2026年6月期 決算サマリー
サマリー
「モッズ・ヘア」を展開するエム・エイチ・グループ(連結)の2026年6月期は、売上高が前期比0.3%増の18億50百万円とほぼ横ばいだった一方、原材料・人件費の上昇や本社移転、新店・アカデミー開設の費用が先行し、営業損失52百万円(前期は9百万円の損失)と赤字が拡大した。第三者割当増資の費用もあり、親会社株主に帰属する当期純損失は1億05百万円。7月に新株発行で約10億円を調達し(新株予約権の行使でさらに約35億円を見込む)、美容室運営会社の買収やAI事業子会社の設立を進めており、2027年6月期は売上高94.5%増、黒字転換を見込む。期末配当は無配とした。
売上高
1,850百万円
+0.3%営業利益赤字
△52百万円
前期は9百万円の損失経常利益赤字
△98百万円
前期は7百万円の損失親会社株主に帰属する当期純利益赤字
△105百万円
前期は17百万円の損失自己資本比率
22.0%
前期末28.4%年間配当
0円
前期0.50円ハイライト
- 売上高は1,850百万円(前期比+0.3%)。直営サロン運営・ヘアメイク・美容室支援事業が増収、BSサロン運営・キャリアデザイン事業が減収。原材料価格の高騰や人件費・物流費の増加、本社移転とモッズ・ヘアアカデミー開設、ECLARTとの業務提携に基づくカラー専門店「E:terne(エテルネ)大宮店」のオープン費用が先行し、営業損失は52百万円(前期は9百万円の損失)
- 営業外費用に第三者割当増資に係る株式交付費48百万円を計上し、経常損失は98百万円(前期は7百万円の損失)。BSサロン運営事業とヘアメイク事業の固定資産に減損損失3百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は105百万円(前期は17百万円の損失)。1株当たり△9.17円。期末配当は無配(前期0.50円)
- セグメント別では、直営サロン運営事業が売上高958百万円(+3.3%)、利益32百万円(△42.5%)。BSサロン(ブランドシェアサロン)運営事業は稼働店舗数の減少で売上高221百万円(△2.7%)、利益62百万円(△11.8%)。期末のBSサロンは国内33・韓国7・台湾4・中国2の計46店舗。ヘアメイク事業は売上高382百万円(+2.2%)、利益14百万円(+19.2%)、美容室支援事業は売上高122百万円(+1.1%)、利益76百万円(△2.2%)、キャリアデザイン事業は派遣件数の減少で売上高253百万円(△8.6%)、利益14百万円(+7.6%)
- 財政状態は、総資産1,870百万円(前期末比+96百万円)、純資産413百万円(△92百万円)、自己資本比率22.0%(前期末28.4%)。短期借入金が150百万円増え、短期貸付金50百万円を計上。営業CFは△71百万円(前期は29百万円の収入)、投資CFは△129百万円(差入保証金44百万円、短期貸付50百万円など)、財務CFは131百万円で、現金及び現金同等物は505百万円(前期末比△11.9%)
- 重要な後発事象として、5月22日決議の第三者割当で、7月に新株4,119,300株(1株243円)を発行して1,000百万円を調達。割当先はTF Baichuan Series SPC、Zorya Investment Global Limitedなど6者。当初予定していたShiny Trade Development Limitedへの2,057,600株(約500百万円)は全て失権した。あわせて第2回新株予約権143,200個(潜在株式14,320,000株、行使価額243円)を発行し、全て行使されれば約3,479百万円を調達する
- 【要確認】新株4,119,300株は自己株式を除く既存の発行済株式数(11,542,052株)の35.7%、新株予約権の潜在株式14,320,000株は同124.1%にあたり、全て行使された場合の希薄化は大きい(当社試算)。新株予約権の行使時期・行使の確実性は短信からは分からない
- 7月30日に美容室運営の株式会社オアシスLH(51%、取得原価250百万円)を子会社化し、その100%子会社でプロ野球球場などのレジャー施設内で飲食事業を営むレモンカンパニー東京が孫会社になった(同社グループ初の飲食事業)。7月31日にはAIソリューション事業・AIデータセンター事業・MaaS事業を担う100%子会社「株式会社MHAI」を設立したが、新規事業の開始は正式には機関決定していない。のれんの額は未確定
- 2027年6月期の予想は、売上高3,600百万円(+94.5%)、営業利益60百万円、経常利益50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益30百万円(いずれも黒字転換)、1株当たり1.94円。配当は期末0.50円に復配を予定。中期経営計画(2025年6月期〜2027年6月期)は、増資資金による新規事業投資を踏まえ、9月29日の定時株主総会後をめどに更新する予定。売上倍増予想の内訳(オアシスLH連結の寄与など)は短信に記載がない【要確認】
財政状態
総資産
1,870百万円
純資産
413百万円
自己資本比率
22.0%
現金及び現金同等物
505百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年6月期 通期予想 | 3,600百万円+94.5% | 60百万円黒字転換(前期は52百万円の損失) | 50百万円黒字転換(前期は98百万円の損失) | 30百万円黒字転換(前期は105百万円の損失) |
注目ポイント
既存事業は売上がほぼ横ばいのなか、コスト上昇と本社移転・新店・アカデミー開設などの先行費用で営業赤字が広がった。美容業界では節約志向による来店サイクルの長期化や美容師の流動化が続いており、会社は人材の確保・育成に一定のコストを許容する方針を示している。増資費用や減損も重なって純損失は約1億円に膨らみ、期末配当は無配となった。
今期の焦点は、7月に実行した第三者割当増資である。新株で約10億円を調達し、新株予約権がすべて行使されればさらに約35億円が入るが、潜在株式は既存株式の1.2倍超にあたり、行使が進めば1株当たりの価値は大きく薄まる。当初の割当先の一部は払い込まずに失権しており、予約権の行使がどこまで進むかは注視が必要だ。
調達資金を使って、美容室運営会社オアシスLHの買収(取得原価2.5億円)と、AIデータセンターなどを掲げる子会社MHAIの設立に踏み出した。来期は売上倍増・黒字転換を見込むが、その内訳や、美容室運営とAI事業をどう結びつけて収益化するのかは、更新予定の中期経営計画で確認したい。