2026年6月期 通期 決算サマリー
サマリー
コンクリートの切断・穿孔工事を手がける第一カッター興業(連結)の2026年6月期(2025年7月〜2026年6月)は、高速道路リニューアル工事の受注減で売上高が前期比0.7%減の200億89百万円、販管費の増加で営業利益は同0.1%減の16億45百万円と横ばいだった。投資有価証券売却益の計上で、親会社株主に帰属する当期純利益は同20.5%増の16億円。第3四半期までの累計(17億74百万円)から第4四半期は営業赤字となり(当社試算)、営業利益は2月に上方修正した予想(19億25百万円)を14.5%下回った(当社試算)。期末配当は40円から45円に増やし、最大10億円の自社株買いも決めた。
売上高
20,089百万円
△0.7%営業利益
1,645百万円
△0.1%経常利益
1,886百万円
+5.3%親会社株主に帰属する当期純利益
1,600百万円
+20.5%年間配当
45円
前期40円自己資本比率
86.4%
前期末86.4%ハイライト
- 売上高(完成工事高)は20,089百万円(前期比△0.7%)。工事採算の改善と施工効率の向上で完成工事総利益は6,175百万円(総利益率30.7%、前期28.8%=当社試算)に増えたが、販管費が4,529百万円(+8.3%、当社試算)に増え、営業利益は1,645百万円(△0.1%)
- 持分法による投資利益143百万円(前期90百万円)などで経常利益は1,886百万円(+5.3%)。投資有価証券売却益336百万円を特別利益に計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は1,600百万円(+20.5%)、1株当たり142.23円
- 第3四半期累計の営業利益は1,774百万円だったため、第4四半期(4〜6月)単独では129百万円の営業損失となった計算(当社試算)。会社は高速道路関連工事を中心に「第4四半期以降の発注環境に変化が生じている」としている
- 2026年2月に上方修正した通期予想に対し、売上高は2.0%、営業利益は14.5%、純利益は2.6%下回った(当社試算)
- 切断・穿孔工事事業は高速道路リニューアル工事の受注減で完成工事高19,421百万円(△1.0%)、外注加工費などの経費抑制でセグメント利益2,836百万円(+2.6%)。ビルメンテナンス事業は完成工事高667百万円(+8.8%)、セグメント利益52百万円(△6.7%)
- 財政状態は、総資産23,405百万円(前期末比+1,158百万円)、純資産20,357百万円、自己資本比率86.4%。営業CFは2,826百万円の収入、有形固定資産の取得1,559百万円などで投資CFは1,875百万円の支出。現金及び現金同等物は8,655百万円(現金及び預金は10,879百万円)
- 株主還元:8月14日に期末配当予想を40円から45円に増額(前期40円、配当性向31.6%)。同日、自己株式の取得(上限70万株・発行済株式の6.09%、上限10億円、2026年8月17日〜12月31日、ToSTNeT-3による取得)を決議した。2027年6月期も年45円を予想
- 2027年6月期の予想は売上高20,700百万円(+3.0%)、営業利益1,950百万円(+18.5%)、経常利益2,090百万円(+10.8%)、純利益1,460百万円(△8.8%、前期の投資有価証券売却益の反動)。第2四半期累計は営業利益1,220百万円(△12.6%)と減益を見込む
財政状態
総資産
23,405百万円
純資産
20,357百万円
自己資本比率
86.4%
現金及び現金同等物
8,655百万円
営業キャッシュ・フロー
2,826百万円
次期業績予想
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2027年6月期 通期予想 | 20,700百万円+3.0% | 1,950百万円+18.5% | 2,090百万円+10.8% | 1,460百万円△8.8% |
注目ポイント
第3四半期までは工事採算の改善で大幅な増益が続いていたが、第4四半期に営業赤字となり(当社試算)、通期の営業利益は前期並みにとどまった。2月に引き上げた予想も下回った。会社は高速道路関連工事を中心に第4四半期以降の発注環境に変化が生じているとしており、主力の高速道路リニューアル工事の受注減が響いた形だ。
一方で株主還元は強化した。期末配当を5円増やして45円とし、発行済株式の6%にあたる最大70万株・10億円の自社株買いも決めた。自己資本比率86%、現金及び預金109億円という厚い財務を還元に回す姿勢を示した。
2027年6月期は営業利益で18.5%の増益を見込むが、上期は減益の予想で、回復は下期に偏る計画になっている。高速道路関連の発注環境がいつ落ち着くかと、レーザー工法など新しい施工領域の開拓がどこまで進むかが注目点になる。