決算ノート
9824東証電線・ケーブルの専門商社(単一セグメント)
増収増益

2026年10月期 第3四半期 決算サマリー

サマリー

電線・ケーブルの専門商社である泉州電業(連結)の2026年10月期第3四半期累計(2025年11月〜2026年7月)は、銅価格の上昇と半導体製造装置向け・工作機械向けの需要回復で、売上高が前年同期比19.9%増の1,215億48百万円、営業利益が40.9%増の95億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が40.9%増の69億79百万円だった。 本日、通期予想と期末配当予想を上方修正し、通期の営業利益は125億50百万円(+40.2%)、年間配当は170円(前期150円)を見込む。

売上高

121,548百万円

+19.9%

営業利益

9,500百万円

+40.9%

経常利益

9,875百万円

+40.3%

親会社株主に帰属する四半期純利益

6,979百万円

+40.9%

売上総利益

18,336百万円

+18.9%

営業利益率

7.8%

前年同期6.7%

銅価格(期中平均、1トン当たり)

2,096千円

+44.7%

自己資本比率

48.1%

前期末52.7%

ハイライト

  • 売上高は1,215億48百万円(+19.9%)、営業利益は95億円(+40.9%)、経常利益は98億75百万円(+40.3%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は69億79百万円(+40.9%)。売上総利益は183億36百万円(+18.9%)で、売上総利益率は15.1%(前年同期15.2%)とほぼ横ばい、販管費は88億36百万円(+1.8%)にとどまったため、営業利益率は7.8%(同6.7%)に上がった(当社試算)。増収額(+約201億円)の大半が銅価格の上昇による単価上昇とみられるが、数量への寄与は短信に記載がない(【要確認】)
  • 会社は、電線の主材料である銅の価格が期中平均で1トン当たり2,096千円(前年同期1,449千円、+44.7%)に上昇したと説明する(期初1,730千円、安値1,700千円=2025年11月、高値2,370千円=2026年7月、第3四半期末2,360千円)。建設・電販向けの出荷量は前年同期より減少基調で、資材高騰や人手不足による工期の遅れがあった一方、半導体製造装置向けと工作機械向けの需要が回復した。提案型営業、配送体制の強化、新規得意先の開拓、既存得意先の深耕、新商品の拡販を進めた。電線・ケーブル事業の単一セグメントのため、セグメント別の開示はない
  • 営業外収益は5億19百万円(前年同期4億35百万円)で、受取利息75百万円(同35百万円)、受取配当金94百万円、受取家賃99百万円、為替差益39百万円。営業外費用は1億44百万円。特別利益は投資有価証券売却益5億55百万円(前年同期2億62百万円、上場株式1銘柄の売却)で、特別損失は減損損失89百万円(米国ミシガンの事業用資産、収益性の低下による。建物9百万円、機械装置10百万円、車両運搬具13百万円、リース資産49百万円、ソフトウエア5百万円など)。税金等調整前四半期純利益は103億41百万円(前年同期73億02百万円)、法人税等は33億22百万円(負担率32.1%、前年同期31.7%、当社試算)、四半期純利益は70億19百万円、非支配株主に帰属する四半期純利益は39百万円。1株当たり四半期純利益は408.08円(同285.21円)、四半期包括利益は75億49百万円(+47.8%)
  • 財政状態は、総資産1,302億97百万円(前期末比+192億95百万円)、純資産632億15百万円(同+42億91百万円)、自己資本比率48.1%(前期末52.7%)。流動資産が+193億19百万円(956億14百万円)で、現金及び預金が+78億82百万円(408億48百万円)、受取手形及び売掛金が+34億87百万円(255億16百万円)、電子記録債権が+42億57百万円(151億01百万円)、商品が+35億43百万円(113億50百万円)。売上債権は合計約406億円(同+約77億円、当社試算)で、総資産の約31%。固定資産は346億83百万円(同△24百万円)。負債は670億82百万円(同+150億03百万円)で、買掛金が+145億56百万円(597億88百万円)。銅価格の上昇と売上増で仕入債務・売上債権がともに膨らみ、総資産が増えた形で、自己資本比率が下がった(当社試算)
  • 資産のうち土地は127億51百万円(総資産の約10%)。有価証券・長期預金を含む金融資産は、現金及び預金408億円、有価証券20億円、長期預金30億円、投資有価証券41億円で計約499億円(総資産の約38%、当社試算)。借入金は短期借入金4億25百万円、社債21百万円(1年内14百万円を含む)と小さく、実質無借金。純資産は、利益剰余金が+43億24百万円(純利益+69.8億円、配当)、その他有価証券評価差額金が+3億16百万円、為替換算調整勘定が+2億30百万円。自己株式は2025年10月31日・2026年4月24日の決議に基づく142,000株の取得(8億47百万円)と、譲渡制限付株式報酬などの処分(△1億11百万円)の差で△7億36百万円増加した(残高△29億97百万円)
  • 配当は、中間80円(前期中間75円)、期末予想90円(前期期末75円)の年170円(前期150円)で、本日の「業績予想及び期末配当予想の修正」で期末配当予想を引き上げた(配当予想の修正あり)。配当性向(予想)は約31.6%(当社試算)
  • 【要確認】通期予想は本日修正(2026年6月4日公表からの変更)。修正後は売上高160,000百万円(+18.0%)、営業利益12,550百万円(+40.2%)、経常利益13,000百万円(+40.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益9,150百万円(+36.2%)、1株当たり538.05円。修正前の予想値と修正理由は、本日別途公表の「業績予想及び期末配当予想の修正に関するお知らせ」に記載されており、この短信には金額がない。第3四半期累計の進捗は売上高76.0%、営業利益75.7%、経常利益76.0%、純利益76.3%で、第4四半期に営業利益約30億50百万円(前期第4四半期は予想の増減率から逆算して約22億円、+約38%、当社試算)が必要。売上高は約384億円(前期第4四半期約342億円、+約12.5%)。銅価格は第3四半期末に2,360千円と期中平均より高い水準にあり、原価・売価に反映される価格動向が予想の前提となる。1株当たり当期純利益は自己株式の取得と取得予定等を考慮して算定している

財政状態

総資産

130,297百万円

純資産

63,215百万円

自己資本比率

48.1%

現金及び預金

40,848百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2026年10月期 通期予想(上方修正)160,000百万円(進捗76.0%)+18.0%12,550百万円(進捗75.7%)+40.2%13,000百万円(進捗76.0%)+40.2%9,150百万円(進捗76.3%)+36.2%

注目ポイント

銅価格の上昇(期中平均+44.7%)が売上を押し上げ、営業利益は+40.9%と大幅に伸びた。売上総利益率は15.1%とほぼ横ばいで、販管費の伸びが+1.8%にとどまったため、増収がそのまま営業利益率の上昇(6.7%→7.8%)につながった。半導体製造装置向けと工作機械向けの回復が加わった一方、建設・電販向けは工期の遅れなどで出荷量が減っている。

銅価格が上がると仕入債務と売上債権が同時に膨らむため、総資産が193億円増え、自己資本比率は52.7%から48.1%に下がった。現金及び預金も78億円増えて408億円になり、借入金がほぼない実質無借金の構造は変わらない。銅価格が下がる局面では、逆に売上・在庫評価が縮む可能性があるが、短信にそのような見通しは書かれていない。

会社は本日、通期予想と期末配当予想を引き上げた。年間配当は170円(前期150円)で、営業利益の進捗は75.7%と3四半期で約4分の3に達している。修正前の予想と修正の理由は本日別途公表の資料にあり、この短信には載っていないため、上方修正の幅は原資料で確認したい。

出典:泉州電業株式会社「2026年10月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年9月4日開示)

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