決算ノート
2502東証ビール・酒類、飲料、食品(日本・東アジア、欧州、アジアパシフィック)
増収増益

2026年12月期 第2四半期(中間期) 決算サマリー

サマリー

アサヒグループホールディングス(連結、IFRS)の2026年12月期中間期(2026年1〜6月)は、欧州とアジアパシフィックが為替の追い風もあって2桁増収となり、売上収益が前年同期比7.7%増の1兆4,639億63百万円となった。一方、2025年9月のサイバー攻撃に伴うシステム障害の影響が残る日本・東アジアは減収減益で、事業利益は同1.5%増の1,113億54百万円にとどまった。その他の営業収益の増加で営業利益は同56.2%増、親会社の所有者に帰属する中間利益は同68.8%増の991億48百万円。為替の影響を除くと、売上収益は0.6%減収、事業利益は8.5%減益だった。

売上収益

1,463,963百万円

+7.7%

事業利益

111,354百万円

+1.5%

営業利益

144,143百万円

+56.2%

親会社の所有者に帰属する中間利益

99,148百万円

+68.8%

調整後親会社の所有者に帰属する中間利益

73,001百万円

+8.2%

親会社所有者帰属持分比率

50.8%

前期末49.8%

ハイライト

  • 売上収益は1,463,963百万円(前年同期比+7.7%)、事業利益(売上収益から売上原価・販管費を差し引いた同社独自の指標)は111,354百万円(+1.5%)で、事業利益率は7.6%(前年同期8.1%、当社試算)。為替の影響を除くと売上収益は△0.6%、事業利益は△8.5%で、増収増益は円安による押し上げが大きい
  • その他の営業収益が44,072百万円(前年同期2,143百万円)に増え、営業利益は144,143百万円(+56.2%)。親会社の所有者に帰属する中間利益は99,148百万円(+68.8%)、基本的1株当たり67.79円。一時的な特殊要因を除いた調整後の中間利益は73,001百万円(+8.2%)
  • 日本・東アジアは、価格改定効果があったものの、サイバー攻撃によるシステム障害の影響などで売上収益635,091百万円(△2.2%)、事業利益50,405百万円(△11.2%)。原材料関連費用も増えた。『アサヒスーパードライ』の販促強化や、9年ぶりのスタンダードビールの新ブランド『アサヒ ゴールド』の発売、ノンアルコールの「スマートドリンキング」推進などに取り組んだ
  • 欧州は主要国の販売数量が減ったが、プレミアムビールの堅調と為替で売上収益405,305百万円(+13.7%)、事業利益51,202百万円(+8.7%)。アジアパシフィックは各国の主力ブランドが堅調で売上収益411,990百万円(+19.0%)、事業利益44,130百万円(+18.0%)。ただし為替の影響を除くと、欧州は事業利益△6.1%、アジアパシフィックは△0.2%
  • 財政状態は、資産合計6,275,926百万円(前期末比+247,512百万円)、資本合計3,193,656百万円、親会社所有者帰属持分比率50.8%(前期末49.8%)。中間包括利益は226,728百万円
  • 通期予想は修正なし。売上収益3,220,000百万円(+11.2%)、事業利益291,000百万円(+10.6%)、営業利益297,000百万円(+59.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益194,000百万円(+59.6%)、基本的1株当たり129.71円。中間期の進捗は、売上収益45.5%、事業利益38.3%、営業利益48.5%、当期利益51.1%(当社試算)
  • 【要確認】その他の営業収益44,072百万円の内容は短信の本文に説明がない(キャッシュ・フロー計算書では有形固定資産の売却による収入が37,674百万円と前年同期の2,512百万円から大きく増えている)。事業利益の通期進捗は38.3%で、下期に大きな伸びが必要となる根拠も短信からは読み取れない
  • 配当は中間26円、期末31円の年57円を予想(前期52円)。2025年9月29日に発生したサイバー攻撃に伴い決算発表を延期したことについて、短信の冒頭でおわびしている

財政状態

資産合計

6,275,926百万円

資本合計

3,193,656百万円

親会社所有者帰属持分比率

50.8%

次期業績予想

決算期売上収益事業利益営業利益親会社の所有者に帰属する当期利益
2026年12月期 通期予想(修正なし)3,220,000百万円(進捗45.5%)+11.2%291,000百万円(進捗38.3%)+10.6%297,000百万円(進捗48.5%)+59.8%194,000百万円(進捗51.1%)+59.6%

注目ポイント

見た目は増収増益だが、中身は為替に支えられた決算である。欧州とアジアパシフィックはいずれも2桁の増収増益だったが、為替の影響を除くと売上はほぼ横ばい、事業利益は減益となる。グループ全体でも、為替一定では売上収益0.6%減、事業利益8.5%減だった。

本拠地の日本・東アジアは、2025年9月のサイバー攻撃によるシステム障害の影響が続き、原材料費の上昇も重なって事業利益が1割強減った。スーパードライのてこ入れや新ブランドの投入で立て直しを進めているが、回復はこれからである。最終利益が7割近く増えたのは、その他の営業収益が約440億円に膨らんだためで、資産売却などの一時的な要因とみられる(当社推定)が、短信に内訳の説明はない。

通期では事業利益10.6%増を見込むが、中間期の進捗は4割弱にとどまり、下期に大きな伸びが必要になる。日本事業の回復が本格化するかと、為替の動向が下期の鍵を握る。

出典:アサヒグループホールディングス株式会社「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年8月14日開示)

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