決算ノート
8917東証戸建分譲(用地仕入・企画・建築)、請負工事(注文住宅)、賃貸マンション等

2026年10月期 第3四半期 決算サマリー

サマリー

戸建分譲を主力とするファースト住建(連結)の2026年10月期第3四半期累計(2025年11月〜2026年7月)は、売上高が前年同期比9.4%減の282億93百万円だったが、販管費の減少と売上総利益率の上昇で営業利益は12.2%増の19億71百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は15.3%増の11億37百万円となった。 戸建分譲の販売棟数は693棟(△13.8%)で、会社は期首の完成在庫の少なさと分譲用地の仕入の減少を挙げる。通期予想は据え置きで、営業利益の進捗は74.4%(当社試算)。

売上高

28,293百万円

△9.4%

営業利益

1,971百万円

+12.2%

経常利益

1,868百万円

+12.2%

親会社株主に帰属する四半期純利益

1,137百万円

+15.3%

戸建分譲の販売棟数(土地分譲を含む)

693棟

△13.8%

戸建事業のセグメント利益(経常利益ベース)

2,479百万円

+12.6%

売上高営業利益率

7.0%

前年同期5.6%

自己資本比率

67.0%

前期末65.8%

ハイライト

  • 売上高は282億93百万円(△9.4%)に対し、営業利益は19億71百万円(+12.2%)。売上総利益は50億70百万円で前年同期(50億68百万円)とほぼ同額、販管費が30億98百万円(前年同期33億11百万円、△6.4%)に約2億12百万円減ったため、営業利益が増えた。売上総利益率は17.9%(前年同期16.2%)、営業利益率は7.0%(同5.6%)に上がった(当社試算)。販管費が減少した内訳は短信に記載がない
  • 戸建事業は売上高276億44百万円(△6.4%)、セグメント利益24億79百万円(+12.6%、経常利益ベース)。主力の戸建分譲の販売棟数は693棟(戸建分譲607棟、土地分譲86区画、△13.8%)、売上高は230億04百万円(△6.7%)で、会社は期首の完成在庫が前年同期より少なかったこと、分譲用地の仕入が前年同期をやや下回ったことを挙げる。販売用不動産在庫の質の向上、商品力の強化、コスト管理の徹底で収益性を重視した販売が進み、利益率は前年同期を上回ったと説明する。1棟(区画)当たり売上高は約3,319万円(当社試算)。請負工事は引渡145棟(△8.8%)、売上高44億58百万円(△4.8%)で、新規受注がやや伸び悩んだ。注文住宅は、2024年10月に連結子会社化した株式会社KHCの付加価値の高い商品を強みとする
  • マンション事業等は売上高6億42百万円(△61.8%)、セグメント利益1億94百万円(△50.9%)。賃貸収益は6億42百万円(+7.7%)に増えたが、前年同期にあった賃貸用物件の分譲売上(保有目的を販売目的に変更した1物件37戸を含む42戸、8億29百万円)と特建事業の売上(2億51百万円)が今期はなかった。会社は賃貸マンション等の取得を進め、販売用収益物件も市場動向を見極めて取得・販売の機会を検討するとする。全社費用等の調整額は△8億05百万円(前年同期△9億32百万円)
  • 営業外収益は59百万円(前年同期42百万円)、営業外費用は1億62百万円(同1億33百万円)で、支払利息が1億59百万円(同1億26百万円、+26.5%)。経常利益は18億68百万円(+12.2%)。前年同期は公開買付関連費用65百万円を特別損失に計上していたが、今期は特別損益なし。法人税等は6億62百万円(負担率35.5%、前年同期36.1%、当社試算)、非支配株主に帰属する四半期純利益は68百万円(同35百万円)で、親会社株主に帰属する四半期純利益は11億37百万円(+15.3%)、1株当たり81.78円(同70.93円)
  • 資産面は、総資産617億11百万円(前期末比△75百万円)で、現金及び預金が△24億18百万円(198億89百万円)、販売用不動産が△7億20百万円(85億93百万円)と減り、有形固定資産が+16億34百万円(賃貸用不動産の新規取得。土地+10億53百万円、建物及び構築物+5億35百万円)、仕掛販売用不動産が+4億79百万円(126億79百万円)、未成工事支出金が+3億99百万円、投資有価証券が+4億89百万円(7億41百万円)。会社は、完成棟数が少なかった影響で仕掛販売用不動産が増え、販売用不動産が減ったと説明する
  • 負債は188億41百万円(前期末比△8億04百万円)。借入金(短期・1年内返済予定・長期)は137億92百万円(前期末142億60百万円、△4億68百万円、当社試算)で、短期借入金が+3億92百万円、1年内返済予定が△2億78百万円、長期が△5億82百万円、仕入債務が△1億60百万円。現金及び預金が借入金を約61億円上回る(当社試算)。純資産は428億70百万円(同+7億29百万円)で、利益剰余金が+5億39百万円(純利益11億37百万円、配当5億98百万円)、その他有価証券評価差額金が+1億29百万円。自己資本比率は67.0%(前期末65.8%)
  • 【要確認】通期予想は2025年12月15日公表から変更なし(売上高43,400百万円+1.2%、営業利益2,650百万円+6.4%、経常利益2,500百万円+6.3%、親会社株主に帰属する当期純利益1,500百万円+4.5%、1株当たり107.81円)。第3四半期累計の進捗は売上高65.2%、営業利益74.4%、経常利益74.7%、純利益75.9%。第4四半期に残る売上高は約151億円で、前期第4四半期(予想の増減率から逆算して約117億円)の約1.3倍、営業利益は約6億78百万円で前期第4四半期を約7〜8%下回る計算(当社試算)。第4四半期の引渡し計画は短信に記載がなく、会社は今後の販売棟数の確保に向け分譲用地の仕入に注力するとする
  • 配当は、2026年10月期が中間21円・期末予想22円の年43円で、前期と同額(修正なし)。配当性向(予想)は約39.9%(当社試算)。会社は市場環境について、戸建分譲は地価や建築コストの上昇に伴う住宅価格の高止まりや住宅ローン金利の上昇傾向で需要は力強さを欠き、住宅着工も基調として弱含みで、厳しい事業環境が続く見込みとしている

財政状態

総資産

61,711百万円

純資産

42,870百万円

自己資本比率

67.0%

現金及び預金

19,889百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2026年10月期 通期予想(変更なし)43,400百万円(進捗65.2%)+1.2%2,650百万円(進捗74.4%)+6.4%2,500百万円(進捗74.7%)+6.3%1,500百万円(進捗75.9%)+4.5%

注目ポイント

減収増益で、増益の主因は粗利益の伸びではなく販管費の削減である。売上総利益は前年とほぼ同額で、販管費が約2億12百万円減ったことが営業利益を押し上げた。戸建分譲の販売棟数は693棟(△13.8%)と減ったが、1棟当たり売上高は約3,319万円と大きく、収益性を重視した販売にシフトした形になっている。ただし、販管費の減少の内訳は短信に書かれていない。

貸借対照表では、現金及び預金が約24億円減った一方、賃貸用不動産の新規取得で有形固定資産が約16億円増えた。マンション事業等は、前年にあった分譲・特建の売上がなく、賃貸収益(+7.7%)に依存する構成になっている。今後は賃貸の積み上げと、戸建分譲の完成・引渡しのタイミングが利益の水準を左右する。

通期予想は据え置きだが、第3四半期累計の売上進捗は65.2%にとどまり、第4四半期に前期の約1.3倍の売上が必要な計算になる。一方、営業利益の進捗は74.4%と売上より高く、第4四半期の営業利益は前期を下回る計算になる。第4四半期に引渡しが集中する見込みなのか、販売状況を次の決算で確認したい。

出典:ファースト住建株式会社「令和8年10月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年9月4日開示)

この要約は運営者が原資料をもとに作成したものです。内容の正確性を保証するものではなく、投資判断は必ず原資料をご確認のうえご自身の責任で行ってください。本サイトの内容は投資勧誘を目的としたものではありません。