2027年3月期 第1四半期 決算サマリー
サマリー
ビットコインを中心とする暗号資産の保有と電力小売を手がけるリミックスポイント(連結)の2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)は、6月末の暗号資産の時価下落で評価損19億45百万円を売上高から差し引き、売上高が前年同期比7.1%減の60億35百万円、営業損益は17億17百万円の赤字(前年同期は17億41百万円の黒字)となった。一方、電力小売のエネルギー事業は売上高が84.3%増、利益が3.3倍と好調だった。8月28日には、同事業の子会社株式51%を光通信グループに譲渡するのに伴い、通期予想の売上高を30,050〜37,385百万円に引き下げ、純利益は株式譲渡益などで7,208〜13,256百万円に引き上げた。
売上高
6,035百万円
△7.1%営業利益赤字
△1,717百万円
前年同期は1,741百万円の利益経常利益赤字
△1,775百万円
前年同期は1,760百万円の利益親会社株主に帰属する四半期純利益赤字
△1,774百万円
前年同期は2,283百万円の利益暗号資産評価損(売上高から控除)
1,945百万円
エネルギー事業 セグメント利益
611百万円
+233.9%自己資本比率
65.8%
前期末86.5%ハイライト
- 売上高は6,035百万円(前年同期比△7.1%)。デジタルアセットマネジメント事業で、6月末の保有暗号資産の時価に基づく評価損1,945百万円を売上高の減少として計上した(暗号資産の運用による売上高は78百万円)。同事業の売上高は△1,890百万円、セグメント損失1,890百万円(前年同期はセグメント利益1,970百万円)。売上総損益は△753百万円となり、営業損失は1,717百万円、経常損失は1,775百万円、純損失は1,774百万円(1株当たり△12.11円)
- 6月30日時点までに総額239億円分のビットコインを中心とする暗号資産を取得済み。会社は、中東情勢によるリスクオフや国債利回りの上昇、米国現物ETFからの資金流出で、2026年6月は月間約20%の下落となったとしている
- エネルギー事業(電力小売)は売上高7,627百万円(+84.3%)、セグメント利益611百万円(+233.9%)。JEPX取引価格の上昇が販売単価を押し上げ、高圧・低圧とも需要家数と販売電力量が伸びた(高圧の総契約容量は前年同期比約71.6%増)。蓄電ソリューション事業は家庭用蓄電システム「remixbattery」などの販売が伸び、売上高297百万円(+28.8%)、セグメント利益13百万円(前年同期は9百万円の損失)
- 財政状態は、総資産32,642百万円(前期末比+4,920百万円)、純資産23,474百万円(△514百万円)、自己資本比率65.8%(前期末86.5%)。有形固定資産が3,954百万円、売掛金が1,986百万円増え、負債は短期借入金3,000百万円・買掛金1,134百万円の増加で9,167百万円(+5,435百万円)
- 【8月28日公表】エネルギー事業を承継する子会社リミックスでんきの株式51%を、光通信グループのH-Powerホールディングスに2026年10月1日付で譲渡することを8月27日に決議。譲渡後は光通信グループが経営主体となり、残る49%は持分法適用関連会社として取り込む。あわせて光通信グループとは蓄電池事業で協業し、ナピル(EMS)・REXEV(VPP運用)とも業務提携した
- 【8月28日修正】通期予想(レンジ)を修正。売上高48,777〜56,112百万円→30,050〜37,385百万円、営業利益6,723〜14,058百万円→4,651〜11,893百万円、経常利益6,485〜13,820百万円→5,178〜12,420百万円、純利益5,319〜11,443百万円→7,208〜13,256百万円。第3四半期以降はエネルギー事業の売上高・営業利益が計上されなくなる一方、株式譲渡に伴う特別利益を見込む。前期実績は売上高17,751百万円、純損失4,740百万円
- 【要確認】通期予想は暗号資産価格の前提(BTC 8.6万〜11.6万ドル)に大きく依存し、保有暗号資産の評価益を4,707〜12,042百万円と見込む。会社は一部の暗号資産は下限前提を上回る水準まで回復しているとするが、上回っているのはETHとSOLで、BTC・XRP・DOGEは下回っている。保有暗号資産の評価額(下限前提ベース)21,465百万円のうち約96%をBTC(20,590百万円)が占めており(当社試算)、そのBTCの8月28日時点の時価は80,285ドルと下限前提(86,000ドル)を下回っている。BTC価格次第で業績が大きく変わる。中期経営計画の数値目標もエネルギー事業の連結除外を反映して修正された(2027年3月期の蓄電ソリューション事業の売上高目標は6,748→7,045百万円に引き上げ)
- 配当は期末3円(前期5円)の予想で、業績が特別に好調な場合は特別配当を検討するとしている。決算補足説明資料は「有」
財政状態
総資産
32,642百万円
純資産
23,474百万円
自己資本比率
65.8%
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年3月期 通期予想(8月28日修正後・レンジ) | 30,050〜37,385百万円 | 4,651〜11,893百万円黒字転換(前期は5,477百万円の損失) | 5,178〜12,420百万円黒字転換(前期は5,501百万円の損失) | 7,208〜13,256百万円黒字転換(前期は4,740百万円の損失) |
注目ポイント
第1四半期は、6月の暗号資産相場の下落で約19億円の評価損を売上高から差し引いたことで、営業赤字に転落した。同社はビットコインを中心に取得総額約239億円の暗号資産を持っており、四半期ごとの損益は暗号資産価格に大きく左右される。一方で本業の電力小売は、JEPX価格の上昇と契約数の伸びで利益が3倍超に増えており、事業そのものは好調だった。
その好調なエネルギー事業を、会社は光通信グループに51%譲渡する。10月以降は売上から外れ、持分法投資損益として取り込む形に変わるため、通期の売上高予想は3〜4割引き下げられた。一方で株式譲渡益が見込まれ、純利益予想はむしろ上方修正された。今後は暗号資産と蓄電池を柱とする事業構成に大きく変わることになる。
通期予想は、ビットコイン価格を8.6万〜11.6万ドルと置いたレンジ予想で、評価益の見込みだけで47億〜120億円の幅がある。保有する暗号資産の評価額の大半を占めるビットコインは、8月28日時点で8万ドル余りと下限の前提(8.6万ドル)を下回っており、暗号資産の値動き次第で着地は大きくぶれる。今後の柱となる蓄電池事業がどこまで育つかと合わせて、慎重に見ていく必要がある。