決算ノート
6908東証プライム電子部品(車載用を中心とするコネクタ)

2026年3月期 決算サマリー顔マークの見方

サマリー

コネクタ大手のイリソ電子工業は、海外子会社での不適切な金銭の交付などを調べる第三者委員会の調査を受け、期末から半年遅れで2026年3月期決算を発表した。売上高は車載向けやエネルギー関連の伸びで前期比9.9%増の619億円と過去最高、営業利益は0.2%減の54億円だった。調査で海外子会社の売上の前倒し計上なども判明し、2022年3月期以降の決算を訂正した。2027年3月期は営業利益35.6%減の35億円を見込み、期末配当は未定とした。

売上高

61,961百万円

+9.9%

営業利益

5,436百万円

△0.2%

経常利益

6,132百万円

+10.1%

親会社株主に帰属する当期純利益

2,553百万円

+1.6%

営業利益率

8.8%

前期9.7%

自己資本比率

78.6%

前期末76.7%

ハイライト

  • 売上高は61,961百万円(前期比+9.9%)で過去最高。営業利益は5,436百万円(△0.2%)、経常利益は6,132百万円(+10.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,553百万円(+1.6%)
  • モビリティ市場向けは、インフォテインメント分野の高速伝送用コネクタや中国のxEV向けが好調で+7.5%。インダストリアル市場向けはFA機器の回復とエネルギーマネジメント分野の拡大で+67.1%。コンシューマー市場向けはゲーム機向けが減り△3.8%
  • 2026年4月27日に第三者委員会を設置し、9月28日に報告書を受領した。海外子会社2社での不適切な金銭の交付、海外子会社の決算・監査の遅れ、2023年3月期と2024年3月期の海外子会社での売上の前倒し計上、その他の会計処理の誤り、当社の品質管理・品質保証上の問題が判明した
  • 調査関連費用などを特別損失(合計1,983百万円)に計上した。減損損失は414百万円
  • 過年度の有価証券報告書(2022年3月期〜2025年3月期)や決算短信を訂正した。影響額は、例えば2023年3月期の営業利益が6,940百万円から6,814百万円(△1.8%)へ。訂正の影響は各期とも売上高で1%前後
  • 決算短信の開示が期末後50日を超えた。会社は再発防止に努め、今後は期末後45日以内の開示を目指すとしている
  • 配当は年100円(期末)で、配当性向は125.4%。2027年3月期の期末配当予想は未定
  • 2027年3月期は売上高67,000百万円(+8.1%)、営業利益3,500百万円(△35.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,600百万円(△37.3%)を見込む

財政状態

総資産

94,821百万円

純資産

74,525百万円

自己資本比率

78.6%

現金及び現金同等物

28,498百万円

次期業績予想

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益
2027年3月期 通期予想67,000百万円+8.1%3,500百万円△35.6%2,700百万円△56.0%1,600百万円△37.3%

注目ポイント

海外子会社をめぐる不正の疑いで第三者委員会の調査が入り、決算発表は期末から半年遅れた。調査では、不適切な金銭の交付のほか、売上の前倒し計上や品質管理上の問題まで見つかり、過去4期分の決算を訂正する事態になった。

訂正による数字の影響は各期とも小さいものの、統治や内部管理の問題は重い。品質保証に関する問題の具体的な中身と、それが取引先との関係にどう影響するかは、引き続き確認が必要だ。

業績面では車載向けコネクタが伸びて売上は過去最高となったが、今期は営業利益が3割以上減る見通しで、配当も未定とした。信頼の回復と収益の立て直しを同時に進められるかが問われる。

出典:イリソ電子工業株式会社「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年9月30日)、過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ、決算短信の開示が期末後50日を超えたことに関するお知らせ、2025年3月期第1四半期決算短信の訂正(9月30日)」(2026年9月30日開示)

この要約は原資料をもとに作成し、運営者が確認・編集したものです。内容の正確性を保証するものではなく、投資判断は必ず原資料をご確認のうえご自身の責任で行ってください。本サイトの内容は投資勧誘を目的としたものではありません。