7810東証スタンダードジュエリー・アクセサリー(製造・卸)
増収増益
2026年7月期 決算サマリー
サマリー
ジュエリー・アクセサリーを手がけるクロスフォーの2026年7月期は、ライブ販売事業者向けの商品提案や展示会販売、地金系商品が好調で、 売上高が前期比47.3%増の55億36百万円と創業以来初めて50億円を超えた。営業利益は同71.2%増の94百万円、経常利益は同157.9%増の61百万円、 親会社株主に帰属する当期純利益は同18.8%増の26百万円と、全ての段階で増益・黒字を確保した。ただし利益率は1〜2%台と薄く、 売上総利益率の低下や支払利息の増加、転換社債7億円の発行による有利子負債の増加には注意したい。
売上高
5,536百万円
+47.3%営業利益
94百万円
+71.2%経常利益
61百万円
+157.9%親会社株主に帰属する当期純利益
26百万円
+18.8%ハイライト
- 国内はライブ販売向けの商品提案が顧客の成果に結びついて受注に直結したほか、展示会販売と地金系商品が好調。大手小売店・問屋向けも地金相場の高騰と企画提案で堅調。海外は米国の関税政策や地金高に伴う販売価格上昇で需要が弱含み、インド・タイの大手得意先が注文を控えたが、米国向け輸出の伸びで海外売上高は前期比微減にとどまった
- 売上総利益は1,474百万円(前期比+24.2%)と売上の伸びを下回り、売上総利益率は26.6%(前期31.6%、当社試算)に低下。地金の再精錬処理で時価評価差益が発生している。販管費は1,379百万円(同+21.9%)で、展示会出展の増加、EC事業(DtoC)立ち上げ費用、ベースアップと人員強化が要因
- 営業外費用は56百万円で、支払利息が54百万円(前期38百万円)に増加。営業利益(94百万円)に対する支払利息の負担が重く、経常利益は営業利益を33百万円下回る。特別損失に事業撤退損19百万円を計上
- 【要確認】営業CFは58百万円の支出(前期125百万円の支出)で、棚卸資産が249百万円増加。一方で財務CFは転換社債型新株予約権付社債の発行700百万円、株式の発行70百万円などで669百万円の収入となり、現金及び現金同等物は1,029百万円(前期末549百万円)に増加。営業CFは2期連続の赤字で、資金は外部調達に依存
- 有利子負債(リース債務を除く)は約35.0億円(前期末約29.9億円、当社試算)に増加し、自己資本比率は32.4%(前期末35.7%)に低下。潜在株式調整後の1株当たり当期純利益は1.33円(通常1.53円)で、転換社債(2,849,315株分)等の希薄化が織り込まれている
- 年間配当は0.63円(前期0.35円)、配当性向41.2%。来期は0.85円を予想。2026年8月3日には新株予約権の行使で普通株式200,000株が増加している
- ジュエリー事業の単一セグメントのため、セグメント別の開示はない。決算補足説明資料は作成されているが未添付。機関投資家・アナリスト向け決算説明会は2026年9月24日に開催予定
財政状態
総資産
5,947百万円
純資産
1,929百万円
自己資本比率
32.4%
現金及び現金同等物
1,029百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年7月期 通期予想 | 5,920百万円+6.9% | 120百万円+26.4% | 75百万円+21.7% | 50百万円+90.5% |
注目ポイント
売上は前期比5割近く伸び、初の50億円超えという見出しの強さに対し、利益は絶対額が小さい。営業利益率は1.7%、純利益は26百万円で、売上が伸びても粗利率が下がり(地金相場の高騰で売上が押し上げられる一方、加工賃部分の比率が下がる構造とみられる)、販管費と支払利息で大半が消える収益構造である。地金価格・為替・米国の関税といった外部要因で利益が振れやすい点は意識したい。
資金面では、営業CFの赤字が続く中、転換社債と新株発行で手元資金を積み増した。今後の転換・行使が進めば株式数が増え、1株当たり利益は希薄化する。2027年7月期の予想は営業利益+26.4%(120百万円)と控えめながら、純利益は+90.5%(50百万円)を見込む。ライブコマース向けの継続受注、DtoC事業の収益化、在庫水準(棚卸資産の増加)が焦点となる。