2027年1月期 中間期 決算サマリー
サマリー
「ステーキのあさくま」を展開するあさくま(非連結)の2027年1月期中間期は、既存店売上高が前年同期比115.8%と好調で、新規出店の効果も加わり、売上高が前年同期比27.2%増の58億59百万円と大幅に増えた。 一方、新規出店・改装・修繕のコストが先行し、営業利益は同6.1%減の1億68百万円、中間純利益は前年同期に法人税等の還付があった反動もあり同26.3%減の92百万円と減益。 自己株式の取得(4億36百万円)で現金が減り、自己資本比率は66.6%。通期予想(営業利益6億60百万円、+27.3%)は据え置きで、8月までの累計は売上・利益とも計画を上回るとしている。
売上高
5,859百万円
+27.2%営業利益
168百万円
△6.1%経常利益
172百万円
△4.8%中間純利益
92百万円
△26.3%既存店売上高(ステーキのあさくま、上期累計)
前年比115.8%
44か月連続で前年超え売上高営業利益率
2.9%
△1.0pt(前年同期3.9%、当社試算)ハイライト
- 「ステーキのあさくま」の既存店売上高は2026年7月まで44か月連続で前年を上回り、上期累計は前年比115.8%。毎月の「肉の日イベント」でサーロインを値段そのままで50%増量(6月からテンダーロイン・ランプにも拡大)し、約4割の客がステーキを注文、客単価も約100円上昇した。サラダバーの充実(4月・7月に新メニュー各4品)、ホットバー、体験型デザート、店内演奏(メロディアン)60件以上、ファン発信施策「あさくまアンバサダー」なども実施。食べ放題イベントは上期に13店舗で開催し、開催日の売上は通常同曜日比で最大8倍超
- 店舗は、当中間期に直営5店舗を出店して79店舗、FC4店舗を加えて83店舗。6月に4年ぶりの再出店となる京都伏見店(7月は全店で最高の売上高)、8月に中部国際空港店を出店した。今期は「ステーキのあさくま」「カレーのあさくま」「厳選もつ酒場 エビス参」の3業態で10店舗以上の出店を計画し、3年後の売上高200億円(前期は28年ぶりに100億円突破)を目指す
- 売上原価は2,669百万円(前年同期比+34.6%)と売上の伸び(+27.2%)を上回り、売上総利益率は54.4%(前年同期56.9%、当社試算)に低下。販管費は3,022百万円(同+23.7%)。営業利益率は2.9%(同3.9%)に低下した。会社は、新規出店や既存店舗の修繕・改装に伴うコスト増が主因とし、上期中に出店・営業・人員体制の整備を進めたことで足元は収益基盤の強化が進み、8月までの累計では売上高・利益とも計画を上回っていると説明
- 中間純利益の減益幅(△26.3%)が営業利益(△6.1%)より大きいのは、前年同期に法人税等の還付額17百万円があったのに対し当期は還付がなく、法人税等が79百万円(税引前利益に対する負担率約46%、前年同期約31%)に増えたことなどによる。1株当たり中間純利益は8.78円(前年同期11.85円、2026年8月1日の1株を2株とする株式分割を反映)
- 財政状態は、総資産4,583百万円(前期末比△369百万円)、純資産3,052百万円、自己資本比率66.6%(前期末68.6%)。現金及び預金は2,441百万円から1,727百万円へ714百万円減少し、有形固定資産が847百万円から1,207百万円へ361百万円増加(建物+245百万円)。純資産は、自己株式の取得436百万円(自己株式の残高543百万円)と中間純利益93百万円で344百万円減った。期末の自己株式数は273,714株(前期末141,638株、分割後基準)
- 営業CFは156百万円の収入(前年同期315百万円)で、税引前中間純利益172百万円と減価償却費82百万円が主因、未払消費税等の減少△67百万円などが押し下げた。投資CFは有形固定資産の取得399百万円、差入保証金の差入33百万円などで434百万円の支出(前年同期167百万円)。財務CFは自己株式の取得で436百万円の支出(前年同期は借入返済など8百万円)。現金及び現金同等物は1,727百万円(前期末2,441百万円)
- 【要確認】通期予想(売上高12,300百万円+22.4%、営業利益660百万円+27.3%、経常利益670百万円+27.2%、純利益409百万円+26.0%、1株当たり38.64円)は2026年3月11日公表から修正なし。中間期の進捗は売上高47.6%、営業利益25.5%、純利益22.7%で、下期に営業利益約492百万円(上期の約2.9倍、当社試算)が必要。新規出店・新業態の一時的な立ち上げ費用が下期に落ち着くこと、および客数・客単価の維持が前提とみられるが、短信に具体的な根拠はない。株主優待引当金は69百万円(前期末48百万円)で、無配(優待あり)。決算補足説明資料・決算説明会は「無」
財政状態
総資産
4,583百万円
純資産
3,052百万円
自己資本比率
66.6%
現金及び預金
1,727百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年1月期 通期予想(修正なし) | 12,300百万円(進捗47.6%)+22.4% | 660百万円(進捗25.5%)+27.3% | 670百万円+27.2% | 409百万円(進捗22.7%)+26.0% |
注目ポイント
既存店売上高が44か月連続で前年を上回り、上期で前年比115.8%という強い成長が続いている。売上は3割近く増えたが、利益は減益で、営業利益率は3.9%から2.9%に低下した。原価(肉の増量イベントなど)と、出店・改装に伴う費用が売上より速く増えており、「売上は取れているが利益はまだ出しきれていない」局面といえる。
減益幅が大きい中間純利益は、前年に税の還付があった反動や税負担の上昇が加わったもので、営業段階の落ち込み(△6.1%)とは分けて見る必要がある。また、436百万円の自己株式取得で現金が約3割減り、設備投資(有形固定資産+361百万円)も重なった。財務は自己資本比率66.6%と健全だが、キャッシュの厚みは薄くなっている。
通期予想は営業利益+27.3%で据え置かれ、下期に上期の約2.9倍の利益が必要になる。会社は8月までの累計が計画を上回っていると説明しているが、京都伏見店のような新規店の立ち上がりと、出店の一時費用の落ち着きが、下期の利益回復の鍵とみられる。次回の決算で、通期予想の達成ペースを確認したい。