決算ノート
7804東証販促物のプリント・制作(インクジェットプリント、オーダーグッズ、デジタルサイネージ等)

2026年10月期 第3四半期 決算サマリー

サマリー

インクジェットプリントやオーダーグッズ制作などの「総合販促支援」を手がけるビーアンドピー(連結)の2026年10月期第3四半期累計(2025年11月〜2026年7月)は、売上高が前年同期比7.1%増の34億81百万円、営業利益が同3.1%増の5億20百万円、四半期純利益が同0.1%増の3億50百万円と、増収・利益ほぼ横ばいとなった。 第1四半期は前年の大阪・関西万博関連の反動などで鈍かったが、第2・第3四半期に受注が回復し、第3四半期会計期間は当社単体で過去最高の売上高・営業利益となった。 通期予想(営業利益7億50百万円、+6.9%)は据え置きで、累計の進捗は約7割。2026年8月に新和の子会社化、9月にNext Group Holdingsとの業務提携を決めた。

売上高

3,481百万円

+7.1%

営業利益

520百万円

+3.1%

経常利益

521百万円

+1.7%

親会社株主に帰属する四半期純利益

350百万円

+0.1%

1株当たり四半期純利益

150.78円

前年同期152.46円(△1.1%)

売上高営業利益率

15.0%

△0.6pt(前年同期15.5%、当社試算)

営業利益の通期予想に対する進捗

69.4%

会社は「約70%」と説明

期末配当予想

87円

前期80円

ハイライト

  • 前年同期との比較には注意が必要。前期はイデイ社の第1四半期期末日(2024年12月20日)をみなし取得日とし、損益は第2四半期以降しか連結に取り込んでいないため、今期の増収(+7.1%)には連結期間の違いが含まれる。会社は本文で損益の前年同期比較を行っていない(表紙には増減率が記載されている)。単一セグメント(セールスプロモーション事業)で、事業別の損益は開示されていない
  • 売上総利益は1,481百万円(前年同期1,391百万円、+6.5%)、売上総利益率は42.5%(同42.8%、当社試算)。販管費は960百万円(同886百万円、+8.4%)と売上の伸びを上回り、営業利益は520百万円(同504百万円、+3.1%)。営業外収益は合計0.3百万円(前年同期7.6百万円、補助金収入6百万円の剥落)にとどまり、特別損失に固定資産除却損8.7百万円(前年同期0.2百万円)を計上したため、経常利益+1.7%、純利益+0.1%と伸びが縮んだ。期中平均株式数が+1.2%増え、1株当たり四半期純利益は150.78円(前年同期152.46円、△1.1%)。潜在株式調整後は149.74円
  • 会社の説明する四半期ごとの動き: 第1四半期は、インクジェットプリントの受注が年末年始を含み落ち着く季節性、前年の大阪・関西万博関連需要の反動、物価高を背景に一部の国内企業が販促活動を一時的に抑制したことで鈍いスタート。第2四半期は3月の単月で当社単体の過去最高の売上高・営業利益を計上。第3四半期は例年の大型インクジェット案件に、FIFAワールドカップ関連案件が想定どおり加わり、プリントソリューション、オーダーグッズ制作も伸びて、第3四半期会計期間として当社単体の過去最高の売上高・営業利益となった
  • 戦略・新事業は、AIカメラによる来場者分析、透過型モニターの提供開始、デジタルサイネージのレンタルサービス開始(短期利用・実機テスト向け)、紙器・貼箱・ギフトBOXなどのパッケージソリューションの提供開始(当期から注力し、順調に受注)、オーダーグッズ制作の内製化。グループ会社イデイ社とは同行営業、協力会社の相互利用、デザイン業務の内製化を進め、オリジナルぬいぐるみの企画から製造まで担う「ぬいぐるみLAND」を開始した。中東情勢について、インクや石油化学由来資材の供給停止・価格上昇による重要な影響は現時点でないと説明
  • 分散していた東京本社、横浜ファクトリー、イデイ社東京オフィスを東京都港区の新東京本社に統合し、営業部門とイデイ社は2026年7月21日、生産部門は8月17日に移転を完了した。財政状態は、総資産4,829百万円(前期末比+134百万円)、純資産3,991百万円(同+181百万円)、自己資本比率82.6%(前期末81.1%)。固定資産は設備投資で696百万円(同+236百万円)に増え、有形固定資産(純額)は171百万円から361百万円、未払金は28百万円から164百万円へ135百万円増加。一方、現金及び預金は3,253百万円(同△93百万円)、未払法人税等は93百万円、賞与引当金は21百万円減った。借入金は貸借対照表になく、リース債務のみ
  • 【M&A・後発事象】(1) 2026年8月3日に株式会社新和の全株式を取得して子会社化(同日株式譲渡契約)。合紙・抜き加工と量産力を持ち、イデイ社(企画・デザイン)→当社(試作検証)→新和社(量産・アッセンブリ)による販促什器・店頭ディスプレイのトータルプロデュースや、首都圏でのシェア拡大を見込む。(2) 2026年9月9日に、生成AIを活用した動画コンテンツ制作事業でNext Group Holdings株式会社と業務提携契約を締結。いずれも第4四半期に始動し、業績への本格的な貢献は2027年10月期以降と会社は見ている。取得価額や新和社の業績規模は短信に記載がない(【要確認】、詳細は別途公表のお知らせを参照)
  • 【要確認】通期予想(売上高5,000百万円+11.2%、営業利益750百万円+6.9%、経常利益750百万円+5.7%、純利益504百万円+2.7%、1株当たり217.61円)は2025年12月9日公表から修正なし。累計の進捗は売上高69.6%、営業利益69.4%、純利益69.6%で、会社は「大きな乖離なく着地する見通し」と説明。達成には第4四半期に売上高約1,519百万円、営業利益約229百万円が必要で、前年第4四半期(売上高約1,244百万円、営業利益約197百万円、通期予想の増減率からの当社逆算)を売上で約22%、営業利益で約17%上回る計算(当社試算)。会社はその根拠として、アジア競技大会関連の販促物、シティドレッシング、イベント関連案件、プリントソリューション・オーダーグッズ・パッケージの伸び、デジタルサイネージの大型案件を挙げる
  • 配当は期末87円の予想(前期80円)で修正なし(定款上は第2四半期末・期末が基準日だが、当面は期末の年1回が基本方針)。当期中に配当金186百万円を支払った。決算補足説明資料は「有」、決算説明会は「無」。四半期財務諸表は監査法人のレビュー対象外

財政状態

総資産

4,829百万円

純資産

3,991百万円

自己資本比率

82.6%

現金及び預金

3,253百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2026年10月期 通期予想(修正なし)5,000百万円(進捗69.6%)+11.2%750百万円(進捗69.4%)+6.9%750百万円(進捗69.5%)+5.7%504百万円(進捗69.6%)+2.7%

注目ポイント

増収だが、利益はほぼ横ばいの第3四半期累計である。販管費の伸び(+8.4%)が売上の伸び(+7.1%)を上回り、前年に計上した補助金収入がなくなり、除却損も加わって、経常利益・純利益の伸びは営業利益より小さくなった。なお前年同期は、イデイ社の損益が第2四半期以降しか含まれていないため、増収には連結期間の違いも混ざっている点に注意が必要である。

四半期ごとの波が大きい会社で、第1四半期の鈍さから、第2・第3四半期に回復した。第3四半期会計期間は単体で過去最高の売上高・営業利益とされ、勢いは足元で戻っている。通期予想は第4四半期に売上で約22%、営業利益で約17%の上積みが必要で、アジア競技大会関連などの大型案件がどれだけ計上されるかが焦点になる。

第4四半期には、新東京本社への移転完了、新和社の子会社化、Next Group Holdingsとの提携が同時に始まる。移転に伴う費用や新和社の取得コストの影響額は短信に示されておらず、通期の着地とあわせて、決算での説明を確認したい。

出典:株式会社ビーアンドピー「2026年10月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年9月9日開示)

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