2026年6月期 通期 決算サマリー
サマリー
IPアドレスから位置や組織を判定するデータベースを提供するGeolocation Technology(非連結)の2026年6月期(2025年7月〜2026年6月)は、サブスクリプション売上が前期比9.9%増の5億89百万円と伸び、売上高は同3.6%増の7億10百万円となった。人員増強や本社拡張などの先行投資で、営業損失は71百万円(前期は37百万円の利益)。売上高は予想(7億31百万円)を下回ったが、営業損失は予想(79百万円)より小さかった。2027年6月期は売上高7億60百万円(+7.0%)、営業利益17百万円と黒字転換を見込み、採用計画を見直してAI活用による生産性向上を軸に据える。
売上高
710百万円
+3.6%営業利益赤字
△71百万円
前期37百万円経常利益赤字
△64百万円
前期38百万円当期純利益赤字
△55百万円
前期18百万円サブスクリプション売上
589百万円
+9.9%期末MRR
49.0百万円
+11.8%ハイライト
- 売上高は710百万円(前期比+3.6%)。決算説明資料によると、「SURFPOINT」「どこどこJP」などのサブスクリプション売上は589百万円(+9.9%)、期末のMRR(月次経常収益)は49.0百万円(前期末比+11.8%)に増えた
- 売上高が24百万円増えた一方、人員増強に伴う人件費や本社の拡張・改修費用で売上原価が36百万円、販管費が96百万円増え、営業損失71百万円(前期は37百万円の利益)、当期純損失55百万円(前期は18百万円の利益)
- 期初予想(売上高731百万円、営業損失79百万円、純損失51百万円)に対し、売上高は2.9%下回り(当社試算)、営業損失は8百万円小さかった。第4四半期(4〜6月)単独は売上高171百万円、営業損失37百万円となった計算(当社試算)
- 「どこどこJP」は解約件数が想定を上回ったが、マルチサイトプランや通信キャリア向けの高単価案件で売上が増えた。Web制作・受託開発は大型案件がなく、SEO支援案件が下支えした
- データ・サービス基盤の強化に向けて無形固定資産55.9百万円を取得し、ソフトウエア仮勘定が63百万円増えた。営業CFは52百万円、投資CFは74百万円の支出で、現金及び現金同等物は478百万円(前期末621百万円)。自己資本比率は74.5%
- 2027年6月期の予想は売上高760百万円(+7.0%)、営業利益17百万円、経常利益18百万円、当期純利益12百万円と黒字転換を見込む。会社は人員数の拡大を前提とした採用計画を見直し、AIを活用した業務効率化と人材育成による成長体制に転換するとしている
- 配当は年10円(前期10円)で、2027年6月期も年10円を予想。8月17日に決算短信の配当支払開始予定日を9月30日から9月28日に訂正した
- 2030年6月期に売上高30億円、営業利益率30%をめざす成長ビジョン「REBOOT303030」は維持。IP Geolocationを「AIの判断根拠」となる共通基盤に育てるとし、社内で蓄積したデータ収集・分析技術のサービス化などを重点テーマに掲げた
財政状態
総資産
711百万円
純資産
530百万円
自己資本比率
74.5%
現金及び現金同等物
478百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年6月期 通期予想 | 760百万円+7.0% | 17百万円前期△71百万円 | 18百万円前期△64百万円 | 12百万円前期△55百万円 |
注目ポイント
先行投資の年と位置づけた2026年6月期は、計画どおり営業赤字となった。サブスクリプション売上は1割近く伸び、月次の経常収益も12%増えており、ストック型の収益基盤は着実に積み上がっている。一方で、全体の売上は予想に届かなかった。
2027年6月期は増収と営業黒字への転換を見込む。注目したいのは方針の転換だ。会社はこれまでの人員数の拡大を前提とした採用計画を見直し、AIを使った業務効率化と人材育成で成長する体制に切り替えるとしている。人材獲得が計画どおりに進まなかったことも背景にあるとみられる(当社推定)。
2030年6月期に売上高30億円という目標は維持したが、来期予想の7億6千万円とは大きな開きがある。先行投資したデータ基盤のサービス化などで、成長の角度を高められるかが焦点になる。