決算ノート
7856東証合成樹脂加工製品(シート・原糸・コンクリート補強繊維「バルチップ」など)と機械製品(スリッター・押出関連機器)
増収増益

2026年10月期 第3四半期 決算サマリー

サマリー

合成樹脂加工製品と機械製品を手がける萩原工業(連結)の2026年10月期第3四半期累計(2025年11月〜2026年7月)は、売上高が前年同期比4.4%増の251億10百万円、営業利益が38.2%増の18億41百万円、経常利益が45.0%増の21億57百万円と増収増益となった。 親会社株主に帰属する四半期純利益は14億94百万円(4.0%減)で、前年同期に笠岡工場建設に伴う補助金8億円を特別利益に計上した反動による。 2026年9月7日に日本政策投資銀行との資本業務提携と、同行への第三者割当による自己株式の処分を決議した(後発事象)。通期予想は据え置きで、経常利益の進捗は98.1%(当社試算)。

売上高

25,110百万円

+4.4%

営業利益

1,841百万円

+38.2%

経常利益

2,157百万円

+45.0%

親会社株主に帰属する四半期純利益

1,494百万円

△4.0%

合成樹脂加工製品事業の営業利益

1,529百万円

+44.2%

機械製品事業の営業利益

312百万円

+14.8%

売上高営業利益率

7.3%

前年同期5.5%

自己資本比率

71.5%

前期末72.3%

ハイライト

  • 営業利益は18億41百万円(+38.2%)。売上総利益が70億10百万円(+7.8%、+507百万円)に増え、販管費は51億68百万円(前年同期51億70百万円)とほぼ横ばいだったため、増益のほぼ全額が営業利益に残った(当社試算)。売上総利益率は27.9%(前年同期27.0%)、営業利益率は7.3%(同5.5%)。売上高は251億10百万円(+4.4%)
  • 純利益が減益(△4.0%)になったのは、前年同期に笠岡工場建設に伴い交付決定された補助金8億円を特別利益に計上したため。今期は特別利益がなく、税金等調整前四半期純利益は21億57百万円(前年同期22億88百万円、△5.7%、当社試算)。経常利益(+45.0%)は、営業利益に営業外収益402百万円(前年同期219百万円)が加わったもので、為替差益が242百万円(同53百万円)に増えた。営業外費用は85百万円。法人税等の負担率は30.5%(同32.1%、当社試算)
  • 合成樹脂加工製品事業は売上高214億61百万円(+8.7%)、営業利益15億29百万円(+44.2%)で、営業利益率は7.1%(前年同期5.4%、当社試算)。会社は、原材料価格高騰に伴う価格改定の浸透と中東情勢を受けた追加需要を増収要因とし、耐候・遮熱などの高機能シート、大口顧客との取引が復活したフレコン関連、農業資材用遮熱原糸、人工芝原糸が増収。粘着用原反・包装資材用メルタックは需要が伸び悩んだが価格改定で増収、海外向けラミクロスは米国の通商政策の影響で減収。バルチップは鉱山向けの価格競争が厳しい中、道路舗装向けなどで増収。インドネシア子会社と東洋平成ポリマーも増収
  • 機械製品事業は売上高36億49百万円(△15.1%)、営業利益3億12百万円(+14.8%)で、減収ながら増益(営業利益率8.6%、前年同期6.3%、当社試算)。主力のスリッターは投資需要が低迷する中国向けが低調で、紙・フィルムとも減収。押出関連機器(リチウムイオン電池セパレーター用スクリーンチェンジャーなど)とリサイクル関連(ブルーシートの水平リサイクル技術で開発した高度洗浄設備の初の販売など)は増収。減収下で増益となった理由は短信に記載がない(【要確認】)。アジア向けの機械製品売上は526百万円(前年同期1,025百万円、△48.7%)とほぼ半減
  • 地域別の売上高(外部顧客向け合計)は、日本17,868百万円(+5.6%)、アジア2,979百万円(△16.5%)、北アメリカ1,467百万円(+15.1%)、南アメリカ1,707百万円(+40.6%)、ヨーロッパ440百万円(+3.6%)、オセアニア637百万円(+1.0%)。海外売上比率は28.8%(前年同期29.6%、当社試算)。南アメリカの増加は合成樹脂加工製品で、要因は短信に記載がない
  • 財政状態は、総資産44,846百万円(前期末比+2,112百万円)、純資産32,142百万円(同+1,177百万円)、自己資本比率71.5%(前期末72.3%)。棚卸資産が+2,258百万円(原材料及び貯蔵品+1,005百万円、仕掛品+677百万円、商品及び製品+576百万円)、受取手形・売掛金と電子記録債権が計+1,248百万円増えた一方、現金及び預金は△1,524百万円(4,333百万円)。支払手形及び買掛金は+1,148百万円(2,860百万円)。借入金(短期・長期)は4,330百万円(前期末4,523百万円)で、現金及び預金とほぼ同額となった(前期末は約1,334百万円の現金超過、当社試算)。純資産の増加は為替換算調整勘定+697百万円、利益剰余金+502百万円が中心
  • 【要確認】通期予想は2025年12月8日公表から変更なし(売上高35,000百万円+9.6%、営業利益2,100百万円+43.1%、経常利益2,200百万円+21.1%、親会社株主に帰属する当期純利益1,500百万円△16.4%、1株当たり107.40円)。第3四半期累計の進捗は売上高71.7%、営業利益87.7%、経常利益98.1%、純利益99.7%で、第4四半期に残る利益は営業利益259百万円、経常利益42百万円、純利益5百万円にとどまる計算(当社試算)。予想の前提や第4四半期の見方は短信に記載がない
  • 配当は、2026年10月期の中間35円(前期30円)、期末40円の予想で年75円(前期65円)。【要確認】重要な後発事象として、2026年9月7日の取締役会で株式会社日本政策投資銀行との資本業務提携契約の締結と、同行を割当予定先とする第三者割当による自己株式の処分を決議した。主要株主および主要株主である筆頭株主の異動を伴う旨の別途開示があるが、処分株数・金額・提携内容は短信に記載がない(期末自己株式数は788,874株、発行済株式数の約5.3%、当社試算)

財政状態

総資産

44,846百万円

純資産

32,142百万円

自己資本比率

71.5%

現金及び預金

4,333百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2026年10月期 通期予想(変更なし)35,000百万円(進捗71.7%)+9.6%2,100百万円(進捗87.7%)+43.1%2,200百万円(進捗98.1%)+21.1%1,500百万円(進捗99.7%)△16.4%

注目ポイント

増益の中身は、売上総利益の増加(+507百万円)が販管費の横ばいでほぼそのまま営業利益に残ったものである。会社は価格改定の浸透と中東情勢を受けた追加需要を挙げており、合成樹脂加工製品の営業利益率は5.4%から7.1%に上がった。経常利益は、為替差益242百万円(前年同期53百万円)の上乗せも伸びを大きくしている。純利益の減益は前年の補助金8億円の反動で、営業・経常段階の増益とは切り離して見る必要がある。

貸借対照表では、在庫(+22億58百万円)と売上債権(+12億48百万円)が増え、現金及び預金が15億円減った。借入金と現金がほぼ同額になり、ネットの現金は前期末の約13億円からほぼゼロになった(当社試算)。原材料及び貯蔵品の増加(+10億円)の理由は短信に記載がなく、原材料調達の状況と合わせて次の決算で確認したい。

通期予想は据え置きだが、経常利益と純利益はすでに予想の98%以上に達している。第4四半期に残るのは経常利益で約42百万円、純利益で約5百万円という計算になり、予想の上振れ余地か、第4四半期に費用や為替差益の反動を見込むのかは短信からは読み取れない。あわせて、日本政策投資銀行との資本業務提携と自己株式の第三者割当は、株主構成にかかわる決議であり、別途開示の内容を確認したい。

出典:萩原工業株式会社「2026年10月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年9月7日開示)

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