2027年3月期 第1四半期 決算サマリー
サマリー
羽田空港の旅客ターミナルを運営する日本空港ビルデング(連結)の2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)は、旅客数の増加と円安を背景にした免税店売上の好調で、営業収益が前年同期比7.4%増の741億26百万円となった。販管費がほぼ横ばいにとどまり、営業利益は同40.7%増の143億62百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同34.4%増の84億18百万円と大幅な増益。会社は予想を上回って進捗しているとしつつ、為替や中東情勢を理由に業績予想を据え置いた。
営業収益
74,126百万円
+7.4%営業利益
14,362百万円
+40.7%経常利益
13,552百万円
+36.9%親会社株主に帰属する四半期純利益
8,418百万円
+34.4%売上高営業利益率
19.4%
前年同期14.8%(当社試算)国際線売店売上
25,500百万円
+10.1%自己資本比率
41.4%
前期末42.7%ハイライト
- 営業収益は74,126百万円(前年同期比+7.4%)。営業総利益は48,931百万円、販管費は34,568百万円(+0.8%、当社試算)と修繕費や水道光熱費が増えながらもほぼ横ばいで、営業利益は14,362百万円(+40.7%)、営業利益率は19.4%(前年同期14.8%、当社試算)。支払利息が1,093百万円(前年同期885百万円)に増え、経常利益は13,552百万円(+36.9%)、四半期純利益は8,418百万円(+34.4%)。1株当たり90.70円
- 第1四半期の羽田空港の旅客数は、前年比で国内線+2%、国際線+4%と堅調。会社は、日中関係の悪化や中東情勢の影響が引き続きみられるものの、羽田では中国の訪日自粛の影響は軽微にとどまったとしている
- 施設管理運営業は売上高31,015百万円(+9.5%)、利益8,670百万円(+40.9%)。家賃収入はテナント事務室の契約条件見直しと歩合賃料の増加で+11.7%。施設利用料収入は旅客増に加え、前年4月に改定した国内線の旅客取扱施設利用料(PSFC)の効果が通期で表れ+7.4%。その他の収入は駐車場の価格改定や、4月から羽田国際線で保安検査の事務・業務の一部受託を始めたことで+11.0%
- 物品販売業は売上高39,788百万円(+6.4%)、利益8,238百万円(+24.2%)。旅客単価の上昇で売店売上は旅客数の伸びを上回った。国際線売店売上は25,500百万円(+10.1%)で、円安を追い風に人気ブランド商品の在庫確保やポップアップ店舗が奏功し、羽田免税店の売上は四半期として過去最高を更新。一方、成田の店舗は一部免税店の改装閉店で前年を下回り、地方空港の卸売上も中国の訪日自粛の影響で減少した
- 飲食業は売上高4,788百万円(+5.5%)、利益265百万円(+33.8%)。機内食は前年下期の単価改定と外国航空会社の搭乗率向上で+9.4%。人件費や業務委託費が上がるなか、食材原価率の低減で利益率が改善した
- 財政状態は、総資産517,358百万円(前期末比+25,385百万円)、純資産236,501百万円、自己資本比率41.4%(前期末42.7%)。現金及び預金は営業収益の増加に伴い増えた。負債は、固定資産取得に係る未払金が減った一方、4月に発行した無担保普通社債300億円(設備投資・借入金返済に充当)で18,770百万円増えた。第1ターミナル北側サテライト(羽田空港初の木造・鉄骨ハイブリッド構造)の建設工事が5月に完了し、9月に供用開始予定
- 業績予想(2026年5月8日公表)は修正なし。第2四半期累計は営業収益145,000百万円(+2.4%)、営業利益23,300百万円(+8.6%)、通期は営業収益296,700百万円(+2.4%)、営業利益45,600百万円(+1.2%)、経常利益45,800百万円(+4.8%)、純利益24,200百万円(△17.0%)。第1四半期の進捗は、累計予想に対し営業収益51.1%・営業利益61.6%・経常利益56.9%・純利益56.1%、通期に対し25.0%・31.5%・29.6%・34.8%(当社試算)。会社は売上・利益とも予想を上回って進捗しているとしている
- 【要確認】通期の純利益は△17.0%の減益予想だが、その理由は第1四半期の短信に記載がない(前期の特別利益の有無などを前期の決算資料で確認が必要)。8月24日には、同日決議した株式の売出しに関連して監査法人の期中レビューを受けた短信が再開示された(数値の変更なし、レビュー結論は無限定)。配当は中間48円・期末47円の年95円(前期95円)の予想で修正なし
財政状態
総資産
517,358百万円
純資産
236,501百万円
自己資本比率
41.4%
1株当たり純資産
2,308.66円
次期業績予想
| 決算期 | 営業収益 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2027年3月期 第2四半期累計予想(修正なし) | 145,000百万円(進捗51.1%)+2.4% | 23,300百万円(進捗61.6%)+8.6% | 23,800百万円(進捗56.9%)+16.8% | 15,000百万円(進捗56.1%)+11.9% | — |
| 2027年3月期 通期予想(修正なし) | 296,700百万円(進捗25.0%)+2.4% | 45,600百万円(進捗31.5%)+1.2% | 45,800百万円(進捗29.6%)+4.8% | — | 24,200百万円(進捗34.8%)△17.0% |
注目ポイント
営業収益の伸びは7%台だったが、コストがほぼ横ばいだったため営業利益は4割増えた。羽田の旅客数増に加え、円安を追い風に免税店の売上が四半期として過去最高となり、施設利用料の改定効果や駐車場の値上げ、保安検査業務の受託なども上乗せされた。販管費は0.8%増にとどまり、増収分の多くが利益に残った。
会社自身も予想を上回って進捗していると認めているが、予想は据え置いた。営業利益は第1四半期だけで第2四半期累計予想の6割、通期予想の3割を超えている(当社試算)。第2四半期累計予想の達成に必要な7〜9月の営業利益は約89億円で、第1四半期(約144億円)を大きく下回る水準にとどまる。
一方で、4月に社債300億円を発行して負債が約188億円増え、支払利息は2割強増えた。第1ターミナル北側サテライトは9月に供用を始める。通期で純利益が17%減の予想となっている理由は短信になく、確認が必要だ。