2026年3月期 通期 決算サマリー
サマリー
企業向けの人材開発研修を手がけるウィルソン・ラーニング ワールドワイド(連結)の2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)は、日本の大型案件や米国の増収で売上高が前期比13.8%増の19億21百万円となり、営業損失は70百万円(前期は3億93百万円の損失)に縮小したが、親会社株主に帰属する当期純損失は1億40百万円と赤字が続いた。短信には「継続企業の前提に関する注記」が付いており、会社は金融機関などからの新たな資金調達の見通しが得られていないとして、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在すると認識している。今期の業績予想は未定。
売上高
1,921百万円
+13.8%営業利益赤字
△70百万円
前期は393百万円の損失経常利益赤字
△91百万円
前期は385百万円の損失親会社株主に帰属する当期純利益赤字
△140百万円
前期は386百万円の損失現金及び現金同等物
364百万円
前期末204百万円自己資本比率
54.8%
前期末46.0%ハイライト
- 【重要】「継続企業の前提に関する注記」が付いている。2020年3月期以降の売上高の大幅な減少と損失の継続に加え、今後追加の運転資金調達の重要性が増すと想定されるなか、金融機関などからの新たな資金調達の見通しが得られていないとして、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象・状況が存在すると説明。収益構造の改善や資本増強策を進めているが、資本の増強策の見通しも得られておらず、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在すると認識している
- 売上高は1,921百万円(前期比+13.8%)。販管費はコスト削減で減ったが、過年度の連結財務諸表の訂正に関連する費用が引き続き発生し、営業損失は70百万円(前期は393百万円の損失)、経常損失は91百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は140百万円(1株当たり△14.33円)
- 地域別では、国内が大型案件の受注で売上高842百万円(+15.9%)、営業損失50百万円(前期は163百万円の損失)。北米は欧州事業の移管と米欧の営業管理の一元化で売上高1,122百万円(+35.1%)、営業損失218百万円(前期は321百万円の損失)。アジア・パシフィックはインドが好調で売上高164百万円(+19.1%)。中国は清算に向けて事業を縮小中
- 【要確認】北米セグメントの説明で、本文は米国の売上高を「前期比25%増」と記載する一方、同じ段落のセグメント売上高は「前期比35.1%増」となっており、数値が一致しない(対象範囲の違いかどうかは短信から判断できない)
- 財務基盤の安定化策として、2025年8月に第三者割当による新株式と第3回新株予約権を発行し、払込みを完了した。純資産は776百万円(前期末比+80百万円)、自己資本比率54.8%(前期末46.0%)。営業CFは3百万円の支出(前期は348百万円の支出)、財務CFは170百万円の収入で、現金及び現金同等物は364百万円
- 2026年2月に米アリゾナ州立大学サンダーバード・グローバル経営大学院とグローバル人材育成分野で戦略的パートナーシップを結んだ。過年度に利益剰余金と為替換算調整勘定の間で計上区分の誤りがあり、前期首の数値を修正再表示した(損益への影響はない)
- 2027年3月期の業績予想と配当予想は、未確定な要素が多いとして未定。前期・当期とも無配
財政状態
総資産
1,406百万円
純資産
776百万円
自己資本比率
54.8%
現金及び現金同等物
364百万円
次期業績予想
| 決算期 | 業績予想 |
|---|---|
| 2027年3月期 通期予想 | 未定(数値で示すことが困難なため) |
注目ポイント
企業向けの人材開発研修を手がける同社は、売上が1割強伸び、営業赤字は前期の4億円近くから7千万円まで縮まった。日本の大型案件と、欧州事業を移管した米国の増収が寄与した。ただ、過年度の決算訂正に関わる費用も続き、最終赤字からは抜け出せていない。
最も重いのは、短信に「継続企業の前提に関する注記」が付いている点だ。会社は、今後追加の運転資金が必要になる一方で、金融機関からの新たな資金調達の見通しが立っていないとし、事業継続に重要な不確実性があると認めている。2025年8月には第三者割当による新株と新株予約権の発行で資金を補ったが、さらなる資本増強策の見通しも得られていないという。
期末の現預金は3億6千万円強で、今期の業績予想は未定とした。赤字縮小の流れを黒字化まで持っていけるかと、資金調達の行方を注視する必要がある。