%、当社試算)

ハイライト

  • 事業基盤は代理店15,672社、保有契約714,736件。申込件数の拡大に加え、申込を承認・契約につなげる取り組みで承認率が前年同期比1.9pt改善し、承認件数は同+6.2%。新規契約件数は80,458件で、計画を236件上回った。事業用保証の契約金額は同+17.6%と成長を牽引し、高賃料帯契約の伸びで契約単価も上昇。保有契約の積み上げで継続保証料も増えた
  • 売上原価は3,420百万円(前年同期比△0.9%)と売上が伸びるなかで減少。紹介手数料は新規契約の増加で982百万円(同+20.0%)に増えた一方、訴訟・処分費用は673百万円(同△6.1%、訴訟件数と撤去件数が減少)、貸倒引当金繰入額は1,723百万円(同△4.2%)に減った。求償債権は6,549百万円(同+0.8%)で、保有契約の伸びを下回る増加にとどまった。会社は初期回収の強化や家賃支払い正常化に向けた交渉・対応判断の前倒しが奏功したと説明。貸倒引当金は3,690百万円で求償債権の約56%(当社試算、前期末も約56%)
  • 販管費は3,405百万円(前年同期比+12.1%)に増加した。債権管理の人員強化や契約事務の業務効率化に向けた投資が主因で、のれん償却額143.8百万円を含む。営業損失は99百万円(前年同期143百万円の損失)と縮小したが、売上総利益の増加(+413百万円)の大半を販管費の増加(+369百万円)が吸収した形。第2四半期3か月(5〜7月)だけを見ると営業利益は49.6百万円の黒字。会社は営業損失の幅が計画より125百万円小さかったと説明
  • 【要確認】中間純損益が黒字から赤字に転じたのは、前年同期に特別利益として関係会社株式売却益198.5百万円(当期は該当なし)を計上した反動が大きい。当期は固定資産除却損4.5百万円を特別損失に計上し、税金等調整前中間純損失は66.8百万円。損失にもかかわらず法人税等は12.2百万円の負担(法人税、住民税及び事業税291.7百万円に対し、法人税等調整額が279.5百万円の戻り)で、純損失は79百万円に膨らんだ
  • 財政状態は、総資産15,899百万円(前期末比+722百万円)、純資産6,345百万円、自己資本比率39.9%(前期末43.5%)。資産増は現金及び預金の増加(+566百万円)や繰延税金資産の増加(+296百万円)によるもので、負債は前受金が+723百万円、預り金が+493百万円、未払法人税等が+320百万円増える一方、短期借入金600百万円を全額返済して減った。配当金136百万円の支払いと純損失で純資産は252百万円減少
  • 営業CFは1,455百万円の収入(前年同期473百万円)と大きく増えたが、前受金の増加723百万円、預り金の増加493百万円、法人税等の還付124百万円が主因で、税金等調整前損失の中での改善。投資CFは無形固定資産の取得84百万円、投資有価証券の取得43百万円などで145百万円の支出、財務CFは短期借入金の返済600百万円と配当金136百万円で745百万円の支出。現金及び現金同等物は3,385百万円(前期末比+566百万円)
  • 【要確認】通期予想(売上高13,830百万円、EBITDA 990百万円、営業利益355百万円、経常利益426百万円、純利益187百万円)は2026年3月12日公表から修正なし。中間期の営業損失99百万円から、下期に営業利益約454百万円、純利益約266百万円が必要(当社試算)。会社は中間期の業績が計画を上回って推移していると説明する一方、信用コストには下期も一定の変動余地があり、営業体制強化・採用育成・業務標準化への投資は継続するとしている。下期偏重の計画で、信用コストの動向が鍵となる
  • COMPASS(自主管理オーナー向け)ではイベント開催や研究会・セミナーで接点を拡大し、賃貸経営を支援するWEBサービスOwnerWEBのリニューアルを計画通り進めている。養育費保証事業ではひとり親家庭への継続的な支援や体験型イベントを実施。配当は2027年1月期の期末配当予想が20円(前期15円)。決算補足説明資料は「有」だが今回未添付、機関投資家・アナリスト向け説明会は2026年9月11日に開催予定

財政状態

総資産

15,899百万円

純資産

6,345百万円

自己資本比率

39.9%

現金及び預金

3,385百万円

次期業績予想

決算期売上高EBITDA営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年1月期 通期予想(修正なし)13,830百万円(進捗48.6%)+8.4%990百万円+78.7%355百万円前期は営業損失(黒字転換)426百万円+837.9%187百万円+51.9%

注目ポイント

赤字は続いているものの、中身は改善している中間期である。売上は事業用保証などの伸びで6%増え、初期回収の強化などで貸倒引当金繰入額や訴訟・処分費用が減った結果、売上総利益率は約3.5ポイント上がった。一方で販管費は債権管理の人員強化などで12%増え、売上総利益の増加の大半を吸収したため、営業損失の縮小は99百万円にとどまる。5〜7月の3か月では営業黒字(49.6百万円)になっており、方向としては改善に向かっている。

純損益が黒字から赤字に見えるのは、前年に株式売却益(198百万円)があったことの反動で、本業の悪化ではない。ただし、損失を出しながら法人税等の負担が発生している点や、営業CFが前受金・預り金の増加に支えられている点は、利益と現金の動きを分けて見る必要がある。自己資本比率は39.9%と前期末から3.6ポイント低下した。

通期予想は営業利益3億55百万円の黒字転換で、下期に上期の赤字を埋めたうえで約4億54百万円を稼ぐ必要がある。家賃債務保証は、保証料の売上に対して、家賃の未回収が発生した際の貸倒引当金や訴訟・処分費用などの信用コストが先に響くビジネスで、会社自身も下期の信用コストに変動余地があるとしている。求償債権の伸びが保有契約の伸びを下回る状態が続くかどうかが、下期の見どころである。

出典:株式会社Casa「2027年1月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年9月10日開示)

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