2026年6月期 通期 決算サマリー
サマリー
賃貸住宅向けWi-Fiなどを手がけるファイバーゲート(連結)の2026年6月期(2025年7月〜2026年6月)は、医療・介護や学校向けの案件が伸びて売上高が前期比4.5%増の136億64百万円となった一方、顧客構成の変化による利益率の低下や再生可能エネルギー事業の費用増で、営業利益は同6.1%減の18億38百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同18.0%減の10億82百万円だった。今期は再エネと不動産の大幅な増収で売上高165億円(20.8%増)を見込むが、営業利益は18億70百万円(1.7%増)と小幅な増益にとどまる計画。配当は年27円を維持する。
売上高
13,664百万円
+4.5%営業利益
1,838百万円
△6.1%経常利益
1,811百万円
△6.8%親会社株主に帰属する当期純利益
1,082百万円
△18.0%営業利益率
13.5%
前期15.0%営業キャッシュ・フロー
2,443百万円
前期3,156百万円ハイライト
- 売上高は13,664百万円(前期比+4.5%)。売上総利益率は39.9%(前期41.5%、当社試算)に低下し、販管費も3,611百万円(+4.1%、当社試算)に増えて、営業利益は1,838百万円(△6.1%)、経常利益は1,811百万円(△6.8%)。非支配株主に帰属する利益が145百万円(前期は10百万円の損失)に増え、親会社株主に帰属する当期純利益は1,082百万円(△18.0%)、1株当たり53.79円。ROEは16.1%(前期21.6%)
- 通信事業(今期から地域別の営業体制に合わせてホームユースとビジネスユースを統合)は売上高13,162百万円(+4.9%)、セグメント利益3,059百万円(+3.2%)。賃貸物件への導入戸数は堅調で、ネットワークカメラなどのクロスセル商材も順調、医療・介護や学校向け案件が伸びた。顧客構成の変化で利益率は下がる傾向が続くが、機器の売切案件増加による原価高の影響は和らいでいるとしている
- 決算説明資料によると、レジデンスWi-Fiの接続済戸数は約74万戸で、ストック(継続課金)売上は上場以来33四半期連続で増収となった。一方、フロー売上は一進一退で、会社は上限を打ち破ることが課題としている
- 不動産事業は販売1件で売上高296百万円(△33.0%)、セグメント利益18百万円(△71.8%)。その他(再生可能エネルギー事業)は、子会社化したパワーでんきイノベーションなどの売上で売上高206百万円(+159.8%)となったが、事業強化の費用がかさみセグメント損失142百万円(前期は1百万円未満の損失)
- 当期にパワーでんきイノベーション、SmartGreen、アイワを連結子会社化した。総資産は13,097百万円(前期末比+953百万円)、純資産6,995百万円、自己資本比率53.3%(前期末53.1%)。販売用不動産が505百万円、短期借入金が491百万円増えた。営業CFは2,443百万円、投資CFは△1,461百万円(有形固定資産の取得1,363百万円など)
- 2027年6月期の予想は売上高16,500百万円(+20.8%)、営業利益1,870百万円(+1.7%)、経常利益1,820百万円(+0.5%)、純利益1,140百万円(+5.3%)。セグメント別売上高は通信事業14,370百万円(+9.2%)、不動産事業750百万円(+153.4%)、その他(再エネ等)1,380百万円(+568.6%)を見込む。法人向け案件が仕込みの時期に入ることや人件費などの固定費上昇はあるが、回線調達コストの上昇に歯止めがかかり、増収効果で吸収できるとしている。予想営業利益率は11.3%(当社試算)
- 会社は中期的に経常利益50億円を目指せる体制づくりを掲げている(決算説明資料)
- 配当は前期・当期とも年27円(中間13.5円・期末13.5円)で、当期の配当性向は50.2%。配当性向33%程度を基本としつつ、株主還元を重視して2027年6月期も年27円を維持する計画(予想配当性向47.7%)
財政状態
総資産
13,097百万円
純資産
6,995百万円
自己資本比率
53.3%
現金及び現金同等物
2,156百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年6月期 通期予想 | 16,500百万円+20.8% | 1,870百万円+1.7% | 1,820百万円+0.5% | 1,140百万円+5.3% |
注目ポイント
主力の通信事業は、賃貸住宅向けWi-Fiの継続課金収入が上場以来33四半期連続で増え、医療・介護や学校向けの案件も伸びて増収増益を確保した。ただ、連結では利益率の低下と、新たに育てている再生可能エネルギー事業の赤字が響き、営業減益となった。非支配株主に帰属する利益の増加もあり、最終利益は2割近く減った。
今期は売上高を2割増やす計画で、増収額の半分強を再エネ事業と不動産販売が占め、主力の通信事業は9%増の想定だ(当社試算)。一方で営業利益はほぼ横ばいを見込む。会社は、法人向け案件の仕込みや人件費などの固定費の上昇を増収効果で吸収するとしている。
配当性向の目安は33%程度だが、年27円の配当を据え置き、配当性向は5割近くになる。買収で広げた再エネ事業が計画どおり売上を伸ばし、赤字を脱せるかが、中期目標の経常利益50億円に向けた最初の試金石となる。