2026年12月期 第1四半期 決算サマリー
サマリー
ポンプや半導体製造装置を手がける荏原製作所(連結、IFRS)の2026年12月期第1四半期(2026年1〜3月)は、AI向け需要で精密・電子の受注が倍増し、受注高が前年同期比62.6%増の3,249億円となった。売上収益は同15.8%増の2,463億円、営業利益は同18.4%増の267億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同16.0%増の183億円で、いずれも第1四半期として過去最高。持分法適用会社の水ingの株式譲渡益を見込み、通期の当期利益予想を866億円から995億円に引き上げた。
受注高
324,951百万円
+62.6%売上収益
246,311百万円
+15.8%営業利益
26,749百万円
+18.4%税引前利益
26,940百万円
+16.7%親会社の所有者に帰属する四半期利益
18,322百万円
+16.0%精密・電子 セグメント利益
13,531百万円
+63.9%ハイライト
- 受注高は324,951百万円(前年同期比+62.6%)、売上収益は246,311百万円(+15.8%)、営業利益は26,749百万円(+18.4%、営業利益率10.9%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は18,322百万円(+16.0%)。いずれも第1四半期として過去最高
- 精密・電子は、AI向け需要で顧客の工場稼働率と増産投資が拡大し、ロジック/ファウンドリ向けを中心に受注高151,225百万円(+104.4%)。売上収益82,949百万円(+32.9%)、セグメント利益13,531百万円(+63.9%)
- エネルギーは受注高55,752百万円(+31.7%)と増えたが、期初受注残の減少で売上収益46,575百万円(△4.2%)。中東情勢による部品出荷の遅れ、人件費増、水素事業の関連費用で、セグメント損益は1,666百万円の損失(前年同期は1,979百万円の利益)
- 建築・産業は売上収益63,075百万円(+12.0%)、セグメント利益4,408百万円(+1.8%)。インフラは売上収益23,271百万円(+8.1%)、セグメント利益6,126百万円(+9.4%)。環境は公共向け廃棄物処理施設の新設・長期包括運営の大型案件などで受注高32,494百万円(前年同期3,382百万円)、セグメント利益6,174百万円(+103.2%)
- 【修正】通期予想は受注高1兆700億円、売上収益1兆200億円、営業利益1,250億円を据え置き、税引前利益を1,219億円から1,420億円(前期比+28.0%)、親会社の所有者に帰属する当期利益を866億円から995億円(+29.8%)に引き上げた。持分法適用会社の水ingの株式を2026年7月1日にインフロニア・ホールディングスへ譲渡する予定で、その利益計上を見込む。第2四半期累計の営業利益予想は505億円から495億円に下げた
- 決算説明資料によると、中東情勢の影響は主にエネルギーと建築・産業で見込まれるが、2026年6月末まで現状が続く前提で直接影響額は予想に織り込み済みで、業績への影響は現時点で限定的としている
- 財政状態は、資産合計1兆1,085億円(前期末比+263億円)、資本合計5,296億円、親会社所有者帰属持分比率46.8%。配当金141億円を支払った。配当は中間33円・期末33円の年66円(前期59円)の予想
- 第1四半期の通期予想に対する進捗率は、売上収益24.1%、営業利益21.4%(当社試算)
財政状態
資産合計
1,108,504百万円
資本合計
529,618百万円
親会社所有者帰属持分比率
46.8%
次期業績予想
| 決算期 | 売上収益 | 営業利益 | 税引前利益 | 親会社の所有者に帰属する当期利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年12月期 通期予想(5月15日修正) | 1,020,000百万円(据え置き)+6.4% | 125,000百万円(据え置き)+9.8% | 142,000百万円(従来121,900百万円)+28.0% | 99,500百万円(従来86,600百万円)+29.8% |
注目ポイント
AI向けの半導体投資が業績を押し上げた。精密・電子の受注は前年同期の2倍に増え、利益も6割以上伸びた。顧客の工場稼働率の上昇でサービスの受注も増えており、装置と保守の両面で需要が強い。環境でも大型の廃棄物処理施設を受注し、全社の受注高は6割増と大きく伸びた。
一方、エネルギーは赤字に転じた。受注残の減少による減収に加え、中東情勢で部品の出荷が遅れ、水素事業の費用も重なった。会社は中東情勢の影響は限定的としているが、状況が長引けばエネルギーや建築・産業の業績に響くおそれがある。
通期の当期利益予想の引き上げは、水ingの株式譲渡益という一時的な利益によるもので、営業利益の予想は据え置いた。積み上がった精密・電子の受注が下期の売上にどう反映されるかが、営業利益予想の上振れ余地を左右する。