2027年3月期 第1四半期 決算サマリー
サマリー
愛知県を地盤とするあいちフィナンシャルグループ(連結)の2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)は、貸出金利息と有価証券利息配当金、株式売却益が増え、経常収益が前年同期比49.3%増の399億11百万円、経常利益が同2.7倍の144億37百万円となった。退職給付信託返還益約66億円の計上もあり、親会社株主に帰属する四半期純利益は同3.8倍の144億85百万円。経常利益・純利益とも第1四半期で第2四半期累計の予想を上回ったが、予想は据え置いた。
経常収益
39,911百万円
+49.3%経常利益
14,437百万円
+173.1%親会社株主に帰属する四半期純利益
14,485百万円
+280.8%貸出金利息
15,057百万円
+26.4%(当社試算)退職給付信託返還益(特別利益)
6,556百万円
預金
5兆9,749億円
前期末比△144億円ハイライト
- 経常収益は39,911百万円(前年同期比+49.3%)。資金運用収益が23,412百万円に増え、うち貸出金利息は15,057百万円(+26.4%、当社試算)、有価証券利息配当金は7,199百万円(+40.7%、当社試算)。その他経常収益も9,759百万円(前年同期3,241百万円)に増えた(会社は株式売却益の増加を増益要因に挙げる)。経常費用は、預金利息が6,280百万円(+49.3%、当社試算)に増えるなどして25,474百万円
- 経常利益は14,437百万円(+173.1%)。特別利益として退職給付信託返還益6,556百万円を計上し、親会社株主に帰属する四半期純利益は14,485百万円(+280.8%)、1株当たり59.43円(2026年4月1日の1株→5株の株式分割を反映)
- 貸出金は4兆9,421億円(前期末比+10億円)、預金は5兆9,749億円(△144億円)、有価証券は1兆3,557億円(+860億円)。総資産は7兆328億円(△1,354億円)、純資産は4,630億円(+320億円)で、自己資本比率(期末純資産ベース、規制上の比率ではない)は6.6%。四半期包括利益は36,225百万円
- 会社は、愛知県を中心とする地域経済について、住宅投資は弱いもののAI関連や自動車関連産業の需要に支えられて生産・輸出が増加基調にあり、景気は緩やかに回復しているとしている
- 業績予想(2026年5月15日公表)は修正なし。第2四半期累計は経常利益14,000百万円(△1.5%)、純利益13,000百万円(+29.6%)、通期は経常利益28,000百万円(△9.4%)、純利益23,000百万円(+5.5%)、1株当たり94.37円。第1四半期の進捗は、累計予想に対し経常利益103.1%・純利益111.4%、通期に対し51.6%・63.0%(当社試算)
- 【要確認】第1四半期だけで第2四半期累計の経常利益・純利益予想を上回ったが、予想は据え置かれた。予想どおりなら第2四半期(7〜9月)は経常損益が約437百万円の損失、純利益は約1,485百万円の損失となる計算で(当社試算)、株式売却益の見込みなど予想の前提は短信に説明がない(決算補足説明資料「有」で確認が必要)
- 配当は2027年3月期に中間15円・期末15円の年30円を予想(株式分割後。前期は分割後換算で年27円)
財政状態
総資産
7,032,890百万円
純資産
463,082百万円
自己資本比率(期末純資産ベース)
6.6%
有価証券
1,355,764百万円
次期業績予想
| 決算期 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|
| 2027年3月期 第2四半期累計予想(修正なし) | 14,000百万円(進捗103.1%)△1.5% | 13,000百万円(進捗111.4%)+29.6% | — |
| 2027年3月期 通期予想(修正なし) | 28,000百万円(進捗51.6%)△9.4% | — | 23,000百万円(進捗63.0%)+5.5% |
注目ポイント
資金利益と株式売却益の増加に、一時的な特別利益が重なり、利益は前年同期の数倍に膨らんだ。貸出金利息は26%、有価証券の利息配当金は4割増え、預金利息の増加を大きく上回った。純利益には退職給付信託の返還益約66億円が含まれており、この一時的な利益を除いても大幅な増益である。
注目は予想との関係で、第1四半期だけで経常利益・純利益とも第2四半期累計の予想を超えた。それでも予想は据え置かれており、予想どおりなら7〜9月は経常損益が赤字になる計算だ(当社試算)。会社が株式売却益などをどの程度見込んでいるのかは短信に書かれておらず、上期と通期の着地は予想から大きく離れる可能性がある。
預金は小幅に減り、貸出金は横ばいにとどまった。有価証券の運用を増やしているなか、金利変動による評価額の動きにも目配りが必要だ。株式分割後の配当は年30円と、実質的に増配を予定している。