決算ノート
8572東証スタンダード消費者金融(ローン・クレジットカード、信用保証、海外金融、債権管理回収)
増収増益

2027年3月期 第1四半期 決算サマリー

サマリー

消費者金融のアコム(連結)の2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)は、営業貸付金利息の増加で営業収益が前年同期比7.7%増の887億31百万円、営業利益が同5.3%増の296億50百万円と増収増益だった。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期にあった繰延税金資産の計上(法人税等調整額の益)がなくなり、同43.9%減の191億41百万円。8月24日に第2四半期累計の業績予想(経常利益・純利益)の記載誤りが訂正されたが、通期予想は変わらない。

営業収益

88,731百万円

+7.7%

営業利益

29,650百万円

+5.3%

経常利益

29,642百万円

+4.9%

親会社株主に帰属する四半期純利益

19,141百万円

△43.9%

営業貸付金

1,291,516百万円

前期末比+1.1%(当社試算)

金融費用

2,319百万円

+38.2%(当社試算)

自己資本比率

44.6%

前期末44.5%

ハイライト

  • 営業収益は88,731百万円(前年同期比+7.7%)。営業貸付金利息が54,242百万円(+7.0%、当社試算)、信用保証収益が18,441百万円(+7.3%、当社試算)に増えた。営業費用は59,081百万円(+9.0%)で、金融費用が2,319百万円(前年同期1,678百万円、+38.2%=当社試算)に増え、業容拡大に伴う貸倒関連費用も増えた。営業利益は29,650百万円(+5.3%)、経常利益は29,642百万円(+4.9%)
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益は19,141百万円(△43.9%)。前年同期は、繰延税金資産の回収可能性に係る企業分類の変更で法人税等調整額が12,765百万円の益となり、法人税等合計がマイナス(△6,907百万円)だった。当期の法人税等は8,786百万円(負担率29.7%、当社試算)で、税引前利益は29,584百万円と前年同期(28,620百万円)を上回っている。1株当たり四半期純利益は12.22円(前年同期21.78円)
  • セグメント別では、ローン・クレジットカード事業が営業収益47,576百万円(+6.6%)、利益16,469百万円(+9.0%)。信用保証事業は20,878百万円(+7.4%)と増収ながら、利益は5,513百万円(△13.5%)と減益。海外金融事業は18,104百万円(+10.0%)、利益7,175百万円(+16.6%)。債権管理回収事業は2,115百万円(+15.8%)、利益433百万円(△13.2%)(増減率はいずれも当社試算)。信用保証事業の減益要因は短信に記載がない【要確認】
  • 会社は、国内のノンバンク業界で個人消費の拡大により資金需要が活況を呈しており、利息返還請求は着実に減少していると説明。ローン・クレジットカード事業では新規顧客の獲得強化と審査スピードの向上を、海外金融事業(タイ・フィリピン・マレーシア)では現地規制への対応と新たな国への進出を進めるとしている
  • 財政状態は、総資産1,603,511百万円(前期末比△12,867百万円)、純資産778,785百万円(同△3,669百万円)、自己資本比率44.6%(前期末44.5%)。現金及び預金が31,563百万円減り、借入金・社債などの資金調達残高は742,336百万円(前期末比+10,083百万円、当社試算)。未払法人税等は15,319百万円減った。配当金の支払いは18,799百万円。利息返還損失引当金は39,432百万円(前期末41,500百万円)
  • 【訂正反映】8月24日に、本短信と2026年3月期決算短信の「2027年3月期の連結業績予想」のうち、第2四半期累計の営業外収益の誤りが訂正された。第2四半期累計の経常利益予想は56,600百万円(+4.3%)→51,800百万円(△4.5%)、純利益予想は37,900百万円(△25.7%)→33,100百万円(△35.1%)、1株当たり24.19円→21.12円。営業収益・営業利益と通期予想は変更なし。この記事は訂正後の数値で記載している
  • 業績予想は修正なし。第2四半期累計(訂正後)は営業収益174,700百万円(+5.5%)、営業利益51,700百万円(△4.4%)、経常利益51,800百万円(△4.5%)、純利益33,100百万円(△35.1%)。通期は営業収益356,000百万円(+5.4%)、営業利益98,000百万円(△2.4%)、経常利益98,500百万円(△2.0%)、純利益63,800百万円(△19.9%)。第1四半期の進捗は、累計予想(訂正後)に対し営業収益50.8%・営業利益57.4%・経常利益57.2%・純利益57.8%、通期に対し24.9%・30.3%・30.1%・30.0%(当社試算)
  • 【要確認】第1四半期は5%増益だったが、予想は第2四半期累計・通期とも営業減益。累計予想の達成に必要な第2四半期(7〜9月)の営業利益は22,050百万円で、第1四半期(29,650百万円)を大きく下回る(当社試算)。減益を見込む理由は短信に説明がない(決算補足説明資料「有」で確認が必要)。配当は中間11円・期末11円の年22円の予想(前期22円)で修正なし

財政状態

総資産

1,603,511百万円

純資産

778,785百万円

自己資本比率

44.6%

営業貸付金

1,291,516百万円

利息返還損失引当金

39,432百万円

次期業績予想

決算期営業収益営業利益経常利益親会社株主に帰属する四半期純利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年3月期 第2四半期累計予想(8月24日訂正後)174,700百万円(進捗50.8%)+5.5%51,700百万円(進捗57.4%)△4.4%51,800百万円(進捗57.2%)△4.5%33,100百万円(進捗57.8%)△35.1%—
2027年3月期 通期予想(修正なし)356,000百万円(進捗24.9%)+5.4%98,000百万円(進捗30.3%)△2.4%98,500百万円(進捗30.1%)△2.0%—63,800百万円(進捗30.0%)△19.9%

注目ポイント

本業は堅調で、営業貸付金利息と信用保証収益がいずれも約7%伸び、営業利益は5.3%増えた。海外金融事業が16.6%の増益と伸びをけん引した。一方で、金融費用は約4割増えた(増加の要因は短信に説明がない)。信用保証事業は増収ながら減益で、その要因は短信に書かれていない。

純利益が4割強減ったのは、前年同期に繰延税金資産を計上した一時的な税金の益(約128億円)がなくなったためで、税引前利益はむしろ増えている。見た目の減益幅ほど収益力が落ちたわけではない。

会社は第2四半期累計・通期とも営業減益を見込んでおり、第1四半期の増益ペースとの差が大きい。第2四半期累計の予想は8月24日に営業外収益の誤りで訂正され、経常利益・純利益が約48億円ずつ下方に直された(通期は変わらない)。貸倒関連費用や金融費用の増加をどこまで織り込んだ予想なのか、決算補足説明資料で確認したい。

出典:アコム株式会社「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年8月24日付で一部訂正)」(2026年7月29日開示)

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